カテゴリー「古本市」の投稿

「第4回鬼子母神通り みちくさ市」を満喫

23日、午前中の仕事を終えてから妻・とみきちと共に「みちくさ市」へ。プレ開催から4回続けて「とみきち屋」で参加してきたが、今回初めて客として訪れる。
いやあ~、楽しかった。こんなに多くの方とたくさん話せるなんて。

午後2時会場到着。目白通りから商店街に足を踏み入れた途端、人々の熱気が伝わってくる。あしあと動物病院から順に進んでゆく。
<ちんちろりん商店>Pippoさんはお留守。
そこへナンダロウさんが現れる。 飄々とした感じはいつも通り。「ミスター一箱古本市」たすきはかけていらっしゃらない。残念。(でも、後にブログの写真で拝見)
「bk1の書評ありがとうございました」と声をかけてもらう。

<とみきち屋>の大切なお客様の一人、高校生のKさんがいつのまにか隣に立っていた。Pippoさんの箱の前でお喋りしていたので、ちょっと箱に近づきにくかった様子。
「こんにちは」とご挨拶。今回は店主ではなく、一般客なのでそれ以上話しかけるのは躊躇われた。きっといい本見つけられたに違いない。

Pippoさんとは一通り廻り終えた帰り際に『てふてふ二匹め』やポエトリーカフェについてお話。
八木重吉の朗読は前から好きだったけれど、大江満雄の詩の朗読がとくに沁みたことを伝えると、Pippoさん自身大江満雄はとても好きな詩人と聞き、嬉しくなる。ポエトリーカフェの在り方についても聞かせてもらい、共感。
購入した「ゴミイラズ」、とみきちはいたくお気に入りの様子。文庫を入れる以外にもいろいろ使えると嬉しそう。

お隣のHB橋本さんから、HB最新号Vol.6「2009年、東京」を購入。もみじまんじゅうを頂いた。
「よしもと」を吉本隆明と勘違いし、まったく理解不能な話を勝手にしてしまった。たぶん、「この人大丈夫だろうか…」と思われたに違いないのに、にこやかに話を聞いていただき恐縮。

<魚月>さんの1950年代のマッチ箱は大阪、神戸のものが多く目を惹かれる。それときれいな記念タバコラベル。昔吸っていた缶ピーではないが、ピースラベル2枚購入。
「ハイライトを《浪人たばこ》って呼んでたんですよ。hi-lite(入りて~)だから」と言ったら、笑われてしまう。おやじくさかったな(笑)。

モンガ堂さんにご挨拶。毎日のようにあれだけすごい本を購入されているので、どんな本を出されているのか興味津々だった。今回はなんと絵本特集!私の一番弱いジャンル。何度も妻から「小さい頃の情操教育が全く欠如してる」と言われている(笑)。
絵本の話ができないので、モンガさんの全国一箱古本市行脚のことを伺う。ナンダロウさんとは別の意味でミスター一箱古本市だと思うんだけどなあ。

<書肆紅屋>さんのところに伺うもお留守。晩鮭亭さんが店番をされていた。今回もいろいろな出店者の方のHELPをされていたご様子。お疲れさまでした。
すでに全品100円均一。ほとんど本が残っていない!それでも、福田恆存『西歐作家論』(講談社)ほか4冊いただく。
紅屋さんとは、<やまがら文庫>Yさんと歩いていらっしゃるところ、偶然お会いできた(みちくさ市終了直後)。ナンダロウさんの『一箱古本市の歩きかた』校正時の裏話、小田光雄さんのことなど興味深い話をいろいろ伺う。
買い込んだ本でふくらんだ私のバッグを見て、「そんなに買って、家庭騒動になりませんか(笑)」とご心配いただく。妻にも聞こえるよう「4箱分処分するつもりなので、なんとか(笑)」と答える。
<やまがら文庫>Yさんに食事でもいかがですがとお誘いいただくも、予定が入っており断念。また別の機会にご一緒させてください。

今回出店されなかった<四谷書房>さんご夫妻とばったり。この一年何かとお世話になりました。
ありがとうございます。また来年お会いできるのを楽しみにしております。

袋いっぱいに本を買われていた駄々猫さんのご主人と遭遇。友と本、人と本などの話をしみじみと。購入本を全部見せていただいた。セリーヌ、ジュネほか私の好みの本がほとんど。セリーヌなどは全集版を所有なのに文庫本を買われている。こういうところも似ているなあと再認識。
「まだ本を出す気にはなれませんか。見たいなあ」と背中を押しまくる。すると、「そろそろ本の置き場もなくなってきたし、面白そうですよね」。
そのことを、直後お会いした駄々猫さんに伝える。少しお疲れではないかなと思われた駄々猫さんの顔がぱっと明るくなる。ご主人が本を出品するのを望んでいたご様子。強力タッグの誕生が楽しみでならない。楽しいひと時でした。

<どすこいフェスティバル>のKさん、Tさんにもお会いできて嬉しかった。Tさんと佐野洋子の話で夢中になってしまい、Kさんとはほとんどお話しできず。すみませんでした。とても残念に思っています。毎回何らかのかたちでお顔を拝見しているので、会えないと寂しくなりそうです。

池田大シャッター前に出店されていた<ゆず虎嘯>さんのお二人とも楽しくお話しさせていただく。わたしたちが出店の際、100円かごやせんべい缶(無料)を積み上げるタワーに話が及んだので、「せんべい缶ひしゃげてきて、そのうち使えなくなりそうで心配なんです」と云ったら、笑われてしまった(笑)。

お隣の<文庫善哉>さんに声をかけていただく。前々回、同じ場所に出店。いつもながら、素敵なお店。憧れのワイン箱にとみきちの視線は釘付け。「アンチヘプリガン」の棚を一段借りて、本を出されています。また、12月23日(水・祝)には、あの「キアズマ珈琲前」で青空古本屋を出店されるとのことです。

今回のお目当て<junglebooks>さんにお邪魔する。想像通りの素敵なお二人。「秋も一箱古本市」では、エロスをテーマに青秋部賞を受賞されている。「みちくさ市」を考慮してラインナップをかえられたご様子。しかし、いい本、私好みの本がいっぱい!見ているだけでわくわくする。ご主人が、前回(?)中沢新一、澁澤龍彦の動きが鈍く、「終わったのか~~?!」と思われたという話で盛り上がる。
自分が「これは」と思った本の反応が悪いと、辛いものです。少し前だったらけっこう喜んで引き取ってもらえた作家の本が、突然ダメになったりする。ナンダロウさんが新書で指摘されているように、一部の店では出品本が似てくるのも一因なんでしょうかね。
奥様の「実は<とみきち屋>さんフリークなんです」の言葉に赤面。以前、当店にほしい本があったのに、(一般のお客様をさしおいて)真っ先に買い行くのを遠慮してくださった話を伺い、感謝。私たちと同じ姿勢でいらっしゃることに共感。

話に夢中になっている間に、最初に気になって手にとったものの一旦戻した本を若い女性が、いかにも買いそうな感じで手にされていてショック!泣く泣く諦め、話の続きを。暫くしてから同じ場所に目を遣るとまだあった!これも縁というものなのだろう。
『「本屋さん」との出会い』(洋泉社)。「1オシ!!」の色紙が挟まれている。
総勢78名のそうそうたる執筆陣。「中でも、つげ義春のが凄いんですよ」と伺い、帰宅後読ませていただく。
人間の邪悪な面を抉りながら、もの悲しささえ感じさせる。背筋が凍るようなエッセイ。いやもうこれは短篇小説といっても過言ではない。泥棒稼業から足を洗った後、家でボロぞうきんのように扱われている祖父に、孫がほしい漫画を万引きさせる。しくじった瞬間「ちぇっ」と舌打ちするところで終わっている。つげ義春の怪しさ、強烈な個性がいかんなく発揮されている。

この文章のところにさり気なく、栞が挟まれていた。<junglebooks>さんの演出に違いない。
一冊の本を勧める姿勢に感心するばかりでなく、お二人の本への愛情がびしびし伝わってきました。またゆっくりお話したいです。

<嫌気箱>塩山さんのところに伺うも、他のお客様とお話されていてお声をかけられず。
木山捷平の品切れ文庫ほか、いい本たくさん。値付けがまた塩山さんらしくていいなあ。
「他店なんか関係ない」「知ったこっちゃない」といった、頑として譲らない感じ。

<古本 寝床や>さんと会うのは久しぶり。落語をメインとして、芸能、伝統文化関連本の充実振りは有名なのでわかるものの、吉田秀和などクラシック音楽本がさりげなく並べられているのがいつも不思議。一度その秘密を伺いたいものだ。最初にお会いしたときから、誰に対しても上から目線になることなく、その丁寧な姿勢は変わらない。だから多くの人に好かれるのだと思う。見習いたくても、私などにはとうていできそうにない。

前回私たちのお隣に出店されていた<モノンクル・ブックス>のIさんのところで長居。
「今日は売れないんです。今までで一番よくないかも…」とおっしゃるので、「信じられない。きっとこれからですよ」と、口にしていた。いやあ、だってそうでしょ。これだけ人が来ていて、モノンクルさんのところが不調なんておかしい。
思ったとおり、前回並みかそれ以上だったと、後にブログを拝見して知る。
ある雑誌にまつわるエピソードを聞かせてくれた時のIさんの話しぶりがリアルで面白く、とみきちと二人で思わず笑ってしまう。
日も陰り寒そうにされていたので、とみきちが、使っていたカイロを差し上げる。日記特集の雑誌を購入。二人でお店(BLIND BOOKS)の方にも遊びに行きますね。

岡崎武志さんにご挨拶。なんだかすごい売れ行き。岡崎さんの余裕の笑顔が語っている。
夏に京都書院アーツコレクション72『古代ガラス -H氏の場合-』を古書で購入以来、ガラス工芸を扱った本が気になってしかたがない。つい最近もエミール・ガレの写真集を購入したばかり。
『江戸・明治のガラス』(平凡社カラー新書)を手にとって、妻のとみきちにアール・ヌーヴォー、ガレ、切子などぶつぶつ話していたら、「知的な夫婦やねえ」と岡崎さんから絶妙のタイミングで声をかけられる。参りました。買わないわけにはいきません(笑)。
とみきちがおみくじを引こうとしたら、残り2枚しかない!最終的に驚異の5万円近い売上げとのこと、凄すぎます。

お隣の<古本くちびるごう>さんも絶好調のご様子。本を送り返す必要など全くなさそう。息子さんが「こども店長」で活躍されていた。その口上が可愛いだけでなく、堂に入っている。
山本哲士『現代思想の方法-構造主義=マルクス主義を超えて』(ちくま学芸文庫)ほか2冊購入。

<パインブックス>さんのところで使い古しのフライパンややかんが100円で売られていた。おもしろい。でも、買う人がいるとは思えない(笑)。そこに怪しげな人影。「どうですか」と勧めてくる。
「あやつけるんかい」と、体当たりを喰らわす。なんと退屈男さんではありませんか(大笑)。何故か私たちにはお茶目なところを時折見せていただけるんです。

出店者の皆さんの盛況ぶりを肌で感じ、「本売りたい!」と少しばかりむずむずしましたが(笑)、客として廻ったからこそ、これだけ多くの方々とお話しできたのだと思います。
ほんとうに楽しい、あっという間の2時間でした。

「とみきち屋さん今日は出てないの?」、今回私たちが出店していないのをご存知の方から「とみきち屋さん来た?」と訊かれたことを、何人かの店主さんから教えていただきました。たとえわずかでも、そう言っていただけるなんて、光栄です。

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南陀楼綾繁『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書) 一人一人の古本物語

ナンダロウ(南陀楼綾繁)さんの新刊『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を2回続けて読んだ。どういうかたちで感想を書こうかと迷った末、bk1に書評を投稿。初めてのことである。

もう何年も前になるが、妻のとみきちがよく投稿しており、いつのまにか「書評の鉄人」とかになっていた。書評の鉄人たちによる本も出た。私の知っている方では、葉っぱさんソネアキラさんの書評も掲載されている。
そんなこともあったので、bk1にした。字数3000字まで可という条件も助かった。

少し悩んだ。とみきち屋のことを知っている方からすれば、著者との距離が近いと感じるはず。
でも書いた。一箱古本市の存在を知らない方にも是非読んでもらいたいと思ったから。
そのため、8割方第三者的な目で感想を寄せた。

本好きにはたまらない、素敵な本だと思う。
自分の知らない多くのイベントのことが手にとるように伝わってきた。

何より、ナンダロウさんの半端じゃない情熱と底力を感じた。
私が今さら言うまでもないが、その編集力たるや、プロ中のプロのものと感服。
また、各イベントの問題点にもきっちり触れているところが、偏っておらず、共感を覚えてならなかった。

無償で全国を駆け回り、多くの本好きが思いっきり楽しめるイベントを広めてくださったことには、一箱古本市参加者の一人として御礼の言葉あるのみ。
もちろん、一箱古本市を含め、多くのイベントを支えてくださっている皆様にも。
ありがとうございます。

『積んでは崩し』(けものみち文庫1)のなかの「本をナメルナ!」を読んだとき、この人はホンモノだなと思えた。
ある雑誌に触れ、<なんだか知的おしゃれなアイテムとしての抽象的な「本」しかでてこないのだ。くそっ、本をナメルナ!読者をナメルナ!>と憤慨。自分なら<そこにある「本」の物語を読者に感じてもらえる紹介を試みるつもりです。>と結んでいる。

「本」の物語をさらに「人」「イベント」に広げたのが『一箱古本市の歩きかた』であり、これまでナンダロウさんが信念をもってやってこられたことが結実していると思えてならない。

拙いものですが、私が書いたbk1の書評の一部をそのまま紹介します。

鳥取県米子市での「一箱古本市」を扱った章で紹介されているエピソードがとりわけ心に残った。
演劇、映画関連の本、戦前のグラフ雑誌の合本などイイ本を出していた母娘。実は四年前に亡くなった息子さんの本であった。参加する数日前からそれらの本をめくっては、息子さんを思いだしていたという。「演劇をやっていたこともあり、本が好きな子でした。処分するのがしのびなくて取って置いたんですが、こういう機会に本好きの人の手に渡ればいいと思って」。
その母親の言葉を受けとめ、著者はこう語っている。「本と人をつなぐ場所があれば、一箱古本市はドコでもできる」。
ここに、著者のみならず、本を愛する多くの人々の思いが集約されていると言ったら大げさだろうか。
本を愛する人「一人一人の古本物語」であふれている素敵な書。

書評そのものはこちらです→ http://www.bk1.jp/review/479740

ナンダロウさんは、記事を書かれた方のふだんの仕事はきちんと評価し、「この記事だけはいただけなかった」と書いている。こういうところが、いいなあ。

巻末の■全国ブックイベント年表作成に協力された「空想書店 書肆紅屋」さん、「退屈男と本と街」の退屈男さん、お疲れさまでした。この8年間の動きが一望でき、とても参考になりました。

さっそく『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)に関するリンク集をつくっていただいた「モンガ堂」さん、ありがとうございます。楽しく読ませていただいています。

リンク集 こちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20091120

ナンダロウさん年内のイベントが光文社のHPに掲載されています。
「南陀楼綾繁トークツアー2009」 こちら→ http://www.kobunsha.com/special/hitohako/

我が家では3冊目を購入。86歳になったばかりの母に渡す。目の前でパラパラと読み始め、「楽しそうだねえ」と笑っていた。高齢で足が悪く、通院以外にはほとんど外出できないが、10年前だったらきっと行きたい!と言ったことだろう。

23日(月・祝)は「みちくさ市」ですね。
午前中の仕事を終えたら、行きたいと思っています。

『第4回 鬼子母神通り みちくさ市』

■開催日
2009年11月23日(月・祝日) 10:00頃~16:00
雨天の場合、28日(土)に順延(この日が雨の場合は中止)

■会場
雑司が谷・鬼子母神通り
東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
Google地図 >> http://tinyurl.com/6xmc4y
主催/鬼子母神通り商店睦会  協賛/わめぞ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/
● 当日朝の7:00に天候による開催の有無を決定します。
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以下の方法で開催の有無を確認できます。
  
・みちくさ市ブログ http://kmstreet.exblog.jp/
・みちくさ市携帯サイト http://mblog.excite.co.jp/user/kmstreet/
・わめぞブログ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/

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ブログを始めて一年 やはり「一箱古本市」?

2008年11月17日に始めたブログ<本と音楽>風太郎の気ままな水先案内も、気がつけば一年。よく続いたと思う。これまでに書いた記事数約130。2.8日に1回の更新になる。1週間に一つ書ければいいほうだろうと当初は思っていたので、まあまあのペースといえるだろうか。

昨年10月に、<とみきち屋>の屋号で「一箱古本市」に初参加。ブログを読まない、書かない私だったので、お客様とのエピソードを妻のブログ「とみきち読書日記」に書いた。これが思った以上に楽しく、ひとつのきっかけになった。自分に合わないと思えばやめるのも自由なんだと思って始めた。
書いてみたいと思う事は多々あったが、実際は思うように書けない。その点は今もたいして変わりはない。
吉本隆明、太宰治、三島由紀夫、五味康祐、山田詠美、佐野洋子、ドストエフスキー、ニーチェ、シモーヌ・ヴェイユ、フルトヴェングラー…。吉田秀和、宇野功芳、野村秋介、笠井潔、長渕剛などがすぐに頭が浮かんだ。クラシック音楽、戦争、遺稿集に関してなども多くとりあげたいと思った。
しかし、一年が経過したにもかかわらず、ほとんど書けていない。

この一年で7回古本市に参加することになり、古本ブログ、古本市フリークブログの様相を呈してしまっている。完璧に看板に偽りありだ(笑)。
少し軌道修正しなければならないなと思うものの、それができるかどうかは疑問。
サッカーのワールドカップが始まれば、ほかのことが考えられなくなる。
古本市に参加することがあれば、前後はそのことに集中してしまう。
なんだ、最初から言い訳ばかりじゃないか(笑)。

ブログ開始一年となる11月17日が、南陀楼綾繁さんの『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)の発売日にあたるのだから、何とも不思議な縁と思えてならない。
秋の一箱に出るまで知らなかったナンダロウさんから、いきなり賞をいただいてしまった。さらに、春の一箱で賞を頂戴した黒岩比佐子さんが、後に高校の一年先輩と知るに至り、絶句。
「一箱古本市」は欠かせないものとなった。

今日、南陀楼綾繁さんの『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を2冊購入。
1冊は持ち歩き、書き込み用。1冊は保存用。
つい先日86歳になった母が1冊ほしいと言っている。
この先何冊購入することになるのだろうか。
既に、一回目を読み終えた。二回目はじっくり読んで、その後感想を書きたい。

11月24日(火)
南陀楼綾繁さん×津野海太郎さんトークイベント「本とともに街を歩こう」(於 青山ブックセンター) http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20091111

12月17日(木)
第2回モクローくん大感謝祭 トーク2 http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20091112
南陀楼綾繁さん×黒岩比佐子さん「古本が先か?仕事が先か?」(於 古書ほうろう)
の参加予約をすませる。楽しみだ。

★トーク2のテーマと出演者が変更になりました。

◎トーク2 「なぜか、原稿料の話」

栗原裕一郎(ライター)×内澤旬子(イラストルポライター)×南陀楼綾繁

原稿料はなぜ何十年も上がらないのか? 原稿料の歴史から、この摩訶不思議なシステムの謎に迫る。出版危機、雑誌休刊ラッシュの今後、原稿料とわれわれのゆくえは? いつの間にか因果な生き方を選んでしまったフリーの物書きの現状を赤裸々に語ります。担当編集者は入場禁止!?

12月17日(木)開場18:30/開演19:00

入場料 1000円(飲み物持込み可)

※ご予約は電話かメールで

 古書ほうろう 03-3824-3388  horo@yanesen.net

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当ブログに関して。

数は多くはないが今なお「天の夕顔 中河与一」、「フォーレ レクイエム」検索で読みに来てもらえるのは、正直嬉しい。
「五味康祐」も同じく。まとまった記事をひとつも書いていないのに…。
多いのは「一箱古本市」「みちくさ市」検索。記事の割合からして当たり前か(笑)。
古本関係を除くと、吉本隆明、鶴見俊輔、佐野洋子が多い。

意外なのは、某携帯会社のCMに苦言を呈した際に触れた「映画 八甲田山 音楽」でのアクセス。未だに絶えない。

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買ったら売らねば

土曜、地元の書店にナンダロウ(南陀楼綾繁)さんの新刊、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)の入荷予定を確認したら、やはり17日(火)発行と聞かされ、がっくり。早く読みたい。

ナンダロウさんから見本を贈られた方々が少しずつブログでとりあげている様子。
中でも、岡崎武志さんの全面バックアップ宣言は、頼もしく、温かい。単なる内輪褒めでないことは一読してわかる。
こちら→  http://d.hatena.ne.jp/okatake/20091113

「本は人の手に届きたがっている」、本離れの状況を招いた非は業界人にもあると説く岡崎さんの言葉には重みがある。そして「一箱古本市」を、現況を打破する大いなる可能性を秘めたイベントと認識し、「一箱古本市」の全国的拡がりの核となっているナンダロウさんを讃える気持ちに強く共感。
私的なこと、或いはコメントなどにおいてはナンダロウくんと呼びかけることもある岡崎さんだが、今回の記事においては南陀楼綾繁さんの新刊『一箱古本市の歩きかた』と記している。
人柄は滲み出るものですね。どんなに名が知れていようと、こういう心配りのできない人もいる。

ひょっとしたら風邪のひきかけ?と思える症状が出たりして、大人しくしている日もあったが、相変わらず古本は買っている。

古書往来座 外市にて〕

■野呂邦暢『戦争文学試論』(芙蓉書房出版)

狭い意味の「文学」にとらわれず、無名兵士の手記、ドキュメントなど多くの作品を読み込んでいる。
「一つの時代を後世の価値観で裁くことは、私たちがおちいり易い錯誤である。国家に殉じることが、最高の名誉とされた時代もあったのである。反戦を叫ぶ現代の日本人が一時代前に戦って死んだ人々よりもすぐれていることにはならない」
「昭和五十年代の日本人が昭和十五年代の日本人より賢いといういわれはどこにもないのである。謙虚に先人の文章をたどることにしよう。私たちの父兄は史家がいうように狩りたてられた奴隷として死んだのであろうか。」
著者は決して戦争そのものを肯定しているわけではない。

何があったのか、どんな時代だったのか、どう受けとめ戦地に赴き、何を思っていたのかを知りたくて、私も若い頃から戦争に関する数多くの本を読んできたので、通じるものを感じる。じっくり読んでいきたい。

■富士正晴『贋・久坂葉子伝』(講談社文庫)

先日、『幾度目かの最期―久坂葉子作品集』(講談社文芸文庫)を入手したばかりだが、こちらも併せて読みたいと思っていた。文字は小さいが、現在入手できる講談社文芸文庫版は1,890円もするので、500円はありがたい。

上記2冊は荻原魚雷さんの<文壇高円寺>より購入。今回はいつもより出品数も多くいい本が目白押しだった。

■森山大道『過去はいつも新しく、未来は常に懐かしい』(青弓社) <古書文箱>より
■野呂邦暢『諫早菖蒲日記』(文藝春秋)■吉田精一『随筆入門』(新潮文庫) <古書有古堂>より

売上げ対決とかで、<古書文箱>と<古書有古堂>は隣り合わせ。いつもとは違い大きめの棚を提供されていた。たった二日間での勝ち負けに大きな意味はないと思うが、どんな本をいくらで売るかという点で興味深いものがあった。いずれも個性が出ていて、優劣などとてもつけられない。

■今東光『極道辻説法』(集英社文庫) <立石書店>より

ずっと探していた。一瞬わが目を疑った。間違いない。歓喜に包まれる。200円なんて信じられない。1000円でも欲しかった本。
愛読書『毒舌 身の上相談』(集英社文庫)は『続 極道辻説法』『最後の極道辻説法』を合わせたもので、『極道辻説法』は含まれていない。タイトルに説法とついているものはまだ他にもあるが、少しずつ集めていくつもり。
余談ながら、『プレイボーイの人生相談1966-2006』(集英社)は面白い。今東光を始め、柴田練三郎、岡本太郎、開高健、赤塚不二男、野坂昭如、吉本隆明、松山千春ほかが若者の相談に答えている。今こんなの掲載したらやばいだろというような過激な発言も随所に見られるが、我が意を得たりと思わず破顔大笑。

<チンチロリン商店>からは、PippoさんのCD『てふてふ 二匹め』を購入。詩の朗読集だ。八木重吉の詩については以前当ブログでもとりあげた。やはり何度聞いても素晴らしい。新しく聞いたものの中では、大江満雄の詩の朗読がとりわけ心に残った。
キリスト教的理想主義にたつプロレタリア詩人で、ハンセン病患者の詩を編纂した『いのちの芽』も刊行している。
差別や対立のない世界を希求する思いが、抒情的な表現から強く伝わってくる。また、朗読とそれを支える音楽(効果音)がとてもいい。作者とも朗読者とのものとも言えぬ声が、遠くから心に響いてくる。わずか3分弱のなかに、深く透明な世界が広がっている。

〔ブックオフにて〕

自宅から車で20分ほどの店舗。ここは105円の商品は新書ぐらいしかいいものが入手できない。しかし、半額なら新刊単行本、講談社学術文庫、岩波文庫、ちくま文庫などが結構豊富で買える。
久しぶりに足を運んだら、文庫本200円セールを実施していた。この店舗でセールに遭遇するのは初めて。

■暁烏敏『歎異抄講話』(講談社学術文庫)
10年ほど前、石和鷹『地獄は一定すみぞかし-小説暁烏敏』(新潮社)読後興味を抱き、暁烏敏の自作『わが念仏・わが命』(潮文社)を古書店で入手して読んだ。それ以来になる。
■鎌田慧『大杉榮 自由への疾走』(岩波現代文庫)
■筒井清忠『二・二六事件とその時代』(ちくま学芸文庫)

地元のブックオフ 文庫本99円セール

■岡本かの子『生々流転』(講談社学芸文庫)
■平泉洸 全訳註『明恵上人伝記』(講談社学術文庫)
■川崎信定訳『原典訳 チベットの死者の書』(ちくま学芸文庫)
■堀江敏幸『河岸忘日抄』(新潮文庫)
これは当然文庫版も欲しい。
■佐江衆一『わが屍は野に捨てよ 一遍遊行』(新潮文庫)

同じく地元ブックオフ 105円

■論座2006年11月号『言論テロと右翼』(朝日新聞社)
■論座2007年4月号『グッとくる左翼』(朝日新聞社)

都内ブックオフ3店舗から 105円

■G・スタイナー『青鬚の城にて』(みすず書房)
■樫山欽四郎『哲学概説』(創文社)
■松浪信三郎・飯島宗享『実存主義辞典』(東京堂出版)
■豊田穣『革命家北一輝』(講談社文庫)
■杉森久英『天才と狂人の間 島田清次郎の生涯』(河出文庫)
■近藤富枝『相聞 文学者たちの愛の奇跡』(中公文庫)
■竹内薫・竹内さなみ『シュレディンガーの哲学する猫』(中公文庫)
■坂口安吾『坂口安吾全集16 安吾人生案内 負ケラレマセン勝ツマデハ 安吾行状日記ほか』(ちくま文庫)

古書ではないが、『婦人画報12月号 ほんまにおいしい、冬の京都』を購入。
高校同級生・稲葉なおとの特集が掲載されているからだ。「稲葉なおとが綴る4つの物語 心の再生アジアン・リゾート」。
短篇小説4作をメインにした構成で、バリ、プーケット、シンガポール、モルディブのホテルが紹介されている。小説は未読だが、写真のみでも買った甲斐あり。ため息がもれるくらい美しい。もちろん、彼自身が撮っている。
稲葉なおとの根強いファンは多い。私のブログにも婦人画報に関して、ご夫妻でファンという方からコメントをいただいた。

来春までは古本市に参加する予定もなく、買ってばかりではたいへんなことになるので段ボール4箱に処分本を詰め込んだ。地元馴染みの古書店に2箱、残りをどうするかは思案中。

昨日の日曜は仕事が長引き、上京されていた葉っぱさんにお会いできず残念でならなかった。
妻は葉っぱさんと楽しいひと時を過ごさせていただいた。帰宅後いろいろと話を聞く。ありがとうございました。

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「第9回 秋も一箱古本市」エピソード(4)最終回

ようやくここまで辿り着いたという感じです。それでは最終回、知人・友人の方篇とご報告。

この前の助っ人集会で初めてお話した<トンブリン>さんにお越しいただく。一部のファンが鶴首して復刊を待っていたスタージョン『一角獣 多角獣』。復刊直後になんと3刷。これを引き取っていただく。赤い装丁も、もしかしたら気に入っていただけたかな。

<書肆紅屋>さんと共に、ナンダロウさんの『一箱古本市のあるき方』(光文社新書・11月17日発行予定)の資料作成を手伝われた退屈男さんがお見えになる。お客様が何人かいらっしゃったため、お話しできず残念。

古本市では何度も購入いただいているNEGIさんが午後になってご来店。一箱、みちくさ両方の古本市で頼もしいサポートをされている姿をよくお見かけする。ちなみにNEGIさんは「一箱古本市」において過去に「谷根千賞」、「古書ほうろう賞」を受賞されている方。
今回、当店の数少ない目玉というか強引セット、木山捷平『酔いざめ日記』『耳学問・尋三の春他 』をお求めいただく。

NEGIさん滞在時、「古書ほうろう」の宮地さんがお見えになる。ほうろうさんは憧れの古書店。
村上春樹強引セットをご覧になり、「とみきち屋さん、今日はこれが出るか出ないかだよねえ(笑)」と宮地さん。何というプレッシャー(汗)。もうその時点でこれはあかんと薄々感じていたから余計に。予想通り、持ち帰りとなりました(笑)。ミカコさんとお話できなかったのは残念です。

詩の朗読、歌、ブログ、ポエトリーカフェ(今月末から)など様々な形で詩の素晴らしさを伝えているPippoさんと、リコシェの豆子さんをよみせ通りで見かける。「怪しいお二人ですね(笑)」と声をかけたら驚かれた。そのままエスコートならぬ客引きという風情でお二人をゲントにお連れする。お互い「相手の話なんか聞いちゃいないと」と言っているけれど、ほんとに仲がいいんだなあとほっこり。豆子さん、Pippoさんのマネージャーとして仙台まで行くんだから。
Pippoさんには大森荘蔵『流れとよどみ』(産業図書)を購入いただく。大森荘蔵は『時は流れず』(青土社)が一番好きな本と聞き、新しい一面を見せてもらったように思える。

u-senさんがお仕事前にスーツ姿でご来店。一瞬「?」。しかし、違和感がない。当たり前か。
宇佐美承『池袋モンパルナス』(集英社文庫)を購入いただく。u-senさんがゲントから去った途端、一人の女性に声をかけられる。
「もしかして、今の方があの有名なu-senさんですか?」
ブログと実際のイメージが異なっているように感じられ「あの」と言われたのかなと思いつつ、「そうですよ」とお答えする。他の会場ではどうだったのだろう。多くの方がu-senさんをご存じのはず。ゆっくり本を見るのは無理だったのではないかな。

<オムライス堂>のNさんがお見えになったので、
「調子はどうです。大丈夫ですか?」といきなり声をかけてしまう。
「どうしてですかねえ。他でもそう声をかけられるんですよ」
「そりゃそうでしょう。ブログを読めば」
そこにくちびるごうさんが突然現れ、
「大丈夫なの?」
「ほら、みんなそう思っているでしょう!」と私。

それからしばしNさんとお話。ハレとケの落差、モノローグとダイアローグの違いなどをベースに(何のことやら)勝手に私が喋りまくり、「どこか似ているところありますよね」と訊くと、Nさん苦笑。
「そうだよなあ、ありがたくもないよなあ」と反省(笑)

佐伯一麦『芥川賞を取らなかった名作たち』(朝日新書)を購入いただく。新刊で買われるつもりだったとのこと。喜んでもらえよかった。最近ようやく2冊目を入手できたので、出品。意外に思われるかもしれませんが、佐伯一麦は『木を接ぐ』で海燕新人文学賞受賞の頃から注目しており、けっこう好きで読んできているのです。『ア・ルース・ボーイ』は残っていても、『一輪』『木の一族』(いずれも新潮文庫)が品切れなんて…。

仙台文学館での連続講座がもとになっている朝日新書はお薦めです。参加者の声に答える著者の真摯な姿勢、作品に対する愛情が伝わってきます。
エピソード(3)で触れた、洲之内徹『『棗の木の下』。実は佐伯一麦が取り上げた12作品の中のひとつなので飛びついてしまいました。これで後は、『おじいさんの綴方 河骨 立冬』(講談社文芸文庫)が入手できれば、全作品手元に揃うのだが、なかなか出会えない。
他には太宰、北條民雄、木山捷平、小山清、小沼丹、山川方夫、吉村昭、萩原葉子、森内俊雄、島田雅彦、干刈あがたの作品に触れています。人によっては、(私自身も)名作と呼べるかとなると「?」がつくものもあると思いますが、著者の解説には目を引くものがあります。

さて、先ほどちらっと登場したくちびるごうさん。「みちくさ市」では渋い、良質の本を廉価で出されています。「本が好き!!」が半端ではなく、オーラが出ている方。今回<とみきち屋>の強力な助っ人さんになっていただきました。

まず、ご本人に野呂邦暢・長谷川修『往復書簡集』をご購入いただく。
その後私の不在時に再度お越しいただき、ご来店されたお知り合いの方に、野呂邦暢『愛についてのデッサン』(角川書店)を強力にプッシュしていただく。
この作品いいんだよ。しかも安い。この版で読みたかったなあという感じで。(みすず書房版でお持ちのご様子)。さらに<古書、雰囲気。>さんもお見えになり、みすず版でもこの値段では手に入れくいとバックアップしていただく。その甲斐あって、お知り合いの女性に引き取っていただくことになりました。
その間、店主・とみきちは何も言えず黙したまま。そして最後に、目の合ったお客様に「強烈な営業でしたねえ」。まるで他人事のように(笑)。

<古書、雰囲気。>さんには、小山清『落ち穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)を。くちびるごうさんには太田治子『斜陽日記』ほか2冊を追加で購入いただく。ありがとうございました!!

店主・とみきちの友人ぶーやんさん。その博識ぶり、行動力はまさに驚異。たとえば伊藤若冲。とみきちは東京での展示を観に行くのが精一杯。ぶーやんさんは、遠く四国(香川)金刀比羅宮まで飛び「書院の美」展へ。「動植綵絵」33幅が揃うと聞くと京都・相国寺へ。室生犀星が気になれば、金沢へ赴いてしまうのです。
昨年小布施に行かれたので、お隣の<まちとしょテラソ>さんとも話が弾んでいたご様子。さらにさらに。ナンダロウ(南陀楼綾繁)さん著『山からお宝 本を積まずにはいられない人のために』(けものみち文庫)に寄稿されているのです。それでナンダロウさんに紹介。面識はなかったのに編集の都合で写真を掲載できなかったことを憶えているナンダロウさん、やはりすごい。

徳富蘇峰の孫にピアノを習ったことがあるとのこと。それもあってか、徳富蘇峰『読書法』(講談社学術文庫)など3冊購入いただく。

店主・とみきちの仕事上の師匠Nさん。ロシア文学科出身ということもあって、ナボコフの本などは全て所有されているご様子。ドストエフスキーにもめっぽうお詳しい。亀山郁夫訳の『カラマーゾフの兄弟』が話題になった時には、原卓也訳との違いなども聞かせていただいた。店主・とみきちは亀山郁夫訳を読了したが、私はとりあえずどんなものかと「プロとコントラ」のみ読んで、ダメだあと挫折。原卓也訳、池田健太郎訳、米川正夫訳と読んできたが、亀山訳はどうもドストエフスキーを読んでいるという気がしない。頭が古いのか、かたいのか(笑) 亀山の評論はけっこう面白く読んでいるのだけれど。
Nさんには、「文章読本」というタイトルのついた本に目がないということで、向井敏『文章読本』(文春文庫)を購入いただく。

昨秋、今春とお目にかかれた岡崎武志さんとお会いできなかったのは残念です。

古本市で黒岩比佐子さんの姿を拝見できないと、ジクソーパズルの大事なピースを欠くような感じで淋しい。体調を崩されたご様子。お大事になさってください。

9月のみちくさ市でお隣に出店された<モノンクル・ブックス>さん。10月9日が「BLIND BOOKS」さんの開店日だったので、翌日一箱訪問は厳しいですよね。お会いできず残念でした。お店の方には、とみきちと二人で遊びに行かせていただきますね。
「BLIND BOOKS」店主さんの日記はこちら→  http://blog.livedoor.jp/chobin3/

多くの方々のお力添えをいただき、今回も楽しい一日を過ごさせていただきました。
心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

〔 とみきち屋の結果 〕 下線付きが今回の結果です。

第9回 秋も一箱古本市  冊数82冊 平均単価474円

第8回 一箱古本市(春)   冊数85冊 平均単価410円
第7回 秋も一箱古本市  冊数85冊 平均単価548円

店のスタイルを変えないので、あまり大きな変動はありません。
今回冊数の割に平均単価が上がったのは、高めの本を多く引き取っていただけたからだと思います。また、リピーターの方、知り合いの方にお買い上げいただいていることが支えになっていると強く感じております。

次回<とみきち屋>の古本市への出店は、ひょっとしたら来春以降になるかもしれません。
年内出店できるか否かに関しては、1週間以内にご報告させていただけるのではないかと思っております。

店主・とみきち http://yomuyomu.tea-nifty.com/dokushononiwa/ 
番頭・風太郎

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「第9回 秋も一箱古本市」エピソード(3)

この一年、本と古本市を介して、多く方々と出会えた。一年に一回しか会えなくても、数分しか話せる時間がなくても、どこかしら通じるものがあって、会えるのが楽しみと思えるのは、やはり「本が好き」という気持ちが根底にあるからだろう。こういう関係は大切にしていきたいと思う。
それでは、出店者篇。

時間的な余裕がなく、今回は一番近い【コシヅカハム】にしか行けなかった。
引っ越し直後でありながら、遠く福島から出店された<もす文庫>のmasubonさんとご主人に会えてよかった。昨秋お隣同士の出店だったことをきっかけに親しくさせていただいている。一足先にうかがっていたとみきちが、素敵な缶バッジを頂いていたので私は本を頂く。masubonさんには当店にて小川洋子の新書をご購入いただく。いつもありがとうございます。来春またお会いできたら嬉しい。

<あり小屋>さん、今回は春よりもやや強気の値付けをされたとのこと。そうは言っても、木山捷平の品切れ講談社文芸文庫など、どう考えても良心的で安価。伺ったのが3時を過ぎていたので、箱の中に見つけショック。不況の影響もあって、お客様の財布の紐も年々かたくなってきているのだろうか…。
でも、やはり個人的には<あり小屋>さんの姿勢が好きだ。勝手な思い込みと言われようが、<あり小屋>さんが『白兎・苦いお茶・無門庵』を100円、200円とかで出されていたら、寂しい。
田中小実昌ほか文庫本を3冊いただく。あり小屋さんには宇野功芳『名指揮者ワルターの名盤駄盤』(講談社+α文庫)を当店から購入いただいた。ちょっと意外でした。

<ドンベーブックス>さん。相変わらずいい本を出されているなあとため息。
ついに見つけました。井上究一郎『ガリマールの家』の単行本!文庫本は持っているが、単行本は目にするのも初めて。申し訳ないと思える値段でいただく。他には田中光二『オリンポスの黄昏』(集英社文庫)。以前人に差し上げたので、1冊しか手元に残っておらず嬉しい。田中光二はあの『オリンポスの果実』の作者で、太宰を追いかけるように自死した田中英光の息子。唯一父のことを書いた小説。

<やまがら姉弟文庫>のYさん。春に私たちが映画保存協会で出店した際にお世話になり、先日の助っ人集会後の飲み会では楽しい話をたくさんさせていただいた。
『en-taxi』 2005年10月号をいただく。何より嬉しいのが、洲之内徹の復刻『棗の木の下/砂』が特別付録としてついていたこと。
『en-taxi』がかつて今よりも小さい判型で、かつ付録つきで売られていたことなど知らなかった。<とみきち屋>がいかに偏っているか暴露しているようなものですね(笑)

私の好きなお店<つん堂>さん。ご主人は外見からは人気ロックシンガーではないかと見まごう感じの方。ところが黒いケースにきちんと並べられている本の渋いこと。多くが品切れ、絶版本。今回は野坂昭如『一九四五・夏・神戸』(中公文庫)をいただく。

初めてお目にかかった<静温堂>さん。屋号にぴったりの雰囲気、品揃え。ここも私好みの本が多く困ってしまった。福永武彦の文庫2冊いただく。個人的な実感として、福永の本は品切れでも思うように引き取ってはもらえない。だから、持ってはいても欲しくなる。

店主・とみきちがバッジを購入した<だいこん洞>さん。「古書ほうろう賞」受賞おめでとうございます。戻らなければならない時間になっていたため、ゆっくり見れず残念。

昨秋以来懇意にさせていただき、貴重な情報をたくさんいただいている<四谷書房>さん出店の【ライオンズガーデン谷中三崎坂】には行けなかった。なのに、こちらにお越しいただき、中平卓馬『なぜ、植物図鑑か』(ちくま学芸文庫)を購入いただく。ありがとうございました。

古本市終了後に書かれるレポートが楽しい<古本 寝床や>さんにも会えず。
同じくライオンズガーデンに出店されていた<本棚やどかり>さん。「オヨヨ書林賞」受賞おめでとうございます。私の不在時に何人かでご来店いただき、牧村健一郎『獅子文六の二つの昭和』(新潮選書)、武田百合子『ことばの食卓』(ちくま文庫)をお買い上げいただきました。ありがとうございます。何かの機会にご挨拶に伺いたいと思っています。

【C.A.G.+Negla】にも行けず。<あいうの本棚>さんに会えないは寂しい限り。今回も写真で拝見すると引き出しが目を惹く素敵なレイアウト。大雑把なうちの構えとは全く対照的なので憧れます。
ブログへのコメントありがとうございました。いつも心が温かくなります。

素敵なご夫妻で出店されている<たけうま書房>さん。私の不在時にお見えになられたみたいでお話しできず残念。店主日記の中で、一番印象に残った一箱として<phtogramme>さんを挙げていらっしゃいます。同じゲントに出店していたので、そうだろうなあと思えます。

集会でお話しさせていただいた<霧のタンス本>のKさんの箱も拝見したかったのに…。同じく<野ぎく堂>さんにも会えなかった。開催当日伺いますねと言いながら叶わず、恐縮の至り。一箱古本市がどんな様子かを、好き勝手に話してしまっただけに。またお目にかかりたいと思っています。

当然の如く、一番遠くの【宗善寺】には行けず。なのに、<駄々猫舎>どんぐりと駄々猫>の屋号で出店されていた駄々猫さんにはわざわざお越しいただく。しかも息を切らせて。その姿に感激。お父様が哲学の先生でいらしゃると聞き、9月の「みちくさ市」の際、なぜシオランなのか秘密が判りました。鶴見俊輔の本ということで『鶴見俊輔書評集成3』(みすず書房)を購入いただく。加えて坪内祐三『考える人』(新潮文庫)も。実は、鶴見俊輔のこの本、最後まで残っていたらナンダロウさんに引き取ってもらえたであろう本。不思議な感じがする。「みちくさ市」ではご主人と二人合わせて10冊も購入いただいたこともあり、足を向けて寝られません(笑)

駄々猫さんがブログで今回の「一箱古本市」の詳細なレポートを書かれています。一箱初参加とは思えない充実ぶり。3回目の参加になる私も参考にさせてもらいました。またどこかでお会いできますよね。楽しみにしています。ご主人にも!

東京に限らず、全国の一箱古本市にこの人あり!と言っても過言ではない<モンガ堂>さん。ご挨拶に伺えず、すみません。また、リンク集の作成ありがとうございます。このリンク集のおかげで、当日の様々な様子を知ることができます。
リンク集はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20091011

<嫌気箱>の塩山さんにもご挨拶できず。仲正昌樹の(アーレントについて書いた)新書をめぐってある方と交わされた言葉が素敵です。(塩山さんご自身のブログに書かれていたものではありませんのでご了承ください)

<カリプソ文庫>さんの箱はぜひぜひ覗いてみたかったのに…。残念でならない。先日いろいろお話しさせていただき、(私自身共感を覚える)こだわりをお持ちの方と思えたのでいっそう。
エロスをテーマに品揃えされ「青秋部賞」を受賞された<junglebooks>さんを見逃したのも残念。様々なブログやコメントを拝見し、素敵なお二人を想像する。きっと「みちくさ市」ほか、これからもどこかで出店されるだろうから、その折りにはお話しさせていただきたい。

エピソード(4)知人・友人篇。現在執筆中です。

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「第9回 秋も一箱古本市」エピソード(2)

古本市が終わる度、長々書き綴っているものだと自分でも思います。一箱3回、みちくさ4回、これで7回目。飽きもせず、懲りもせず。
少しでも強く記憶に留めておきたいから-今のところそれ以外の理由が思いつきません。
言葉によるアルバム。写真は頭の中といったところでしょうか。

それでは、一般のお客様とのエピソードの続きから。

■利倉隆『天使の美術の物語』(美術出版社) 500円

開店時箱に入りきらず後から補充した本。気がつくと、ひとりの女性が手にされていました。ゆっくりとページを括る表情の何と穏やかなこと。ずっと見ていたい気持ちを抑え、視線をそらしてお待ちする。「これ、ください」「ありがとうございます」。交わした言葉はこれだけ。お声をかけたら、かえって何か大切なものを壊してしまいそうな気がして。

印象に残る店にしたい。一人でも多くの方に喜んでいただきたい。そんな思いで一日限りの<とみきち屋>を出しています。名前を憶えていただけるのはこのうえなく嬉しいことではありますが、憶えていただけなくてもいいかなと思えることもあります。このお客様が何かの折り、これは谷中の古本市で手に入れた本と思い出していただけたら、それも印象に残ったことに変わりはないのですから。

■佐川光晴『牛を屠る』(解放出版社) 300円
■洲之内徹『気まぐれ美術館』(新潮文庫) 700円

年輩の男性の方がご購入。残念ながら私の不在時だったため、お話しすることはかないませんでした。
洲之内徹が旅立っていくのは予想がつきました。文庫版の人気は安定しているので。気になっていたのは『牛を屠る』(解放出版社)の方。

屠畜或いは人が他の動物(生物)を食することに関しては、1998年鎌田慧『ドキュメント屠場』(岩波新書)、2004年森達也『いのちの食べ方』 (理論社)、2007年 内澤旬子の労作『世界屠畜紀行』(解放出版社)、2008年妻夫木聡主演による映画『ブタがいた教室』、2009年(春)ドキュメンタリー映画『いのちの食べ方』(※森達也の本とは全く別物)など、話題となったものが多い。
日本における屠畜は差別の問題を避けて通れない面もあり、焦点のあて方が難しい。そんな中、内澤旬子、佐川光晴の著作は屠畜・屠殺そのもの現場を克明に描くことによって、ひとつの職業としての尊厳さを唱えている。遠ざけられ、隠されているがゆえに、差別意識を生じさせるのではないかという考え方が(微妙な違いこそあれ)両者の根底にあるように思える。

動物は、エサをやるだけじゃなく、かわいがって話しかけて飼えば、犬だけじゃなく、豚だって牛だって、飼い主の呼びかけに喜んだりするんじゃないだろうか。つまり、家畜として(情けをかけ過ぎずに)飼えば家畜となって、使役したり食べたり、皮を取ったりするのに適した存在となり、ペットとして愛情をかければ、どんな動物でも感情のある相棒となる。

これからも動物をときにかわいそうと思いつつ、でも自分で擬人化したイメージに流されず、責任をもって丁寧に食べていきたい。

『世界屠畜紀行』の中でこう述べていた内澤氏は、その後、自ら豚を飼育し、食している。その様子がブログに書かれています。(→こちら)

一方、佐川氏は1990年から2001年まで屠場で働いていた経験をもとにあくまで「屠殺」という言い方に拘る。

「死」には「冷たい」というイメージがつきまとう。しかし、牛も豚もどこまでも熱い生き物である。ことに屠殺されてゆく牛と豚は、生きているときの温かさとは桁違いの「熱さ」を放出する。(略)差別・偏見を助長しかねない「殺」の文字を重ねなければ、われわれが触れている「熱さ」に拮抗できないと考えていたのではないだろうか。(略)牛や豚を殺しているのではないと言い張りながら、「殺」を容認するのは矛盾だが、われわれは「屠殺」という二文字の中に作業場でのなにもかもを投げ込んでいた。

「命をいただく」ことを考える上で、多くのヒントを与えてくれる2冊です。

ご存じの方も多いと思いますが、不忍ブックストリートMAPのイラストは内澤さんが描いていらっしゃいます。

■仲正昌樹『デリダの遺言』(双風舎)
■中上健次・村上龍『ジャズと爆弾』(角川文庫) ■ランボオ『ランボオの手紙』(角川文庫)

カップルでご来店いただき、30代と思われる男性にご購入いただく。ああ~~。先方が嫌でなければ、いろいろお話ししたいという選書。この時も不在。わずか30分弱店を離れていた時間帯に、応対できなかったお客様の多かったこと(泣)

■内田樹『ためらいの倫理学』(角川文庫)
若い女性のお客様。みちくさ市でもそうだったのですが、内田本は女性の方の購入が多い。
「内田樹の本は読まなくてもいいんだけどなあ」
「ブログとか講演をベースにした著作が多いですものね」と店主・とみきち。
「そうそう。ブログと同じような感じ」
でも、本を元には返されないお客様。そこで、とみきち。

「『ため倫』!」
「うん、『ため倫』!安いからもらっておこうかな」とお買い上げいただく。

この流れ、私番頭・風太郎には全くわかりません(笑)。でもご購入ありがとうございます!!
デビュー作ということもあって、文章がややかたく読み辛いかもしれませんが、内田樹のエッセンスは詰まっているので、読んで損はないと思います。と、弁解。

■佐野洋子『シズ子さん』(新潮社)

ご夫妻でご来店。野呂邦暢ほか渋めの本を手にとられては、お二人で会話を交わされる。その内容からしてかなり本に詳しく、当店が出している本のめぼしいものは既にお読みか、お持ちのご様子。このまま他に移られるのかなと思った時、二段重ねにしてあった下段左端から手に取られたのが『シズ子さん』。
「なんか、この値段では申し訳ない感じよね」と奥様。
「はい、確かに。ただ、佐野洋子の本は、当店の一押しなので、繰り返し同じ本であっても出品させていただいております。一人でも多くの方に読んでもらいたいという気持ちからこの値段にしております」とお話しする。

実はこの本、その直前、遠く宗善寺から素敵な和服姿でわざわざお越しいただいた<どすこいフェスティバル>さんのTさんがお気づきにならなかったもの。「佐野洋子さんの本があったのね」という言葉に恐縮。2段にびっしり重ね過ぎたため、和服をおめしになられていたTさんには見つけにくかったのだと思います。ごめんなさい。次回からはもっと本を探しやすいよう工夫いたします。
<どすこいフェスティバル>さんからは、Kさん、ご友人のYさんもご来店。Kさんにはカナファーニー『ハイファに戻って 太陽の男』もご購入いただき、ありがとうございます。
「一箱」「みちくさ市」何度もお越しいただき、親しくさせていただいているのに、こちらからは伺えずすみませんでした。
売上げ点数111点、ぶっちぎりのトップ。凄い!のひと言です。いい本を、お客様がお求めやすい値段で数多く提供されたのでしょうね。伺っていたら10冊くらい頂いてしまったかもしれません(笑)。

中平卓馬の本、写真集ほか3冊とも引き取っていただきました。手に取る方が多く、人気のあることを実感。追悼の意を込めて1冊のみ出した庄野潤三。『文学交友録』(新潮文庫)500円も思った通り行き先が決まりました。マルグリット・デュラス『ヒロシマ私の恋人』(ちくま文庫)600円は30代と思われる女性の元へ。アラン・レネ監督による映画『二十四時間の情事(ヒロシマ・モナムール)』はご覧になられたものの、原作本は未読。文庫の古書なので、値段的に「少し高いかな」と迷われたようですが、品切れ本であることをご説明すると、次回どこで出会えるかわらないからと、引き取っていただけました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

出店場所アートスペースゲントさんを担当していただいたナンダロウ(南陀楼綾繁)さんには、初めて当店からお買い上げいただく。当店がウェイトを重くして揃えている、文学、思想本もナンダロウさんにとっては月並みであろうし、かといってそそるような珍しいもの、面白いものもなし。諦めていただけに嬉しいです。購入いただいたのは雑誌『東京人』でしたが、実は『鶴見俊輔 書評集成3』を、残っていたら購入いただけたことを伺いました。この本、(次回書かせていただく)駄々猫さんに引き取っていただき、箱から消えておりました。
ナンダロウさんからは、『本が好き!vol.41』(光文社)を頂戴する。ナンダロウさんの記事「本町通り(ブックストリート)を歩こう」<最終回>が掲載されています。

右隣には、<ゆず虎嘯>さんが出店されていました。お名前は存じ上げていたものの、お話させていただくのは初めて。昔よく通った、今でもたまに訪れる素敵な街、国立(くにたち)にお店を出されています。旭通り沿い。あの有名な「谷川書店」さんのすぐ近くとのこと。

左隣には、信州小布施から参加された<まちとしょテラソ>さん。小布施町立図書館長・花井さんとは楽しくいろいろお話しさせていただきました。9月に催された「まちとしょテラソ市 <一箱古本市>」、来春4月17日・18日と実施されるみたいですね。

同じくアートスペースゲントさんには<古書 北方人>さんもご出店。みちくさ市などでは、毎回のようにいい本を安くいただいております。私などが全く知らない、しかし見る人が見ればすごい本が並んでいるのは、お客様の嬉しそうな顔、驚きの声を聞けばわかります。
今回初めて素敵なお嬢様にもお会いできて、嬉しかったです。
<photogramme>さん、<books195>さん、<orz文庫>さんとはほとんどお話しできず、残念でした。またどこかでご一緒させていただくこともあろうかと思います。その折りにはよろしくお願いいたします。

……………エピソード(3)に続く。

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「第9回 秋も一箱古本市」 エピソード(1)

にわか雨による一時間近い中断にもかかわらず、大勢の方々に一箱の会場、そして<とみきち屋>に足をお運びいただき、ありがとうございました。
また、不忍ブックストリート青秋部のお二人、実行委員ほかスタッフの方々、助っ人の方々。場所を提供くださった大家さん。後援いただいた古書ほうろうさん往来堂書店さんオヨヨ書林さんにも、心から御礼申し上げます。

スリップを見ながら、この本はどなたに引き取っていただいたか、その時どんなご様子だったかを思い起こしています。
今回はスペースの関係もあり、店主・とみきちと二人一緒にお客様とお話しさせたいただくことが思うようにできませんでした。従ってお客様のやや後ろから見守ることも多く、私が不在だった30分弱の時間帯も含め店主・とみきちからのヒアリングの時間も増えています。

それでは、恒例のエピソード集始めます。いつもどおり、一般のお客さまとのお話から。

出店場所「アートスペースゲント」さんでは、ナンダロウ(南陀楼綾繁)さん、助っ人のIさん(早番)、青秋部石井さんの教え子でいらっしゃる大学生のお二人(遅番)にお世話になりました。箱の後ろ側にはすでに移動済みの植木が並んでおり、一人が坐るとその後ろは人が通れず。お隣との間が40㎝ほどなので、店主・とみきちとの連携作業が困難と判断。番頭の私がお客様の後ろからフォローする方針を固める。

11時開店前に早くもお客様の姿が。開店の合図と共に一人の男性がお見えになる。いつも早い時間に来られ、何度かお顔は拝見している方。何度古本市に参加しても、最初のお客様にご来店いただく際には緊張します。その日がどんな流れになりそうか、そこである程度決まっていまいそうに思えるからです。
ひととおり箱をご覧になられ、何冊か手にとられた後一冊お求めいただき、ほっとしました。

■内堀弘『ボン書店の幻』(ちくま文庫)350円

自分の蔵書から手放せる本ではありません。たまたま古書店で見かけ2冊目を入手できたので出品。「この値段なら」と満足いただけたご様子。ありがとうございます。
一箱古本市翌日、店主・とみきちのブログ「とみきち読書日記」に一人のお客様からコメントを頂戴しました。

「毎度楽しみにさせていただいております。お気に入りの店主さんを先に回ろうと一番に伺いました。欲しい本が5冊はあったのですが1冊で我慢してしまいました。ごめんなさい。その後すぐ雨で、大変でしたね。午後は青空でよかったです。次回も楽しみにしております。」

私ども<とみきち屋>にとって、かようなコメントをお客様からいただけることは、ほんとうに嬉しいことです。しかも、雨のことまでお気遣いいただけたなんて。
雨粒が落ちてきたのは開催後20分も経過していなかったので、コメントの内容と私たちの記憶、スリップへの記載を考え合わせると、コメントをお寄せくださったのは、まずまちがいなくこの最初のお客様だった思います。(万が一間違っていたら、すみません)。来春も参加させていただくつもりでおりますので、ぜひお立ち寄りください。今度はゆっくりお話しさせていただければと思っております。

二人目のお客様に、■尾形仂『芭蕉・蕪村』(岩波現代文庫)■国枝史郎『神州纐纈城』(河出文庫)をご購入いただいた直後雨が降り始め、中断に入る。

一瞬今日は終わったか…と思ったが、東京は地域によってにわか雨という予報を朝方耳にしていたので、気を取り直す。ナンダロウさんがいてくれたのも心強かった。

そのナンダロウさんに、普段私たちが参考にしている「東京アメッシュ」を携帯で見てもらう。PCで見れる時ほどクリアではないが、雨は文京区から台東区にかけての一部、しかも局地的にしか降っていない。「回復する!」という期待が膨らむ。空を見渡せる場所に移動し見やると、遠くは雲がさけ、青空もちらっと見える。

本を屋内に入れさせていただき、一旦解散。再開時には各人の携帯に連絡をいただく、携帯を持っていない、バッテリー切れの方は助っ人Iさんに連絡を入れるということにして。
とみきちと二人、早めの昼食をとりに「谷中銀座」へ。85歳のおじいちゃまがやっているおそば屋さんへ。当日の人力車による結婚披露のこと、谷中のことなどいろいろ教えていただき、谷中情緒を思わぬ形で味わえた。食後「よみせ通り」をぶらぶら歩いていたら携帯が鳴り、再開のお知らせ。12時をまわっていたが、続けられることが嬉しくてならない。残り4時間弱楽しもうと、ゲントさんに戻る。

雨による中断でお客様にどれほど来ていただけるか、一抹の不安はあったものの、再開後途切れることなく大勢のお客様がお見えになる。「一箱」の認知度の高さ、谷根千という街の魅力、底力を実感する。もちろん、多くの顔見知りの方々にも午後から続々とご来店いただき、励まされる。心強くもあり、楽しい。

■深沢七郎『人類滅亡的人生案内』(河出書房新社)
■古井由吉『円陣を組む女たち』(中公文庫) 『櫛の火』(新潮文庫)
■柄谷行人・中上健次『小林秀雄をこえて』(河出書房新社)
■長谷川宏『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ) 計5冊

若い男性の方に、こういう選書で引き取っていただけるのは嬉しいです。「幅広くお読みになられるのですね」と声をかけさせていただくと、「そうでもないです」と微笑まれる。それから少しお話しさせていただく。深沢七郎はお好きな作家で、古井由吉『円陣を組む女たち』は探されていたとのこと。また、お会いしたい。

■ナボコフ『ナボコフ全短篇集〈1〉』(作品社) 
■バフチン『小説の言葉』(平凡社ライブラリー)
■鶴見俊輔『夢野久作と埴谷雄高』(深夜叢書社)
■内堀弘『石神井書林日録』(晶文社)
■林芙美子『林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里』(岩波文庫) ほかに文庫3冊
計8冊 5,000円

雨天中断後間もなく、リュックを背負われた男性がご来店。今回、当店で冊数、金額ともに一番のお買い上げいただきました。「安いよねえ。もっともっとほしいんだけれど」と言っていただく。そんなに安くはしていないのに…。ありがたいことです。
「ナボコフは〈2〉も出品できればよかったのですが」とお声をかけると、「いやあ、〈1〉だけでも、この値段なら十分」と。またのお越しをお待ちしております。

先に紹介させていただいた若い男性の方もそうですが、当店に初めてお越しいただいたにもかかわらず、まとめて購入くださる方が毎回のようにいらっしゃるのが驚きであり、嬉しいことでもあります。

■五味康祐『いい音いい音楽』(読売新聞社) 800円

一人のお客様が箱の前にしゃがんで本を選んでいらっしゃる。そのため、他のお客様が箱の前までは近寄れなません。前2回とは違い、ほぼ一日中このような状態だったので、申し訳ないなと思う。もちろん、先に見ていただいているお客様が迷惑などと言うことでは決してありません。二人のお客様が同時にご覧になれるスペースがなかったのです。

私の左後方から人影が。当店の箱をやや離れたところからご覧になり、いきなり「えっ?おっ、あったよ!」。お客様の目線が何をとらえたのか何とはなしに感じられ、思わず期待を抱いてしまいました。「今手にしておかなければ」という感じで、他のお客様の邪魔にならないよう、1冊の本に手を伸ばされました。
ビンゴ!! いてもたってもいられず、箱の前にいらっしゃるお客様に「横をちょっと失礼します」と声をおかけして、私は店主・とみきちと場所を交替。

箱の前が空いたタイミングを逃さず、「五味さん、お探しでしたか?」とお声をかける。「そう、探していたんだよ」と満面の笑み。その表情から、どんな本かご存じなのはわかりました。こうなると、中身をくどくど説明するのはかえって野暮というもの。

お買い上げいただく際、「巻末にある、娘さんの父への追悼文(「父と音楽」)が素晴らしいです」とひと言だけ。「そうですか。楽しみです」とお客様。

脱線しますが、一部だけ紹介させてください。自らピアノを弾き、これこそ理想と思える音に関して意見が一致すると、うれしそうな父と握手して喜ぶ娘の言葉です。(文中タンノイオートグラフとあるのは、今や伝説と化した有名な英国製スピーカーのこと)

母は音楽を聴いているときの父が一番好きだという。父がひとり静かにタンノイオートグラフの前に坐り、音楽を聴いているときの表情はとても厳しい。まだ二十年余りしか生きていない私に、父の音楽への姿勢を語りうるとは思っていないが、瞭(あき)らかに、父は、流れる音楽のなかに神を観ていた。バッハ、モーツァルトをとおして神の聲(こえ)をきいていた。それは父にとって、もっとも敬虔な時間であったと思う。だから、私は、音楽と対峙している父の真摯な横顔をみるたびに、どうしても声をかけられなかった。(略)父亡き今、最高の鎮魂は音楽を鳴らすこと、それはわかっている。しかし、あまりに悲惨でなかなかかけられなかった。(略)できることならば、毎晩のように、父の愛した音楽を聴かせてあげたい。しかし、私の手ではタンノイは鳴ってくれない。あの素晴らしい澄明な、ふっくらした気品にみちた音をきかせてはくれない。父の死とともに、殉死したのだ。

■森山大道『犬の記憶』『犬の記憶終章』(河出文庫)
■川村湊ほか『戦争文学を読む』(朝日文庫)
■熊野純彦 編『現代哲学の名著』(中公新書)

以前「みちくさ市」で閉店間際ということもあり、けっこう値引きさせていただき、加藤典洋『村上春樹のイエローページ1・2』ほか3冊をご購入いただいたおじいちゃまにご来店いただく!昔から本はよく読まれるとおっしゃっていました。その時古本市っていいねえという感想もいただいたのですが、一箱に来ていただけるとは感激。しかし、私の不在時(泣)。とみきちが「以前もお買い上げいただきましたので」と、100円分だけ気持ちサービス。それでも喜んでいただけたご様子。きっと店主さんとのやりとりをと楽しまれていらしゃるのでしょう。

■荒川洋治『文学が好き』(旬報社)
■鮎川信夫・大岡信編『戦後代表詩選』(詩の森文庫)ほか3冊

<とみきち屋>常連のお客様のお一人。お名前も伺えたので今回からYさんと呼ばせていただきます。9月の「みちくさ市」で荒川洋治『夜のある町で』(みすず書房)を引き取っていただいたのですが、今回はまず荒川洋治の本を手にされました。昨秋以来何冊も当店から本を購入していただいてますが、図書館で読める本はお借りになって、読後購入するかどうかをじっくり考えられる方。自らの足でこれはと思える本を探される方なのです。
出品していた辻邦生・水村美苗『手紙、栞を添えて』(単行本)をご覧になり、「最近ようやく文庫本のほうを手に入れたんですよ、格安で」とYさん。本に対する姿勢と愛情の深さを感じます。そのような方に対して番頭・風太郎(私です)はあろうことか、押し売りに入る(笑)。

「きっとYさんをお待ちしていたんですよ~、この本。持って帰ってもらいたいって(笑)」
「そうですか?まいったなあ。う~~ん」といつもの素敵な笑顔で迷われるYさん。
「巻末の一覧表が荒川ファンにはたまらないのです」と背中を押すどころか、背中に負ぶさる。
「じゃあ、もらおうかな」とYさん。ありがとうございます!!

これまで荒川さんの本を何冊も出品してきたので、今後出品できるのは残すところ1冊となってしまいました。もちろん『文学が好き』は、自分の蔵書1冊のみで、どこかで入手しない限り出せません。ほんとうによかったと思っているんです。Yさんの手元に渡って。いつも本を介しての楽しい時間をありがとうございます。

『手紙、栞を添えて』を読まれ、水村美苗のイメージが変わったとのこと。きっと書簡を交わした相手がよかったのではないかと思います。

■保田與重郎『後鳥羽院』(保田與重郎文庫・新学社)
■ローデンバック『死都ブリュージュ』(岩波文庫) ほか4冊

もう、古本市ではおなじみのHさん。もちろん、当店にとっても大のお得意さまです。

いきなり伊藤勝彦『天地有情の哲学』(ちくま学芸文庫)を手にとられる。

「伊藤勝彦よく読んだよ」とHさん。それからしばし伊藤勝彦の話。吉本隆明との対談があることを教えていただく。(おそらく「思想の発生する基盤」のことではないだろうか) その後、スタージョン『一角獣・多角獣』(ハヤカワ書房)ほか何冊かの本についてお話させていただく。

もうすでに一袋分お買いになられていて、この先他店を廻られるのはきついでしょうという状態だったので、Hさんの本をお預かりする。するとまあ、長い旅に出られる。お戻りになられた時には合わせて3袋か4袋になっていたような。お買いになったものの中から「こんなの買ったよ」と一冊みせていただく。その作家の本を以前当店から買っていただいたことがあったので、その点は何とも思わなかったのですが、雑誌としては珍しくはないのです。「誰もが飛びついて買う普通の雑誌(本)はかえってHさんのアンテナに引っかからないのかも」と思うと不思議に納得がいく。「それ、面白いですよ」とお答えすると、「そう。楽しみだな」とHさん。そのお顔がなんともキュート。私の想像など及ばないくらい本に造詣がおありだろうし、本を選ばれる速さ、ご覧になるときの鋭い眼光。本来ならこんな感じで接するのは失礼なのかなと思いつつ、一向に変わらない<とみきち屋>でございます。

お隣で出店されていた「まちとしょテラソ」の小布施町立図書館長・花井さんにHさんの事をお話ししたら、とても驚かれていました。どれだけの本を買われたか、実際ご覧になられたわけですし。(小布施のことはまた改めて)

古本市に参加する回数が増える度に、新しいお客様、店主さん、スタッフの方との出会いがあります。また、親しくさせていただくようになった方にわざわざお越しいただいたり、メールで励ましていただいたりと、嬉しいことがどんどん増えていきます。そのため、終了後のブログも少しずつ長くなっていくような。今回は、1週間がかり(これは変わらず)、4回くらいになるでしょうか…(笑)。
初めてお読みいただいた方も既にお気づきかと思いますが、「一箱古本市」全体のレポートではありません。私ども<とみきち屋>の目に映った、いわば風景を描いたものです。その点、ご了承ください。

今回の「秋も一箱」、春の「一箱」、そして素敵な谷根千の街の様子が写真でアップされています。まだ訪れたことのない方にも、その雰囲気がきっと伝わると思います。ぜひ、ご覧になってください。スライドショーも楽しめます。

こちら→ http://f.hatena.ne.jp/shinobazukun/

また、モンガ堂さんがリンク集を作成してくれています。こちらもぜひ。

こちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20091011/p1

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2009「秋も一箱古本市」出品本の紹介(2)

ようやく出品本の選定を終える。満足度は70%といったところ。一日の古本市で100%など所詮無理。では何故70か。出られるかどうかもわからない来春の一箱用に、50冊近い本を別の箱にしまい込んだからです。こうなるともう、病気ですね(笑)。

今回は前回の春(120冊)よりもさらに増やし、随時補充するつもり。増やした分は、200~300円の価格帯で出品します。また、一度出品したことのある本の多くは値を下げて。よってこの価格帯は春の約3倍の数になるでしょうか。そのかわり、びっしり2段に積み重ねますので、ちょっと見づらくなりますがご了承ください。

それでは、出品本の紹介続編です。

■野呂邦暢『愛についてのデッサン』(角川書店・初版)
■野呂邦暢・長谷川修『往復書簡集』(葦書房)
■ガッサン・カナファーニー『ハイファに戻って 太陽の男』(河出書房新社)

3冊ともこの一年間で、自分の蔵書用として2冊目を入手できたので、出品します。カナファーニーは荒川洋治推薦の書。二十一世紀に読み継ぎたい十冊の本の一冊として挙げていました。

カナファーニーは「戦争」と戦い、三十六歳で暗殺されたパレスチナの作家。夢のように悲しく美しいものを残した。文学のもっているもの、そして期待のすべてがこの作品のなかにある。 『文学が好き』(旬報社)

さて、その荒川洋治。今回もまた出品します。

■荒川洋治『文学が好き』(旬報社)

巻末近くに掲載されている「一年一作百年百篇-一九九〇~一九九九」が曲者。これを読んだがために、いったい何冊の本を買うはめになったことか(笑)。いまだに入手できない作品も多い。

■荒川洋治『読んだような気持ち』(ベネッセ・コーポレーション)

レアな部類に入ると思います。廉価での出品はできませんので、手にとってご覧いただくだけでも。荒川ファン<とみきち屋>の、今回の看板。滋味ですね(笑)。

■アンヌ・フィリップ『ためいきの時 若き夫ジェラール・フィリップの死』(ちくま文庫)

36歳の若さで亡くなったジェラール・フィリップ。その未亡人による(夫への)鎮魂の書。解説でも触れられているが、「この"わたくしたち"は、あなたプラスわたしではないもの、生まれつつあるもの、わたくしたちを超え、わたくしたちを包含すべきものだった」というアンヌの言葉が二人の在り方を象徴している。

■伊藤勝彦『天地有情の哲学 大森荘蔵と森有正』(ちくま学芸文庫)

人類の知的遺産シリーズでパスカルを執筆した著者。この本初版のみで部数が少なく、購入者も手放なさないのか(わからないのだけれど)、ネットも含めあまり見かけない。読後9年も経過している古本ですが、定価ぐらいで出してみます。

ブログで紹介させていただいた以外にもいろいろ出品します。蜷川幸雄、佐伯一麦、古井由吉、蓮実重彦、室生犀星などなど。

開催当日は晴れそうですが、まもなく上陸しそうな巨大台風の被害が心配されます。みなさま、お気をつけください。

私ども<とみきち屋>は、アートスペースゲントさんに出店します。

『秋も一箱古本市』 10月10日(土)開催予定 11:00~16:30
 (http://d.hatena.ne.jp/seishubu/

チラシ http://d.hatena.ne.jp/seishubu/20090924#p1
出店者一覧 http://sbs.yanesen.org/projects/sbs/wiki#店主一覧

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2009「秋も一箱古本市」出品本の紹介(1)

9月のみちくさ市参加前、既に7割方「一箱」用の本は別に選んでストックしておいたものの、その後遅々として作業は捗らず。結局、もう4日しか準備期間が残されていない。まあ、毎度のことですが(笑)

前にも書きましたが、いいなと思った本のうち、品切れになりそう、或いは品切れになってしまったら同じ本を、それこそ条件反射のように買っていました。古本市に参加する遙か前から。
書き込み用、持ち歩き用、保存用、時に贈呈用と4、5冊所有しているものがかなりありました。そこから、一箱2回、みちくさ(プレ開催含め)4回、計6回の中でけっこうな数を出品。しかも、できる限りかぶらないように。

しかし、素人ゆえの限界もあり、いいと思っても、簡単に入手できるものではありません。加えて、自身の性格もあります。古本市に参加するようになってから、買う本の幅が多少拡がったものの、やはり自分の好きなジャンルに偏るのは変えられません。

前置きが長くなりました。今回から<とみきち屋>は、直前のみちくさ市に出品した本、昨秋、今春のいずれかの一箱に出品したのと同じ本も出します。おそらく10冊~20冊。
何度も当店にお越しいただいている方には、「なんだ、同じ本が出ているじゃないか」という印象を与えてしまうと思います。しかし、いいと思える本は、「誰かに読んでもらえたら嬉しい」という気持ちがありますので、敢えて申し上げました。

だからといって、当店に一度はお越しいただいた方、ブログをご覧になった方など、<とみきち屋>の傾向をご存知の上で、足をお運びいただく方々を落胆させてしまうような箱は出さないつもりでおります。ぜひ、お越しください。

それでは、出品本のごく一部をご紹介させていただきます。2~3回の予定。

ミニ特集 【 西行と定家 】 写真参照

なぜ西行と定家なのかと訊かれても、答えに窮してしまいます。自分の好きな歌人だから、それに尽きます。そして、もうひとつ加えるならば、全品複数所有しているので手元に1冊残っていればいいという、単純な理由です。
西行の『山家集』(岩波文庫)、定家の『定家八代抄』(岩波文庫)が新刊で入手できないということ自体、不思議でならない。岩波なら、いつか重版されるとわかってはいても。
上記以外にも、4冊品切れ本を揃えました。

【 中平卓馬 】 写真参照

 『原点復帰ー横浜』(オシリス)、『なぜ、植物図鑑か』(ちくま学芸文庫) 『中平卓馬 来るべき写真家』(河出書房新社)。
中平卓馬ほか森山大道、東松照明論などが入っている大竹昭子『眼の狩人 戦後写真家たちが描いた軌跡』(ちくま文庫)も出します。(5年半前に出た文庫なのに、もう品切れのようです)
『決闘写真論』など、品切れ、絶版本は含まれませんので、出品数含め中平卓馬特集と呼べる品揃えにはなっておりません。一冊しか持っていない蔵書から出すのは困難なため、特集が組めればと自分なりに探してはみたのですが、入手できませんでした。一度入手困難な写真集を見つけましたが恐ろしいほどの高額で。

【 木山捷平2冊セット 】 写真参照

■『酔いざめ日記』(講談社) ■『耳学問・尋三の春他』(旺文社文庫)

いわゆる<とみきち屋>の強引セットです(笑)

【 村上春樹 付録付き 】

■『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(新潮社・初版

これだけでは、珍しくも何ともないですよね(笑)。そこで、付録を用意します。
1980年『文學界』9月号に掲載され、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の元になったと言われる作品の切り抜き です。雑誌本体は残っておりませんが、全文読めます。ただし、経年変化による黄ばみがあること、ホッチキスでとめてあることをご了承ください。
この作品、単行本、文庫本含め、著者本人の意向により未掲載です。

私ども<とみきち屋>は、アートスペースゲントさんに出店します。

『秋も一箱古本市』 10月10日(土)開催予定
 (http://d.hatena.ne.jp/seishubu/

チラシ → http://d.hatena.ne.jp/seishubu/20090924#p1
出店者一覧→ http://sbs.yanesen.org/projects/sbs/wiki

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