2013年春 「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」エピソード(4)
いったい何時の一箱の話なんだと訝る方がいらしても仕方がないですね。(3)を書いてから2か月以上経ってしまいました。。。 長期ブランク、季節外れはいつものこととはいえ、お恥ずかしい限りです。
13:40過ぎ。ここからまた女性のお客様が続々と。
30代くらいの方が■ヘンリー・ミラー『暗い春』(福武文庫)■マルケス『百年の孤独』(新潮社)。法被姿の女性が■中沢新一『大阪アースダイバー』(講談社)■庄野潤三『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』(講談社学芸文庫)。
同じく法被姿の方に■芥川龍之介『大川の水・追憶・本所両国』(講談社学芸文庫)■山田風太郎『人間臨終図鑑』(全3冊・徳間文庫)を。ご夫婦でいらした奥様には■内田百閒『浪のうねうね』(旺文社文庫)ほか3冊を購入いただく。
また、これは売れると思っていましたが■三上延『ビブリア古書堂の事件簿1~4』(メディアワークス文庫)。「800円は安いわね」と喜んでいただけたご様子。この間男性は■加藤周一『雑種文化』(講談社文庫)を買っていただいたお一人のみ。
なんだか<とみきち屋>ではないような気がし始めていました。
14:10。ドーナッツブックスさんのお一人がご来店。■マラマッド『アシスタント』(新潮文庫)■植草j甚一『ミステリの原稿は夜中に徹夜で書こう』(双葉文庫)の2冊をお求めいただく。マラマッドは『店員』のタイトルで新訳が出たことを伺う。
読むなら新潮文庫と決めて探していらしたとのこと。これも出会いなんでしょうね。それにしても『店員』とは…。なんかイメージが違うな。アシスタントには単なる店員以上の含みもあって、こっちの方がしっくりいく。
14:30過ぎ。初日の助っ人飲み会でご一緒したSさんが約束通り足を運んでくれました。嬉しいですね。平松洋子の本と、『作家の放課後』(新潮文庫)を購入いただく。この本には大森望氏が不忍の一箱に店主として参加した際のエピソードが掲載されていることをお伝えする。
★「〈一箱古本市〉雇われ店長体験記」(大森望):南陀楼綾繁さんが始めた不忍ブックストリート・一箱古本市出店
(とみきち屋の名前がちょこっと出ています)
ほぼ同じ時間に来店されたNEGIさんには■室生犀星『深夜の人 結婚者の手記』(講談社文芸文庫)を購入いただく。一箱では毎回何かしら持ち帰っていただいています。
さて、当店最年少のお得意さんである、大学生のMさん。ほんとうに久しぶりです。Pippoさんが同じ場所に出店されていたので、ひょっとしたら来ていただけるかもと思っていました。みちくさ市プレ開催に学生服姿の高校生としてお買い上げいただいた時のことは一生忘れられないと思います。
そのたたずまいだけでも印象的なのに購入されたのが、野間宏『文章入門』(旺文社文庫)、中野重治『歌のわかれ』(新潮文庫)ですから。
今回はどんな本を手にとってもらえるかなと胸が高鳴りました。
まずは3冊セットで出品した■中村光夫『憂しと見し世』『今はむかし』『戦争まで』(中公文庫)。いやあ、これですか。愛読書なので思わず顔がほころんでしまいました。次に■原口統三『二十歳のエチュード』(ちくま文庫)!! これは予想外。理由をうかがうと、清岡卓行『海の瞳―原口統三を求めて』を読まれたから。なるほど、それなら納得。でも次の疑問が。なぜ『海の瞳』なんだ…と思いをめぐらしていたら、
「以前清岡卓行の本をこちらで…」とMさん。
「ああ、たしか『薔薇ぐるい』でしたね」
「ええ…」
もうかなり前に購入いただいた本を覚えていてもらえるなんて嬉しい限り。
その後「友達に貸したら返ってこないので」と■山村修『増補 遅読のすすめ』(ちくま文庫)を手にされる。前記4冊も含め、どれも私のお気に入りの本ばかりなので山村修の本はプレゼントさせていただいた。
あとでPippoさんから聞いたのだが、知り合いの方と「Mくん、<とみきち屋>トラップにかかってるね(笑)」と話していたそうで。決して網を張っていたわけではないのですが…。
14:40。モンガ堂にもよくお越しいただいているIさんが■木山捷平『長春五馬路』(講談社文芸文庫)を。ますく堂さんが荒川洋治と山之口獏の本。40代の男性が■バフチン『小説の言葉』(平凡社ライブラリー)ほか2冊、年配の女性に■吉田知子『無明長夜』(新潮文庫)ほか2冊を購入いただいた。
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