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2013年5月

「第20回 鬼子母神通り みちくさ市」終了

ご来場いただいた多くの皆様、<わめぞ>のスタッフの方々、大家さんはじめ商店街のみなさま、ありがとうございました。
先般の「不忍 一箱古本市」とは一味違ったかたちで楽しませてもらいました。
「みちくさ市」はゆったりと時間が流れていきます。常連の方々ものんびり、ゆっくり箱をながめ、店主とけっこう長い時間話していかれますし、参加者も他店主と余裕をもって交流をはかることができます。

前回に続き、<嫌気箱>の塩山さんと同じブース。塩山さん介護スタッフとなりつつある<とみきち屋>。なんせ<トチキミ屋>とか<トキミチ屋>とか当日朝まで言っているくらいなので、まだまだ心配です(笑)。
しかし塩山さんのケアなどお安い御用。独演、いや毒舌ショーを無料でほぼ独占状態で楽しめるのですから。
一緒だった<SOUP>さんも大人の対応。毒気にやられることなく和気あいあいと過ごしていらっしゃいました。

塩山さんに「ブックオフに夜中に忍び込んでるんじゃないの~?」と訊かれ、
思わず「あれ、バレちゃいました?(笑)」
とみきちがほんとは参加できない予定だったと告げると、
「こんなむさ苦しい旦那と一日一緒じゃたまんないよ。ああよかった」とも。

こんな会話はかわいいもので、いやもうよくこれだけ面白い表現ができるもだなと感心しきり。お腹がよじれそうになったことも何度か。人間観察が鋭い。
お客さんへの対応の丁寧さといったら「これが同じ人?」と思えるほど。
ブログだけ読んでいるのと実際に会って話して感じる人柄のギャップがこんなに大きい方はそうはいませんよね(笑)

一箱に続きお買い上げいただいた、dozoさん、jindongさん、(E)さん、Yさん、仁平さん、ますく堂さん、つぐみ文庫さん、ドーナッツブックスさんありがとうございました。
やまがら文庫さん、駄々猫さん、mondobooksさん、ゆず虎嘯さん、RAINBOW BOOKSさん。
長谷川さん他お馴染みの方々もご購入ありがとうございます。
塩山さんのところに寄られた遠藤哲夫さんには安吾の本を3冊購入いただきました。

以前お買い上げいただいた女性のお客様には「いい品揃えですね」と云っていただきました。独特の雰囲気を持たれた方で、今回もいろいろと話ができてよかった。
岩波ホールに勤めていらっしゃったとのことで神保町の古書店にも通われたらしい。
またいらしてください。
とみきちの知人Sさんにもわざわざお越しいただいた。私は初めてお会いしましたが、聡明で、本の造詣も深く、素敵な方でした。
上林暁『聖ヨハネ病院にて』(新潮文庫)を購入いただく。

岡崎武志さん、北條一浩さん、北方人さん、書肆紅屋さんとも話せただけでなく、欲しかった本もそれぞれの箱からいただくことができました。
岡崎さんの新刊『昭和三十年代の匂い』(ちくま文庫)は完売していて買えず。書店で買おう。

<火星の庭>の前野さんとは仙台のイベントのことで話ができて、とみきちは喜んでいました。一方私は、いい本をたくさん出品されていた<火星の庭>さんからけっこう買わせていただきほくほく。

当店のお客様でもあった若いお二人が<らむ書房>の屋号で初出店されていてびっくり。
若いのに本格的に本を読んでいて、よく知っているなあと感心していたのですが、今回の品揃えには目を引かれました。
私の愛読書のひとつ「アミエルの日記」がセットあるのですから!
しかも、フェルナンド・ペソアにも触れたコメント付きで。
アイザック・B・シンガーの新刊『不浄の血』(河出書房新書)を定価の半額で購入。これはお買い得。
買う側と売る側では違いも大きいとは思うけれど、これからも出店してもらいたいな。

古本市出店者としては常連の朝霞書林さん、ミウ・ブックスさんや、不忍の一箱古本市では旧安田楠雄邸でご一緒だったけれどほとんど話せなかった<ひつじ図書>さんとも話ができるなど、楽しい一日でした。久しぶりにしましまさんにも会えた。

<とみきち屋>は86冊お買い上げいただき、平均単価は400円でした。
前回には少し及ばなかったものの、女性や若いお客様が増え、嬉しかったです。

ご来場いただいた、また、お買い上げいただいた皆様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

次回から、不忍ブックストリート一箱古本市のエピソード集を再開します。

追記
ひとつだけ、寂しくてならないことがありました。
前回3月の開催ではお会いできたのに、<とみきち屋>にとってとても大切なお客様の姿を拝見できなかったことです。
正確に申せば、もうお会いできなくなってしまいました。
このことについては機会を改めて書きます。

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「第20回 鬼子母神通り みちくさ市」出品本の紹介

「みちくさ市」も、もう20回目を迎えるのですね。プレ開催を入れれば16回目の参加になるのだと思うと感慨深いものがあります。
ほんとうにいろいろなことがあった…。
「みちくさ市」そのものも前回全面リニューアルされ、新たな道を歩み始めていますね。
著名人による華やかなトークショーに加え、関連ンイベント、展示などもりだくさん。
古本市だけでなく二日間たっぷり楽しめる催しになっています。
是非ぜひ足をお運びください。

5月18日(土)12:00~16:00
5月19日(日)11:00~16:00
詳細はこちら→ http://kmstreet.exblog.jp/

不忍一箱古本市のように助っ人として手伝えるわけではないので、一人でも多くの方に足を運んでいただけるよう、本を揃えるくらいしかできません。
だから今回も、特集だけは好きなことをさせていただきますが、それ以外はできる限り喜んでいただけそうな本を用意してお待ちしております。

<ときみち屋>は「みちくさ市」2日目の5月19日(日)11:00~16:00
旧「花結び」向かい駐車場
に出店します。

出店場所→ http://kmstreet.exblog.jp/18468637/#18468637_1

まだ値付けも、スリップ作成も終わっておらず、土曜は朝から夕方まで仕事のため寝る時間がとれるかどうか…(汗)
一人参加の予定が、とみきちも参加できることになったので、まあ何とかなると思います。
こんな状況なので、今回は写真紹介のみになってしまいました。すみません。

■特集 「無頼派の世界」

織田作之助、太宰、安吾、田中英光、檀一雄、石川淳、伊藤整ら文学史的に「無頼派」とくくられている作家のほか、色川武大、中上健次、伊集院静などその系譜にあたるとも云える作家も併せて特集を組みます。

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≪単行本ほか≫

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≪文庫本≫

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何かもう一つ物足りないので追加。

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みなさまのお越しをお待ちしております。

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2013年春 「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」エピソード(3)

いけない、Yさんのことを書きそびれていた。もう何年も来ていただいている常連のYさんだが、読書の傾向が未だにつかめず、どんな本を用意してよいのやら、いつも頭を悩まされる。
コレット『わたしの修業時代』、笠井潔『テロルの現象学』、荒巻義雄『柔らかい時計』など多くの本を購入いただいているが、到底一本の線ではつながらないのです。

今回少し風邪を召され午前中は辛そうでしたが、午後2回目のご来店の時には汗をびっしょりかかれてはいたものの、古本めぐりで少し回復されたご様子。
「この暑い中、ビールも飲まずによくやってられますねえ(笑)」と激励いただく。

1回目には■中町信『模倣の殺意』(創元推理文庫)ほか2冊を。「どうして今頃話題になっているのかちょっと知りたいと思って」とYさん。
『天啓の殺意』『空白の殺意』も含め、ブックオフの105円棚ではよくみかけたが、最近はみかけなくなった。
私が読んだのは8年近く前のことなので記憶も薄れ、出品していながら突然のブレイクの理由に見当がつかない。今度お会いした時にうかがってみよう。
■杉本秀太郎『伊藤静雄』(講談社文芸文庫)を2回目には購入いただいた。

4年前の一箱では何冊か用意し、「お勧めです」と女性に購入いただいたアン・タイラーの著作を今回久しぶりに出品してみた。岡崎武志さんが最近ブログでとりあげていて、懐かしくなったからという単純な理由。今回は推薦理由を話すまでもなく、同年代と思われる女性が■『ブリージング・レッスン』(文春文庫)を手にとられた。
<とみきち屋>出品本の中では埋もれてしまいかねない本だが、こういう文庫が旅立っていくのも別の喜びがあるものです。

岡崎さんとは先日、モンガ堂へ行く前に荻窪でばったりお会いし、話す機会がありました。一箱古本市、みちくさ市、国立のギャラリービブリオのことから古本屋の現状まで話題は尽きず、楽しいひと時でした。

岡崎さんの著書『昭和三十年代の匂い』(ちくま文庫)が出ましたね。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480430656/
私は今度のみちくさ市で岡崎さんご本人から買うつもり。

13時過ぎ。
30代くらいの男性が■三國連太郎・沖浦和光『「芸能と差別」の深層』(ちくま文庫)■小沢昭一『日本の放浪芸』(角川文庫)ほか3冊。追悼というほどではなかったが、お求めの方がいるかもと思い持って行った本。

古書西荻モンガ堂と貸し棚に<とみきち屋>と同じく本を出されている<つぐみ文庫>さんがご来店。貸し棚の中では一番人気で、コンスタントに売れています。その<つぐみ文庫>さんには栃折久美子の本を2冊。栃折久美子も一箱では人気で、これまでに10冊近く売れたかな。なので、古書店で見つけると条件反射の如く買ってしまいます(笑)

一箱初日、カワバタ書店(仮)→<お散歩ブックス>(?)の屋号で出店、助っ人もされた女性が足を運んでくれました。(27日には)箱の中の他の本とは趣が違い異彩を放っていたものをかなり値引きして譲っていただいた。会話も弾みました。
「5月3日はよかったら覗きに来てくださいね」と声をかけたのだが、本当に来てくれました。

■岡谷公二『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』(河出文庫)■山口昌男『本の神話学』(中公文庫)の2冊を。
前者は、きっと誰か一人くらいなら手にとってもらえるかもしれないと淡い期待をかけ持って行った本だけに嬉しい。これは33年もの月日をかけて素人同然の男が、恐るべき情熱をもって幻の宮殿を築く物語。

27日実行委員と助っ人の打ち上げ飲み会で同席したSさん(女性)も来てくれて、平松洋子の本ほか2冊購入いただいた。

また、27日に助っ人をされたFさん(男性)には黒岩比佐子さんの■『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社)ほか2冊購入いただく。
「いい人ほど早く亡くなられてしまいますね」と、Fさん。その言葉にしみじみ。
Fさんには名刺を頂戴したが、某国立大学の講師もされている。

不忍の一箱には年齢も、仕事もさまざまな方が集まっていることを改めて感じる。
助っ人同士、店主同士、初めて言葉を交わした方々ともつながっていけるのはこの上なく楽しい。

水玉さんが「わめぞ」の武藤良子さんと一緒に来られる。とみきちは武藤さんと、米沢で開催される(13日に終了)「林哲夫×武藤良子 二人展」の話をいろいろと。
水玉さんには■山田稔『コーマルタン界隈』(みすず書房)を購入いただく。お好きな本なので既に持っていても買われるとか。(水玉さんも27日に助っ人をされています)

武藤良子 虫干し展 5月17日(金)~21日(火)
詳細はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/mr1016/20130515

(書きかけ…続く)

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2013年春 「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」エピソード(2)

12時過ぎ。予想通り他のスポットを回られた方がぞくぞくと押し寄せてくる。

赤いジャージ姿の男性がまず■デリダ『死を与える』(ちくま学芸文庫)を。続いて■上林暁『聖ヨハネ病院にて・大懺悔』(講談社文芸文庫)■辻原登『熊野でプルーストを読む』(ちくま文庫)■川崎長太郎『もぐら随筆』(講談社文芸文庫)■ベンヤミン『ドイツ悲劇の根源 上・下』(ちくま学芸文庫)などが続々と箱から出てゆく。

12時15分。モンガ堂でCDを出しているLONDONPIGさん。補充を楽しみにしているファンもいらっしゃる。■『ぼくらの昭和30年代新聞』(日本文芸社)を購入いただく。この本無茶苦茶楽しいんです。

当日旧安田邸を担当いただいたYさんがハイデガー、ソシュール関連の本など3冊。女性の方に哲学の本を手にしてもらえるのは格別に嬉しい。
実行委員で助っ人班担当の<やまがら文庫>さんの友人内海さんには昨年に続きホフマンの本を購入いただく。今年は■『悪魔の霊酒 上・下』(ちくま文庫)。

そうだ、大事なことを忘れていた。
前回の記事に登場いただいた、かんざきさんが「川口一箱古本市」に参加されるとのことでチラシもいただいていたんだ。<やまがら文庫>さんも出店されるとか。
詳細はこちら → http://khitohako.blogspot.jp/

27日に出店されたらしい方が■内堀弘『ボン書店の幻』(ちくま文庫)を。この本も一箱では根強い人気がある。

12時30分。初日(27日出店)には大勢の人だかりができていた<脳天松家>さんが来られ、久世朋子さんの著書を。何冊も所有されているに違いないのだが、脳天さんに大事な本なのだろう。

当店お馴染みのjindongさんがいつものようにひょうひょうと来られる。うちの出す本はjindongさんの蔵書とけっこうな割合でかぶっているみたいだが、何とか探して毎回持ち帰っていただいている。「なんか持っている気がするなあ(笑)」ということもしばしば。今回は■佐野衛『書店の棚 本の気配』(亜紀書房)を。無理無理選んでいただいた感じです(笑)。

12時40分。すぐ近くの千駄木の郷に出店されていた<GEORGE BOOKS>さんが■草森紳一『本の読み方』(河出書房新社)を。今回千駄木の郷だけは目と鼻の先だったので15分ほど見て回れたのだが、<GEORGE BOOKS>さんはポータブルレコードプレーヤー(COLUMBIA製)でLPをかけていた!今時、しかも古本市でお目にかかれるとは思いもよらなかった。

とみきちが昼食のおにぎりを旧安田邸の外に出て食べている間に女性のお客様が続々と。<とみきち屋>にはこれまでにないことに加え、ほぼ一人で対応したためゆっくりお話もできないばかりかあたふたとしてしまい、心残り。

■柳瀬尚紀 編・訳『猫文学大全』(河出文庫)■内田百閒『私の「漱石」と「龍之介」』(ちくま文庫)
若い女性が内田百閒の旺文社文庫をお探しだったが、当店出品の2冊でなくて「ごめんなさい」と伝えたものの、浅生ハルミンさんの『私は猫ストーカー 完全版』(中公文庫)を購入いただく。
やや年配の女性が「それはいくらですが?」と■フローベール『感情教育 上・下』(河出文庫)を指されたので「○○○円です」と即座に答えたら「じゃあいただくわ」と。お伝えした値段が違っていなくてほっとする。

直後■武田百合子『富士日記 上・中・下』(中公文庫)が売れる。百合子さんはお勧めの本なので、必ず売れるとはいえ嬉しい。
「これこれ、ビブリオに出てたの」と年配の女性が■坂口三千代『クラクラ日記』(ちくま文庫)を手にされる。
当日『時計じかけのオレンジ』も売れるなど『ビブリア古書堂の事件手帖』の効果はまだまだ続いているようだ。

そしてそして(私にとっては)驚きのお二人が。

■林尹夫『わがいのち月明に燃ゆ』(ちくま学芸文庫)を30代と思われる女性がそっと差し出される。一瞬わが目を疑ったが間違いない。頭が真っ白になり言葉が出ないなんて何とも情けない。

20代前半としか見えない若い女性の方が■小山清『小さな町』(みすず書房)■三浦雅士『青春の終焉』(講談社学術文庫)■『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)の3冊を。
おっさんがいろいろ話しかけても迷惑だろうなという思いがよぎり、
「読書がお好きなのですね」と声をかけるのが精いっぱい。
すると「ええ」という感じの笑顔が返ってきた。
そのまぶしいこと。年甲斐もなく胸がキューンとなる。
この場面をやまがらさんに見られていたような気がする(汗)

その余韻に浸っている間もなく、別の女性に■鶴見俊輔『不逞老人』(河出書房新社)■小沼丹『村のエトランジェ』(講談社文芸文庫)を購入いただく。
20分にも満たない間に8人の女性に購入いただけるなんてかつてないこと。
不忍の一箱はほんと奥が深いなと思うことしきり。

そして12時台最後は、小学生のお嬢さん連れの渋い男性の方に■野呂邦暢『十一月・水晶』(冬樹社)を購入いただく。
たとえ購入いただけなくとも、数多く、小さなお子様連れの方が本を見て回っている姿に接することができるのは何とも心和み、嬉しいものです。

開店から2時間までを書き終えました。まだまだ先は長くなりそうです。

間に、当店も参加する5月19日開催予定の「鬼子母神通り みちくさ市」の紹介が入ると思います。ご了承ください。

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2013年春 「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」エピソード(1)

5月3日「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」2日目、昨年の豪雨とは打って変ってこれ以上望めないほどの晴天。<とみきち屋>は閑静な旧安田楠雄邸に出店。こんな素敵なところで古本を売れるなんて!と心が躍る。

一番に会場に来られたのはdozoさん。でもそのまま「安田家の五月飾り」展示へ。27日に私が助っ人をしている時もそうだったが、箱を観るだけではなく展示があればそれにも足を運んで街全体の催しを楽しまれている。

11時開店。昨年に続き今回もまた(E)さんが一番乗りしてくれた。
■小山清『落穂拾ひ 聖アンデルセン』 (新潮文庫)■『深沢七郎コレクション流・天』(ちくま文庫)など4冊。東北への出張のことなど伺う。13時過ぎには2度目のご来店で■野呂邦暢『草のつるぎ・一滴の夏』(講談社文芸文庫)を購入いただく。
本を大事に大事に扱われる方で、いつも本への思いがびしっと伝わってくる。

続いて西村さん。一昨年ナボコフなど海外文学を中心にたくさん購入いただいた方。その際話したことは今もはっきり覚えている。昨年は店主として本も出されていたが、激しい雨の中わざわざ買いに来ていただいた。
<とみきち屋>セットとして用意した■『洲之内徹セット』■ラム『エリアのエッセイ』(平凡社ライブラリー)■ロリス/マン『薔薇物語 上・下』(ちくま文庫)■小笠原豊樹訳『プレヴェール詩集』(マガジンハウス社)■キース・ロバーツ『パヴァーヌ』(ちくま文庫)■渡部直巳『不敬文学論序説』(ちくま学芸文庫)■四方田犬彦『貴種と転生・中上健次』(ちくま学芸文庫)ほか17冊も購入いただく。

読む本、好きな本が似ているだけではなく、「アマゾンの価格はおかしい」という考えも同じなのが嬉しい。『薔薇物語』は西村さんだから手に取ってもらえたと思えたし、「『不敬文学論序説』、あんな値段では買う人いませんよねえ(笑)」などと楽しい会話を。閉店間際に2度目のご来店いただき、■若桑みどり『イメージの歴史』■ブランショ『明かしえぬ共同体』(ちくま学芸文庫)など3冊持ち帰っていただいた。

古書西荻モンガ堂の貸し棚でいっしょに本を出しているSさん。なかなかピタッと合う本をうちが出すことは少ないようなので当店では空振りのことが多い。でも今回は■東雅夫編『幻想小説神髄』(ちくま文庫)を。
「モンガ堂で(とみきち屋が)出している本には欲しいのがあるんだよなあ(笑)」
「すみませんねえ(笑)」と私。

11時15分。当店で音楽関連の本をよく購入いただく仁平さんがお仕事前に駆けつけてくれた。■五味康祐『五味康祐 オーディオ遍歴』(新潮文庫)■大森荘蔵・坂本龍一『音を視る、時を聴く』(ちくま学芸文庫)の2冊。五味さんの音楽本は私のバイブルとも云えるものなので、この上なく嬉しい。しかも、「今日はこれを」と喜んでいただけた。

11時25分。四谷書房さんご来店。厳選に厳選を重ね本を購入される方なのでそう簡単には購入いただけない。しかし今回はどんぴしゃの本があったようだ。
■狐(山村修)『狐の書評』(本の雑誌社)。そういえば以前狐の本を集められていると聞いたことがあった。四谷書房さんには私たちが一箱に初参加した際にたいへんお世話になっただけに、喜んでいただけてよかった。

展示を見終えたdozoさんがお見えになる。■村野四郎『現代詩のこころ』(現代教養文庫)■リルケ『フィレンツェだより』(ちくま文庫)『風景画論』(創元文庫)のセット■木村荘八『東京風俗帖』(ちくま学芸文庫)を購入いただく。出品本の中では数少ない詩関連の本を手に取っていただいたことも嬉しいのだが、『東京風俗帖』はdozoさんを思い描いて入手した本だけに喜びもいっそう。
この三年半ほどの間に参加した古本市のほぼすべてに来ていただいているのではないだろうか。ほんとうにありがたいことです。

M・Kさんの笑顔を拝見するとどこの古本市に出ている時でもほっとし、和やかな気持ちになる。もちろん本の話ができるのも楽しい。今回は奥様のかんざきしおんさんとご一緒。かんざきさんは2日間とも助っ人をされた。

M・Kさんには■ナボコフ『文学講義 上・下』(河出文庫)■多和田葉子『飛魂』(講談社文芸文庫)■日夏耿之介訳『ポオ詩集 サロメ』(講談社文芸文庫)を。かんざきさんには■ホッケ『文学におけるマニエリスム』 (平凡社ライブラリー)■ホッケ『迷宮としての世界 上・下』(岩波文庫)に加え、●ビクトリア『エレミア哀歌』(ホーバン指揮スクオラ・ディ・キエザ合唱団)のCDをそれぞれ購入いただいた。お財布は別々で。
『エレミア哀歌』はとうの昔に廃盤。バッハのマタイ受難曲、フォーレのレクイエムとともに頻繁に聞くCDなので嬉しい!の一言。
しかし、このお二人の蔵書はいったいどんなものなのか…きっとすごいに違いない。

M・Kさんは午後、出身大学の後輩の方々を連れて2度目のご来店。
「やはりいつかは読まなければならないでしょうね」と、■ジョイス『ユリシーズ(全4巻)』(集英社文庫)を手に取られる。(他の方と同様)「2度目なので割引します」と背中を押してしまった。文庫とはいえ重いので余計なことをしてしまったかなと、後になって思う次第。

11時45分ころから正午までは一旦お客様の流れも落ち着いた。
ここまでで40冊を超える本が旅立っていき、ほっとする。
天気もいいし、この後他からを回って来られる方や谷根千を散策される方も見込めそうで期待が膨らむ。

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2013年春 「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」2日目終了

5月3日(金・祝)、第15回「不忍ブックストリート 一箱古本市」2日目は初日の27日(土)に続き快晴のもと無事終了しました。
ご来場いただいた多くの皆様、実行委員、助っ人ほかスタッフ方々、大家さん、ありがとうございました。

昨年出店した2日目は豪雨ともいえる悪天候でしたが、不忍の一箱古本市を心から楽しみしている方々の熱い熱い支援・応援の気持ちを肌で感じることができ、この古本市の底力を実感しました。そして今年は、天気に恵まれれば、こんなに大勢の方々がひっきりなしに訪れるてくれるイベントであることを改めて感じました。一箱目当てではなくても、街を散策される多くの人たちがふらっと立ち寄ってもくれる。これは谷根千の文化の力でもあるのでしょう。
地域全体が道行く人々の穏やかな表情、あるいは笑顔であふれている情景に包まれ、その中で好きな本を通じて多くの方々と関われるなんて、至福のひと時です。

助っ人の日は可能でも、店主の日には他のスポットを回れないので、からだが二つあったらと思うのは贅沢な悩みですね。

<とみきち屋>は出品本の性格、全く美観を欠く店構えから男性、年配の方が多く、箱を見た瞬間に離れていかれる女性が多い。
しかし、今回で春秋通じ9回目の参加になりますが、買っていただいた方の人数ばかりか、女性の方の割合が一気に増え、今までで一番多かったのが嬉しかったです。
お買い上げいただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。

2日間、全100箱の写真がUPされています。圧巻です!

こちら→ http://sbs.yanesen.org/?pt_slides=20130503_boxes

当日プレゼンターをされた<古本屋ツアー・イン・ジャパン>さんが早速5月3日のことをブログに書かれています。
こちら→ http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/

古ツァさんいつものように全箱2度、回られています。後戻りするのではなく、起点に戻って歩きでもう一周なんて人間業とは思えません。古本好きで古ツァさんを知らないのはもぐりと呼ばれても仕方がないというくらい有名な方ですが、そのブログを読めば超人ぶりがわかります。
情熱、気力、記憶力、体力、広範な本の知識等々すべてに圧倒されます。貴重な情報を提供してもらえるだけでなく、まるで日本国中の古本屋さんを同行させてもらっているように感じ、楽しくてなりません。

一箱当日(当然)2回お目にかかり、1冊+2冊計3冊購入いただきました。
1回目、「今日も2周されるのですよね。おつかれさまです」と声をかけると、
「いつの間にかそういうことになってるみたいですねえ(笑)今日はわかりませんよ」
「いえいえ、きっとまたお目にかかれます。お待ちしておりますね」

そして2度目のご来店。
「思っていた通りでしたね(笑)」
「この近くで休んでいただけかもしれませんよ(笑)」と古ツァさん。
殿山泰司の文庫と残っていたドゥルーズ『ニーチェ』(ちくま学芸文庫)を購入いただく。
殿山本は値下げしていたのがポイントでした。
もとの値段でも高くはなかったけれど、下がったならもらっておこうといった感じで。
内心決めている「この値段を割れば」がクリアされると、それまでに何冊買っていても手が出てしまうのは同じなので、嬉しいのなんの。
お話しているとわかるのですが、有名なのに決して偉ぶったり、上からものを云うことがない素敵な方ですね。

さて、一箱古本市は終了しましたが、不忍ブックストリートweekは5月6日(月・祝)まで開催中です。魅力的なイベントがまだまだ残っています。
こちら→ http://sbs.yanesen.org/?page_id=3151

いつものお客様とのエピソードは、改めて少しずつ書いていきます。

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2013年春 「第15回不忍ブックストリート 一箱古本市」出品本紹介(2)

第15回不忍ブックストリート「一箱古本市」2日目、いよいよ明日5月3日(金・祝)[11:00~16:00]開催です。明日は好天の予報、ぜひお越しください。
私ども<とみきち屋>旧安田楠雄邸に出店します。

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5月3日の店主紹介ほか詳しい情報はこちらをご覧ください
→ http://sbs.yanesen.org/?page_id=35

一箱古本市アクセスマップ
https://maps.google.co.jp/maps/ms?msid=215585666426809355800.0004d8cbfc9356f578bf1&msa=0

不忍ブックストリート公式HP→ http://sbs.yanesen.org/

しのばずくん便り→ http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/

それでは出品本紹介の続きです。

< 文庫本 >

■小山清『落穂拾ひ 聖アンデルセン』 (新潮文庫)

あの『ビブリア古書堂の事件手帖』第二話でとりあげられた文庫。初版を含めまだ3冊手元に残っていますので出品します。<とみきち屋>価格での提供です。

■マラマッド『アシスタント』 (新潮文庫)

<とみきち屋>番頭の私も店主のとみきちも英文科だったので、ごく自然に読んだ本ですが、現在は絶版で入手しにくいみたいですね。貧しいユダヤ人青年の恋と精神の遍歴を描いた美しい作品です。

■五味康祐『五味康祐 オーディオ遍歴』 (新潮文庫)

五味さんのクラシック音楽本は私にとってバイブルのようなものです。なので引きとり手がいるかいないかに拘わらず毎回出品しています。

■野呂邦暢『草のつるぎ・一滴の夏』 (講談社文芸文庫)
■上林暁『聖ヨハネ病院にて・大懺悔』 (講談社文芸文庫)
■多和田葉子『飛魂』 (講談社文芸文庫)
■川崎長太郎『もぐら随筆』 (講談社文芸文庫)
■関根清三『旧約聖書の思想』 (講談社学術文庫)
■後藤明生『夢かたり』 (中公文庫)

■林尹夫『わがいのち月明に燃ゆ』 (ちくま学芸文庫)

戦争というものはかくも豊かな才能と美しい魂をいとも簡単に滅ぼしてしまうのだと痛感させられます。神坂次郎『今日われ生きてあり』とともに、何度も何度も読み返している本です。

■ベンヤミン『ドイツ悲劇の根源 上・下』 (ちくま学芸文庫)
■木村荘八『東京風俗帖』 (ちくま学芸文庫)
■ホフマン『悪魔の霊酒 上・下』 (ちくま文庫)
■ナボコフ『文学講義 上・下』 (河出文庫)
■ナボコフ『賜物 上・下』 (福武文庫)
■ホッケ『迷宮としての世界 上・下』 (岩波文庫)
■モラヴィア『軽蔑』 (角川文庫)
■ジョイス『ユリシーズ 〔全4巻〕』 (集英社文庫)

■辻原登『東京大学で文学を学ぶ』 ( 集英社文庫)

辻原登は大きな物語を紡ぎだすことのできる数少ない作家の一人。この本の中には小説の書き手として、また読み手としての卓見が散りばめられています。単なる小説技法や歴史的背景の解説に留まらず、小説という世界が実人生とどう関わり、拡がりをもっていくかが語られ、とても刺激的な書です。最新作『冬の旅』が読みたくてうずうずしているのですが、沿線の書店には置いていない…。

■村野四郎『現代詩のこころ 』(現代教養文庫)
■瀬戸内晴美『諧謔は偽りなり』(文春文庫)
■アン・タイラー『ブリージング・レッスン』(文春文庫)
ほか多数

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昨年も5月3日に出店しましたが朝から大雨でした。大勢の人で賑わう谷根千もさすがに閑散としていました。にもかかわらず一箱を楽しみにされている多くの方々がお出でくださいました。常連さんにはいつもの2~3倍購入いただきました。
初めて一箱古本市に参加し、初めて自分の出した本が売れた時以上に嬉しかったものです。
その御礼もかね、今回も惜しみなく、<とみきち屋>らしい本を数多く揃えました。
みなさまのお越しをお待ちしております。

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