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2011年1月

「くにたちコショコショ市」エピソード(2)

ナンダロウ(南陀楼綾繁)さんご来場。偵察、いや失礼しました、陣中見舞いですね。「ミスター一箱古本市」の存在感はひと味もふた味も違います。皆さん和みながらも、会場全体の雰囲気が締まったように思えました。

お会いするのは昨秋以来。
<とみきち屋>とはお決まりの会話(にもなってないか)。
「今日もナンダロウさん好みの本、お持ちでない本はありません(笑)」
「またそういう云い方する(笑) いつものあれはないの?」と訊かれたので、
出品目録をお渡しする。
初めて古本市に参加した時に押しつけてしまってから、お会いできた際にはずっとお渡ししている。何かの役に立つとは思えぬが、受け取ってもらえるだけで嬉しいものです。
同じ事は岡崎武志さんにも。畏れ知らずというのでしょうか。

ナンダロウさんと<わめぞ>の古書現世・向井さんらによる新しいイベント「あいおい古本まつり」が3月に開催されますね。今から楽しみでです。

あいおいブックラボ 公式ブログ → http://aioibooklabo.blog.shinobi.jp/

若い女性のお客様に伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』(日本エディタースクール)を買っていただきました。少しお話したかったなと思いながらもできず悔やんでいたところ、横の方に廻られて小さな150円均一箱の中から佐野洋子の文庫を手にされました。
「一人でも多くの方に読んでもらいたくて、毎回のように出しているんです」と思い切って声をかけてみた。すると、

「昨日友人から借りた文庫本を読み終えたらとってもよくて。癌のことに触れ、車を買ってしまう…」
「ジャガーを買って、車庫入れでボコボコにしてしまう話ですね。朝日文庫の『役に立たない日々』だと思います。佐野さんの本いいですよ。お勧めです」
佐野さんのファンや興味を持っている方に出会うと、もうダメです。嬉しくて、つい押し売りのようになってしまう(笑) 『神も仏もありませぬ』『私はそうは思わない』『覚えていない』3冊まとめて購入いただいてしまった。1冊100円にて。

で、『詩人たち ユリイカ抄』の話をさせていただくのを忘れてしまった。いかんなあ。

実はこの本、春の一箱古本市の際にも出して、古本屋ツアー・イン・ジャパンさんに購入いただいた。ブログに書かれていたのでわかったのだが、その時お客さまの応対をしていた妻のとみきちが、「もう一度会えばわかるよ」と言っていた。

その妻が、「古ツアさんが岡崎さんのところにいらしてるよ」と言うので目をやると、雰囲気からしてそうだろうと思われる方が談笑していた。漏れ聞こえてきた会話から、間違いないと確信。
一瞬目が合ってしまう。鋭い眼差しだった。メモもとらず、あの目に古書店のレイアウトから品揃えまで焼き付けているのだなと納得。

男性のお客様にまず、トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』(サンリオ文庫)を購入いただく。既に1冊お持ちだが、汚れが目立つのでもう1冊とのことでした。そういう気持ち、よくわかります。それで本がどんどん増えていってしまうのですよね。昨春ちくま文庫版が出ましたが、この方にとってはやはりサンリオ文庫が大切だったのではないかと、勝手に思ったりしています。
その後話が弾み、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』(河出文庫)、野溝七生子『女獣心理』(講談社文芸文庫)、国枝史郎、色川武大と計5冊もお買い上げいただいてしまった。

不忍の一箱古本市にも行かれていらっしゃるし、仕事で訪れた仙台では、「Book! Book! Sendai」の一箱古本市にも足を運ばれたとのこと。<火星の庭>さんや<マゼラン>さんのこともご存知でした。
楽しいひと時をありがとうございました。

赤ちゃんを抱っこした女性のお客さまに、『神谷美恵子日記』(角川文庫)、矢田津世子『神楽坂 茶粥の記』(講談社文芸文庫)をお買い上げいただく。本好きの方なのだなあと静かに思う。赤ちゃんを連れていらっしゃるのだから地元の方に違いない。
他にもお子さん連れのお客様の姿をけっこう目にした。国立という街ならではの光景にも思える。

30代と思われる女性に、吉本隆明『夏目漱石を読む』(ちくま文庫)、三島由紀夫『源泉の感情』(河出文庫)を購入いただく。
妻のとみきちが午後2時頃会場に到着したので、その後は店をほとんど任せてしまった。そのため、お客様とは会えず。お話しさせていただきたかったなと残念でならない。吉本と三島の組合せなんて私にとってドンピシャのツボですから。

駄々猫さんとのコラボ<しま猫舎>でよく出店されている<しま猫>さんと、今回は本に関していろいろ話ができて嬉しかった。
ちょっと店を離れ戻ってくると<しま猫>さんがロラン・バルト『エクリチュールの零度』(ちくま学芸文庫)を手に持たれていたので、おや?と思う一方で俄然興味が湧いてきました。<しま猫>さんが出品されている本と傾向が違うように思えたからです。
「今日は買いたいのですが」というようなことを遠慮がちにおっしゃるので、
「もちろんです!」と私。

普段読む本と出品する本が同じとは限らないー そんなことが頭から抜け落ちていました。
バルトの次に『山之口貘詩文集』(講談社文芸文庫)、さらに青柳いづみこ『音楽と文学の対位法』(中公文庫)を。選ばれる本や会話の中から、言葉、言語というものに敏感で、特別の思いを抱かれている方に思えました。最後には高山なおみさんの本も購入いただいてしまった。
何度もお会いし、挨拶を交わすことはありましたが、こんなに本を買っていただき、話ができたのは初めてのこと。こういうのも本を通じての新しい出逢いと云えるのではないでしょうか。
<しま猫>さん、某資格合格まであと一歩ですね。がんばってください。

相棒の駄々猫さん、遅れてくるとは聞いていたが、午前中からいたことに気付かなかった。なにせ、お客様を魅了するあの明るい声が全くといっていいほど聞こえて来なかったから。
すごい格好をした女性が死にそうな感じで店番しているのを見て驚く。何と駄々猫さん…。
かなり具合が悪いのを無理して駆けつけたみたいだ。終了後しばらくダウンしてしまったとブログで知る。
新しい試み、企画など楽しみだけれど、無理はしないでほしいな。
やはり、元気な駄々ちゃんでないとつまらない。

駄々猫さんには村井弦斎『食道楽』(岩波文庫)を購入いただきました。

過日、ナンダロウさんとの初トークを終えたNEGIさんにお出でいただく。古本イベントの多くに関わられ、よく知られている方。会場でも多くの方々と楽しそうにお話されていた。
当店にとっては、大切なお客さまのお一人。これまでにたくさんの本を購入いただいています。造詣の深いNEGIさんがどんな本を手にされるか、店主という立場を離れ、いつも楽しみしにしています。

私が店を離れている際、まず徳川夢声の対談集を購入いただいたことを妻から聞く。その後、ゆっくりと会場を廻られてから再びご来店。荒川洋治『黙読の山』(みすず書房)、吉田健一『瓦礫の中』(中公文庫)を買ってくださった。荒川洋治を手にしてもらえるのは、佐野洋子、五味康祐(音楽本)などと共に<とみきち屋>お勧めなので、やはり嬉しい。『瓦礫の中』はどうなるだろうかと思っていたのですが、NEGIさんで納得。

<市川糂汰堂>さんに、五味康祐『人間の死にざま』(新潮社)をお買い上げいただく。店にいなかったのが悔やまれる。妻の話によると『西方の音』はお持ちだとのこと。
この本は4冊所有していた。小児科医の友人に、「五味康祐の本何か推薦して」と言われた時に1冊贈り、2冊は手元に残して置きたいので、残りは1冊。今回で出品するのは3回目。

五味康祐の名を知っている人が少なくなった、知ってはいても剣豪小説家のイメージが強いこともあってか、過去2回は見事に振られた。
3分の1が人の死に関わる随筆風の文。残りは五味さんの真骨頂とも云えるクラシック音楽にまつわる話という構成になっている。

檀一雄『火宅の人』への痛烈な批判は壇へのまごうことなき愛情があってのもの。交通事故で二人の命を奪ってしまった(過失致死)五味康祐だからこそ嗅ぎ分けられた、太宰治が抱える闇。いずれの文もずしりと腹にこたえる。

午後3時過ぎに、<どすこいフェスティバル>の女性お二人が来てくださいました。黒岩比佐子さんの話に夢中になってしまいTさんとばかりお話してしまい、すみません。ダメですねえ、周りが見えなくなってしまうのは…。

<どすこいフェスティバル>さんは昨年11月の「みちくさ市」に参加され、黒岩さん手書きのメッセージを飾られていました。

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2010年の2月下旬、Tさん、今回は会えなかったKさんたちが東大生協部で黒岩さんの著書『音のない記憶』(角川ソフィア文庫)を平積みしていることを伺い、黒岩さんに伝えました。苦しい抗ガン剤治療中でしたので、励ましにもなる素敵なお知らせに思えたからです。
その後のことは黒岩さんが生前、ブログに書かれました。

〔東大生協書籍売り場でのフェアの様子〕
http://blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/2010-03.html#20100313

Tさんは「自分が売りたい本のPOPを著者ご本人に書いていただいたのははじめてです」と話しています。
こんなこともあったので、<どすこいフェスティバル>さんとお会いすると、どうしても黒岩さんの話になってしまいます。黒岩さんのことをこれからも伝えていきたいという気持ちを共有できるのは嬉しいことです。

今回出店されていた<四谷書房>さん。本の本をずらっと並べられていて圧巻でした。
<とみきち屋>は出店のつど、例え小さなものであっても特集或いはテーマを設けて来たのに、今回控えてしまったことが棘のように突き刺さりました。
自身店構えがすかすかに見えたのは、単に持参した冊数が少なかったというより、そんなところが影響していたように思えます。

<ゆず虎嘯>さんに<とみきち屋>を紹介していただいたモンガさんから、野呂邦暢の単行本を出され、しっかり引き取られていったと伺う。最初にモンガさんの箱を見なくてよかった。欲しくなるに決まっています。それに耐えなければならないのは精神的によくない(笑)

<ドンベーブックス>さんは、国立ということあって山口瞳の本をかなり出していました。初めての試みという300円均一もよく売れていました。当然均一ではなかったけれど尾崎一雄も渋かった。

「くにたちコショコショ市」には350人以上の方にお越しいただいたようです。あの厳寒の中を思えば、すごい数字だなと思います。ほんとうにありがとうございました。

今回<とみきち屋>は102冊揃え、76冊お買い上げいただきました。
平均単価369円。複数冊お買い上げいただきサービスで100円にした本も若干ありますが、低価格の本が少な目だったので、「みちくさ市」に比べ、単価は上がりました。加えて国立という土地柄も後押ししてくれたのでしょう。

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「くにたちコショコショ市」エピソード(1)

1月16日(日)、初の国立での古本市「くにたちコショコショ市」は厳寒にもかかわらず、多くの方にお越しいただき盛況のうちに終了いたしまた。
足をお運び下さった皆様ありがとうございました。
実行委員の<ゆず虎嘯>さん、<国立本店>さんお世話になりました。

不忍で生まれた「一箱古本市」がどんどん拡がり、ネットワークができ、刺激し合いながら新たな展開をみせてゆく。今後がますます楽しみだ。

関係者の方々が告知に力を注がれたことはもちろん、地元の岡崎武志さん(書評家・古本ライター)が参加したのも大きかったですね。<岡崎武志堂>は岡崎さん目当ての方で終始賑わっていた。
岡崎さん発案による、吉田拓郎の歌のライブも花を添えてくれました。
久しぶりに聴いた「落陽」、やっぱりいい。思わず口ずさんでいた。

お隣は噂には聞いていた<放浪書房>さん。熱い志を感じる素敵な店。店主のTさん、たびたび姿が見えなくなると思ったら、呼び込みに行かれていた。きっと旭通りの会場に多くのお客様を誘導してくれたのでしょう。自分のお店をそのままに、イベントを盛り上げようとされる姿勢に頭が下がります。知り合いの方が携帯で何度も「お客様がお見えです」とTさんに連絡入れていた。
翌日は湯布院の方でお店を開くと聞きました。がんばってください!

店主には「一箱古本市」「みちくさ市」で知り合った方々が多く、何の不安もなし。
身体は寒さに凍えながらも、一箇所に集まってのイベントは気持ちが和む。

いつもは150冊、多い時には170冊持ち込んでいるのに、今回はゆったりいきたいと思い、用意したのは102冊。いつもの<とみきち屋>タワーも無く、あっという間に準備が整ってしまった。
店構えを見て、寂しくなる。すかすかだ。「もう一箱持って来てなかったかな」と、わけのわからぬことを考える。あるわけない(笑)

後ろを向いて荷物の整理をしていたら、「11時、開始で~す」と<ゆず虎嘯>さんの声。
あれもうそんな時間かと振り向いたらそこにはHさん。腰が抜けそうになる。まさかいらっしゃるとは思ってもいなかった。
「すみません。ご覧の通り今日はHさん好みのもの少ないです」
さすがにHさんも、いつもと違って思案顔。
う~ん、今日はルカーチ1冊くらいかな…と冷や汗たらたら。

数分ご覧になった後20秒ほどの間(ま)。これは辛かった(笑)
と、いきなりぱっぱっと箱から本を抜いていかれる。ルカーチ『小説の理論』(ちくま学芸文庫)、フロイト『夢と夢解釈』(講談社学術文庫)、松浦寿輝『増補 折口信夫論』(ちくま学芸文庫)、佐々木中、井上章一の本など7冊購入いただく。安堵。

入れ替わりでつん堂さん。お会いするのは昨秋の一箱以来、嬉しいなあ。母のことを気遣っていただき恐縮。
つん堂さんのブログすごい勢いで更新されていますね。しかも、古本関連イベントの臨場感あふれる詳細なレポートが盛りだくさん。多くの方が楽しみにしているはず。
人見知りしてしまう一方で、書くこと、表現することは好きなのだと。
「今日はあまり買って来ないようにと嫁に言われました」と素敵な笑顔。
『辻潤著作集5 螺旋道 ぼうふら以前』(オリオン出版社)、今泉正光『「今泉棚」とリブロの時代』(論創社)ほか5冊購入いただく。
早速「くにたちコショコショ市」のレポートをつん堂さんが書いてくれています。
こちら→ http://d.hatena.ne.jp/tundow/20110117/1295223948

つん堂さんが帰られた直後にはjindongさん。jindongさんも、親の介護がもう目の前に迫っていると伺う。周囲を見渡しても、ほんとうに多い。うちだけがたいへんなわけではないし、もっと苦労されている人もいるはずだ。
平井玄『愛と憎しみの新宿』(ちくま新書)とダニエル・ゲラン『現代アナキズムの論理』(三一新書)を購入いただく。
「三一新書は他に比べ浮いてますよね(笑) この手の本を紛れ込ませておいて、どうなるかを見ているのも楽しみのひとつなんです」とお話しする。
jindongさんに持ち帰っていただくとは夢にも思いませんでした。

岡崎さんによる『夕陽の緑の光 野呂邦暢随筆選』(みすず書房)を読まれ、野呂さんの本を探していたという若い男性が『草のつるぎ』(文藝春秋)を買ってくれました。決して珍しい本ではないけれど、講談社文芸文庫『草のつるぎ 一滴の夏』が品切れなので持って行った。その甲斐があってよかった。

小さなお子さんを抱っこしながら、片手で丁寧に本を見ていらした男性に、河盛好蔵『河岸の古本屋』、小島政二郎『小説 芥川龍之介』(いずれも講談社文芸文庫)を購入いただく。
お子さんのかわいいことかわいいこと。当店の看板になっている猫(ぬいぐるみ)を見て指さしている。どうやら猫を気に入ってくれたみたいだ。
おとうさん、最後にお子さんを支えながら立たせてくれてので、バイバイのあいさつができました。
なんとも心温まるひと時でした。

若い女性のお客様が『夢野久作全集7 暗黒公使』(ちくま文庫)を差し出される。もう片方の手には『夢野久作全集2』(ちくま文庫)を裸のまま持っていらっしゃる。「他店で購入されたのですか?」と尋ねると「ええ」とおっしゃるので、「これもご縁ですから500円で」と100円割引。喜んでいただけた。7だけでなく3と6も持ってくればよかったな…。

昼過ぎ、男性の方が『神秘の詩の世界-多田不二詩文集』(講談社文芸文庫)600円をしゃがんだままずっと読んでいらっしゃる。この本過去2回出品したがほとんど興味を持たれることはなかった。それでも諦め切れず手元に残して置いた。今度ダメだったら馴染みの古書店に処分しようと思っていたので期待が膨らむ。5分いや8分近く丁寧に読まれた後、島村利正『奈良登大路町 妙高の秋』と併せて購入いただいた。
こういうのも巡り合わせなんだろうなあ。国立に来てよかったと、しみじみ思えた。

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「くにたちコショコショ市」出品本の紹介

「一箱古本市」「みちくさ市」であれば、お馴染みのお客様の好みとか、手にとってもらえそうな本の傾向がある程度見当はつくのですが、今回の「くにたちコショコショ市」は初開催のため、正直わかりません。
国立という街の文化度が高いとは云っても、それがそのまま古本市のお客様に結びつくとは限りませんし。

当店に足を運んでいただいた方が再びご来店の際、「ああ、<とみきち屋>だな」と感じていただける店でありたいと常々思っていますので、これまでと変わらぬ品揃えでいきます。

思想、哲学、文学、評論、随筆等固めのものがメインで、音楽本はクラシックになります。

私どもが読んでもらいたいと思う本、持ち帰ってらえる(と思う)本は、何度でも出品します。
国立でのお客様が、「一箱古本市」「みちくさ市」をはじめ他の古本市にも足を運んでみようという気持ちになっていただけたらいいなと思っております。

前置きが長くなりました。出品本の一部をご紹介します。
今回特集は組みません。その代わり、ここ数ヶ月で読み終えたまあまあ新し目の本も持っていきます。追悼特集とまではいきませんが、黒岩比佐子さんの本も用意します。

〔単行本〕

■荒川洋治『黙読の山』(みすず書房)
■今泉正光『「今泉棚」とリブロの時代』(論創社)
■佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(河出書房新社)
■中沢新一『精霊の王』(講談社)
■フェリーニ『私は映画だ 夢と回想』(フィルムアート社) ほか

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〔文庫本・新書〕

■山之口貘『山之口貘詩文集』(講談社文芸文庫)
■河盛好蔵『河岸の古本屋』(講談社文芸文庫)
■フロイト『夢と夢解釈』(講談社学術文庫)
■ルカーチ『小説の理論』(ちくま学芸文庫)

■ヴィスコンティ/ダミーコ『シナリオ 失われた時を求めて』(ちくま文庫)
■『怪奇小説名作選-4 佐藤春夫集』(ちくま文庫)
■吉田健一『瓦礫の中』(中公文庫)
■青柳いづみこ『音楽と文学の対位法』(中公文庫)
■川本三郎『東京残影』(河出文庫)
■黒岩比佐子『音のない記憶 ろうあの写真家 井上孝治』(角川ソフィア文庫)
■鹿島茂『吉本隆明1968』(平凡社新書)
■長岡 義幸『マンガはなぜ規制されるのか』(平凡社新書)
■中野雄『丸山真男 人生の対話』(文春新書) ほか

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16日東京は最高気温6度の予報となっております。
暖かい服装でお出かけ下さい。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

くにたちコショコショ市 http://d.hatena.ne.jp/kunikosyo-market/
日時:2011年1月16日(日) 11:00~16:00頃
場所:コミュニティ・ホール 旭通り
※古本市は屋外での開催です。ご注意ください。
東京都国立市東1-14
JR国立駅南口より徒歩3分

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「くにたちコショコショ市」のご案内

1月16日(日) 11:00~16:00頃まで、国立市の旭通り沿いにあるコミュニティセンター「レディース・スポット」(野外イベントスペース)にて開催される「くにたちコショコショ市」に<とみきち屋>も参加します。
「一箱古本市」「みちくさ市」以外の古本市に出るのは今回が初めてです。
ある方の紹介後、顔見知りでもある「ゆず虎嘯」さんから丁寧なご案内をいただき、その趣旨に共感し出店を決めました。
さらに、国立は私たちにとって思いで深い場所であることが魅力でもありました。

妻のとみきちは小学校1年から高校3年まで国立に住んでいました。小・中は地元の学校に通っています。
私は高校現役時からOBになっても母校と、国立高校、桐朋高校の3校によるバレーボールの競技会に参加していましたので、国立は馴染みのある場所です。
また、結婚前はよく妻とも過ごしたところでもあります。とりわけ旭通り沿いにあった、今はなき「ロフトハウス」がお気に入りの店で。もちろん「ロージナ茶房」や「邪宗門」(2008年末閉店)にも幾度となく足を運びました。

そして「ゆず虎嘯」さんから、

開催場所近くに「ニチニチ」さんという飲食店があり、毎月第3日曜日に「日曜市」を開催しています。ニチニチ日曜市:http://www.tosakanmuri.com/nichinichi.html
この日曜市は結構評判で、開催時間前から人が並んでいます。(古本も1店出店されています。)

という情報をいただいことも後押しになりました。

この「ニチニチ」さんは料理研究家・高山なおみさん(http://www.fukuu.com/)がかつてシェフをされていた「諸国空想料理店KuuKuu」のスタッフの方が開いたお店ではないかと思います。
(昔妻が「ニチニチ」さんへ行った時、高山さんのお姿を見かけたのでたぶんそうだと思います)

そして、残念ながら閉店してしまった「諸国空想料理店KuuKuu」は妻の知り合いでもある南椌椌さん(http://www.kuu-kuu.com/)が経営されていたお店。
なんとも「不思議なご縁」と、妻も驚いていました。

さらに、今回の「くにたち コショコショ市」に出られる岡崎武志さんがブログでとりあげている「谷川書店」さんの仕入れノートは、私も何度か拝見しております。

その国立で古本市ですから、参加しないわけにはいきません。
鈍りきった身体に寒さは厳しいとは思いますが、新しいお客様との出逢いを楽しみに出店いたします。

くにたちコショコショ市 http://d.hatena.ne.jp/kunikosyo-market/
日時:2011年1月16日(日) 11:00~16:00頃
場所:コミュニティ・ホール 旭通り ※古本市は屋外での開催です
東京都国立市東1-14
JR国立駅南口より徒歩3分

みちくさ市回顧(2)は現在書いている最中ですが、コショコショ市が目の前に迫っておりますので、後日アップします。
ということで次回は、「くにたちコショコショ市」出品本の紹介をさせていただきます。

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「第9回 鬼子母神通り みちくさ市」 回顧(1)

午前10時過ぎ、斜め前の駐車場で開店準備をされていた岡崎武志さんにご挨拶。亡くなられた黒岩比佐子さんの『古書の森逍遙』(工作舎)が刊行された際、岡崎さんと黒岩さんのトークを聞きに行った時のことが甦り、「黒岩さんが会場に来てくれるような気がします」と思わず口にしていた。
午後遅めに<岡崎武志堂>にて、尾崎一雄『虫のいろいろ』(新潮文庫)を購入。『暢気眼鏡』(新潮文庫)は手元に残っているが、こちらは何かの折手放してしまったような気がしたので。尾崎一雄を再読したくなったのも、やはり関口良雄『昔日の客』(夏葉社)の影響だろうか。

山村修(狐)が『遅読のすすめ』(新潮社)の中で尾崎一雄に触れている。
「虫のいろいろ」からは作家のザラリとしぶとい意志を感じ、「書かれているのは、どうでもよい日常のささやかなことだが、ささやかであるだけに、かえって作家の手にした生きかたの太さを思う」と云っている。
また「かまきりと蜘蛛」をとりあげ、次のように書いている。「暮らしの時間とは、めぐるというより、めぐらせるものだとつくづく思う。作家は、そして小説の主人公は、時間がゆるゆるとめぐるのをたのしんでいるのではなく、自分のほうから腹をくくって、ゆるゆるとした時間をめぐらせているのだ」 濁りなき目で捉えている文章がいい。

10時20分頃、年輩のご婦人が「ここだここだ」と言って店に来られたので驚いた。<とみきち屋>目当てなんて、考えられない。ところが…
私が書いた佐野洋子さん逝去の記事を読まれ、今回の「みちくさ市」で追悼特集を設けることを知って、お越しくださったとのこと。
確かに、佐野さんは女性に特に人気があると思われるが、年輩の方がこの無名のブログを読まれていることが今以て不思議でならない。
本はほぼ並び終えていたが、11時開店の旨をお伝すると、「後で寄るはね」と云っていただきほっとする。

10月に開かれた高校2年のクラス会(同窓会)で約30年振りに再会したOさんが、10時半頃遊びに来てくれる。お子さんの文化祭に行く前とのこと。彼女も佐野洋子のファン。開店準備でゆっくりと話せず残念だった。「ここが黒岩さんと最後に話した場所」と伝えると、Oさんもあまりに早過ぎる死を悼んでいた。「チャコ先輩には応援団で指導してもらったのよ」と聞き、その時のことをいろいろ知りたくてならなかったが、時間がない。いずれ改めて聞かせてもらいたい。

開店15分前、dozoさんがお見えになる。顔がほころぶ。「まだ開店前なので…」とこちらが口にしかけた途端、「他を見て11時まで時間を潰して来ますから」と云っていただく。
こういう心遣いがありがたくてならない。
「みちくさ市」は「一箱古本市」とは違い、開始および終了時間はきっちりでなくてもいいことになっている。しかし、開催前に出品本を紹介し、常連さんもいらっしゃるので<とみきち屋>の場合、開始時間は準備が整っていても早めないことにしている。

開店11時ジャスト、dozoさんを含め四人の方が箱の前に。

■津野海太郎『おかしな時代』(本の雑誌社)
■小沼丹『小さな手袋』(講談社文芸文庫)

二人の方がそれぞれ購入。小沼丹が好きな方は多い。これまで5冊ほど出品してきたが残ったことはない。だから古書店で見つけると値段のことはあまり考えず入手し、出品してしまう。

■四方田犬彦『マルコ・ポーロと書物』(枻出版社)ほか4冊
お名前は存じ上げないが、よくご来店いただいている方。

■中沢新一『アースダイバー』(講談社)■陣内秀信『東京の空間人類学』(ちくま学芸文庫)■富岡多恵子『室生犀星』(ちくま学芸文庫)ほか7冊

東京関連の本を中心に7冊も購入頂く。dozoさんなら既にお持ちではないかと思われる本も混じっていたので、古本市復帰のご祝儀のような感じ。
dozoさんにはいつも温かい言葉をかけていただいているばかりでなく、素敵な笑顔に力をもらっている。

■野口冨士男編『座談会 昭和文壇史』(講談社)ほか2冊

11時15分頃。5月中旬から2ヶ月ほど季節はずれの冬眠に入り、7月にブログを再開した際、まっさきに励ましの言葉をかけてくれたjindongさんが購入。「元気そうでよかった」と何度か云っていただく。ブログ再開後もいろいろあって、なかなか更新できずにいるが、「無理をしてでも書かねば」という気持ちにならずにいられるのは、jindongさんから頂戴したコメントの影響が大きい。

■ぜーバルト『アウステルリッツ』(白水社)
■ジジェク『ラカンはこう読め!』(紀伊國屋書店)
■吉田裕/バタイユ『聖女たち バタイユ遺稿からの』(書肆山田)
■日夏耿之介『荷風文学』(平凡社ライブラリー)
■シュレーゲル『ロマン派文学論』(冨山房百科文庫)
■デリダ『言葉にのって』(ちくま学芸文庫)
■ヴェルレーヌ『叡智』(新潮文庫) ほか18冊

当ブログ古本市の記事ではお馴染みのHさん。(詳しく知っているわけではありませんが)古書業界では有名な方なので、軽々に書くのは本来憚れるのですが、これまで一度もお叱りを受けることはなかったので書いてしまいます。
11時30分、既に何店か寄って来られたようで、満杯の袋を手にご来店。18冊選ばれるのに要した時間5分足らず。
これくらいのことではもう驚きません。
9月のみちくさ市でお会いした際、「カムバック楽しみにしていますよ」と声をかけていただいたので、出品本を選ぶ際、Hさんを何度も思い浮かべた。もちろん、Hさんだけでなく常連の方々のことはいつも頭にあります。
18冊購入いただいたうち9割近くはHさんならと思った本。この快感は出店しなければ味わえないもの。もっとも、素人ゆえの気楽さもありますが。
そしていつものように本をお預かりし、Hさんは本探しの旅へ出られる。

午後になって戻られた際、更に5冊購入いただく。(これで計23冊) その中に『マラルメ詩集』(岩波文庫)が混じっていたので、<あれ?>と首を傾げてしまった。
春の「一箱古本市」でブランショとサルトルのマラルメ論セットを、「強引セットですね」とおっしゃりながらも購入いただいことは鮮明に覚えている。
「Hさん、当然お持ちでは?」
「持っているけれど、どこにあるかわからないんですよ(笑)」
??!! ……押入奥のどの箱に入れたかわからないなどというレベルであろうはずがない。巨大な蔵が目に浮かんだ。それで、
「しまってある場所の見当がついても、そこまで辿りつけないということですね(笑)」と私。
Hさん、何もおっしゃらずにっこり。
お話させていただく度に謎が深まってゆく。

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