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コンセルトヘボウ演奏会雑感

先週の11日、マリス・ヤンソンス指揮によるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏をサントリーホールに聴きに行った。海外オケのコンサートに足を運んだのは、コルボ指揮、ローザンヌ器楽&声楽アンサンブルによる、バッハの「マタイ」とフォーレの「レクイエム」以来2年半振り。高校時代からの親友が招待券を入手し誘ってくれた。自腹ではとうてい手の出ない豪華なS席。やはり持つべき者は友。

曲目はブラームス「交響曲第3番」とムソルグスキー「展覧会の絵」 ブラームスは哀感漂うというより、木漏れ日の中をたゆたうような演奏。極端な表現は避け、オーソドックスなものだった。弦の音色はビロードの如く艶があって心地よい。ヴァイオリンは、重厚さは欠くものの、弱音部ではその美しさが遺憾なく発揮されていた。特筆すべきはヴィオラ、チェロ、コントラバス。それらが溶け合った時の得も言われぬ響き。からだがぞくぞくと震えた。木管はどれも柔らかく、甘やかで、技術も高い。金管も咆哮するわけではないが、ホルンの弱音という難度の高いところも難なくこなしていた。ヤンソンスは、ところどころ独特の味付けを施してはいたが、総じてアンサンブルを重視し、美しい音色を響かせることを心がけているように思われた。

「展覧会の絵」はオーケストラ総動員でこれが今のコンセルトヘボウだ!と言わんばかりの熱演。(音楽の後半、指揮者のカマーバンドが外れ、式台に落ちた。こんな光景初めてだ)それでいて、これみよがしに最強音で度肝を抜かせるようなこともなく、美しくまとめていた。音の洪水に身を浸したいと思っていた者にとっては、やや期待ハズレだったかもしれないが、私は好感が持てた。

団員がさりげなくスコアをめくる姿が目にとまり、アンコールあるよと友人に囁く。アンコール曲はブラームス「ハンガリー舞曲第1番」とグリーグ、ペール・ギュントより「山の魔王の宮殿にて」。アッチェレランドを効かせた爽快な演奏に、会場も盛り上がった。

ブラームスは注目したが、「展覧会の絵」は個人的に曲そのものにそれほど魅力を感じないので(10年に1回聴くか聴かないか)、もっと違う曲でコンセルトヘボウの音を聴きたかったが、ただで聞けたのだからそれは贅沢というもの。罰があたる(笑)。

伝統を感じさせさる個性的なオケの音色、アンサンブルの秀逸さは十分堪能できた。

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