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旧制高校生の〈三種の神器〉本復活か?!

岩波文庫がウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』、シモーヌ・ヴェーユ『自由と社会的抑圧』、レヴィナス『全体性と無限』、ホルクハイマー/アドルノ『啓蒙の弁証法』などを出版した時も少なからぬ驚きはあった。しかし、近年、ユクスキュル/クリサート『生物から見た世界』、シュレーディンガー『生命とは何か』など、科学系のものを出していることにも目がいく。『生命とは何か』は同社が新書で発行していたこと、ベストセラーとなった福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)の中でシュレーディンガーが取り上げられている影響も少なからずあるのだろう。

しかし、ここに来て、坂口安吾『堕落論、日本文化私観 他二十二篇』を皮切りに安吾の文庫を続々と出版する岩波のねらいはどこにあるのだろうか。新潮、角川、集英社、ちくま、講談社文芸文庫など、「堕落論」は、掲載作品の組み合わせこそ違え、多くの出版社から既に文庫が出ている。しかも、ちくま文庫は全集だ。岩波という知的(?)ブランドを看板にしたところで、売上げ上の限界はあるはず。

そして、なんとなんと岩波は、倉田百三『愛と認識との出発』までも復刊した! 角川文庫版が絶版になって以来、文庫で読むことが叶わなかったわけだから、個人的には喜ばしい。が、底流に何があるのかはわからない。「まさか、教養主義の復興?? ならば、阿部次郎『三太郎の日記』なんかも、そう遠くないうちに出版されたりして。そこまではあるまい・・」とぶつぶつ独りごと。

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