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介護、始まる。

12月19日、115日振りに母が帰ってきた。
父の待つ住み慣れた家にではなく、私たちの家に。
義母が同じ病院の同室に1ヶ月入院し、癌の手術を受けるということもあって、長く感じられた。

退院前の検査で黄色ブドウ球菌が見つかったため、膝の洗浄、抗生剤の投与などの処置が施され、予定より2週間遅れ。
張りつめた糸が一旦緩み、どっと疲れが出る。若干の猶予を与えられたので自室の片付けも仕切り直し。5日、12日と馴染みの古書店へさらに本を処分。トランクルームには10箱ほど追加。棚を処分したため置き場所の無くなったLPレコードも持っていった。

仕事帰りに地元ブックオフに寄ることも控え、ひたすら整理。合間には市役所におむつ代申請の手続きほか細々とした事も処理。何とか寝る場所は確保できた。
ブログを更新する余力は残っていなかった。読書も通常に比べ3分の1ほど。

19日日曜から介護生活が始まった。初めてのことなので何をするにも時間がかかる。ベッドからトイレまで、歩行器を使ってどう動くのが安全で、負担にならないかいろいろ試みる。ポータブルトイレやベッドサイドテーブルの配置をどうするか。介助バーをどの段階でどれくらいの角度にするか。一人では立っていられないので、つかむ場所の順番なども母の動きを見ながら決めていった。
退院翌朝には、訪問リハビリ担当病院と訪問看護の契約。ケアマネージャーとは介護(居宅サービス)計画に関しての打ち合わせ。病院へは入院費の支払い。水曜は入浴サービス体験への付き添い。金曜は午前中に訪問看護(リハビリ)、福祉用具の業者にはトイレに手すりを設置してもらった。

朝昼晩、寝る前の4回服薬が必要なので、食事の時間、寝かせる時間をどうするかを、余り変動がないよう毎日様子をみながら決めてゆく。
検温、血圧の測定も欠かせない。
私たち二人が同時に家を空けねばならない時に、どう過ごさせるかも状況に応じて考えねばならない。一人でしてはいけないことを決め、守ってもらうことも必要だ。

私たちの生活のリズムも一変した。それをいい方向にもっていくことが大事なのだと、妻とは話している。
母には焦らせず、自身が大きな負担になっているとは思わせない。私たちも余裕を失ったり、倒れたりしないよう、互いにスケジュールを調整しながら、時に息抜きも入れていかなくては。
難しいかもしれないが、出来る限り自然体でいることが、これからの介護生活の要であるように思えてならない。

感染症で危篤にまで陥っているので、担当医からは「いつまた何かの菌が繁殖しないとも限らない」とは云われている。しかし、こればかりはどうなるかわからない。

母は昨夜、足の痛みで午前0時、1時と二度目を覚ましてしまった。痛み止めを飲ませたら落ち着いたが、安定にはほど遠い。快復の見込みはほとんど立っていないとも云える。
自力歩行はやはり無理だろう。寝たきりにならないようにする。それが最大の目標。

しかし、母を何としても病院から出してやりたいという願いは叶った。毎日「美味しい」と口にしながら普通に食事もとっていて、1キロ近く体重も増えた。
退院後映画を5本も観ている。(我が家にはDVDレコーダーがないので録画して置いたVHSビデオ)
フェルメールの絵をモチーフにした『真珠の耳飾りの少女』、成瀬巳喜男監督『放浪記』、ジュリエット・ピノシュ主演『嵐が丘』、ジョン・ヒューストン監督『火山のもとで』、エルンスト・ルヴィッチ監督『生きるべきか死ぬべきか』。
私たちより文化的な生活を送っている(笑)
楽に観られるだろうと思って録りっぱなしの2時間ドラマなどを勧めても「映画がいい」と云う。
87歳の母だが、この分ならトリュフォー、フェリーニ、カサヴェテス、アルトマンなどもいけるかもしれない。

映像ばかりでは疲れるので音楽も聴いている。オーディオはベッドでほぼ塞がってしまったし、アンプの操作が難しいので無理。iPodも持っていないため、やむなくカセットテープ。入院中もそうしていた。
今母が聴いているのは、マラン・マレ『ヴィオール曲集』、今井信子(ヴィオラ)演奏による『鳥が道に降りてきた』など。

介護生活まだ1週間、よちよち歩きが始まったばかりだ。

次回、11月の「みちくさ市」を回顧します。

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