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「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」 エピソード〔2〕

午前中に一度来られたナンダロウ(南陀楼綾繁)さんが、また様子を見に来られる。
「売れてる?」「はい」 以上。もうちょっと箱見てくれないかなぁ(笑)。

遅ればせながら、最近になってナンダロウさんの『路上派遊書日記』(右文書院)を入手して読んだのだが、買われる本のレパートリーの広さに圧倒される。
<とみきち屋>としては気合いを入れて(笑)出したつもりの本でも、著書を読むとナンダロウさんが一度に購入されるone of themでしかないことがわかるのです。
ラインナップに新鮮味はないし、箱そのものには何の工夫もない<とみきち屋>がナンダロウさんを惹きつけるのはもう無理と諦めました(笑)。

自転車のタイヤがぺしゃんこなので。「ナンダロウさん、空気に抜けてますよ」と声をかけたら、「わかってるよ~」と行ってしまいました。

秋の一箱を支える青秋部のIさん、Nさんお二人がお見えになる。5月5日の結婚披露に触れたら、「ちやほやしてもらう日なんです」とNさん。異議なしです。
(当日は所用があってお二人の姿を拝見できず残念でした。ほんとうにおめでとうございます!)

助っ人を終えられた<モンガ堂>さんにお声をかけていただく。「裏・ミスター《一箱古本市》」と呼ばれるほどの方。ナンダロウさんと外見は全く似ていらっしゃらないが、なんだか影武者のような存在。
体調はまだ戻りきっていないご様子。お大事になさってください。

同じく助っ人を終えられたNEGIさんがお見えになる。まずは「COUZT CAFE 藍い月」で過ごされる。すぐに本へと向かわないところなど、イベント全体を楽しんでいらっしゃる感じ。
■鶴見俊輔『限界芸術論』(ちくま学芸文庫)■武田泰淳『蝮のすえ・「愛」のかたち』を購入いただく。

14:00頃。
「古書現世」・向井さん、「古書往来座」・瀬戸さんら<わめぞ>のご一行がお見えになる。一般のお客様とは明らかに漂わせている雰囲気が違う。当日審査員をされていたので各箱を廻っていらした。
あれ?<わめぞ>の方とは思えぬ女性が向井さんの横に。でも、どこかでお顔は拝見したことがあるような…。
「ハルミンさんです」と向井さん。一瞬頭が真っ白になる。お目にかかった時にわからなかった自分が恥ずかしい。素人丸出し(汗)。
浅生ハルミンさんは、最近創刊された『Witchenkare(ウィッチンケア)』VOL..1に、初の小説「文化祭」を寄稿されています。そのリトルプレスを編集した多田洋一さんが、私の高校友人の友人。そんなご縁があったので、ご紹介いただけたのだと思います。
『Witchenkare(ウィッチンケア)』のことを少しお話しさせていただく。まだ全部は読み切っておらず、恐縮してしまう。初めてお話させていただきましたが、チャーミングで素敵な方でした。ファンが多いのも当然ですね。

その間、瀬戸さん作成の本ドラックに前々からいたく関心を寄せている店主・とみきちは、「本ドラ」や今後の作品などについていろいろお話を聞かせていただいたようだ。
ハルミンさんに続くサプライズ。なんと、瀬戸さんに本をお買い上げいただいてしまった。
実店舗を経営されている古書店の方に購入いただくのは初めてのこと。しかもあの有名な「古書往来座」の瀬戸さん。俄には信じられず、正直緊張しました。
開店から3時間過ぎたのに、その本は売れ残りのようにひっそり箱の下の方にありました。もしそうでなかったら、一般のお客様への配慮から手にしていただけなかったのではないかと、私は勝手に思っています。実際値下げしていたにも拘わらず、残っていたからです。どこにでもあるような本ではありません。しかし、容易には手を出しにくい本でもありました。今回特に思い入れの強い本だったので、瀬戸さんに引き取ってもらえ喜びもひとしお。
なのに…。

とみきちがその瀬戸さんに向かって、輪ゴムを飛ばしてしまう。
すかさず、「狙いましたね(笑)」と向井さん。
滅相もない。わざわざ瀬戸さんに輪ゴムを拾っていただく。すみません(汗)。

少し離れたところに立っていらっしゃった武藤(良子)さんに、「今日は飲んでいないんですか?」と尋ねると、「なわけないじゃん」。そうだよなぁ(笑)。数歩下がったところにいらした薄田さんは、向井さん、瀬戸さんのSPのようでした。
向井さん、暑さもあって既にお疲れのご様子。市田邸へのあの急坂、大丈夫だったのだろうか。

14:30頃。
細い路地を曲がり、こちらへ歩いて来られる女性の姿が視界に入る。
「比佐子さんだ!!」と、とみきちと二人、声にならない声を挙げてしまう。
体調がすぐれないご様子を直前のブログでうかがっていたので、信じられない思いでした。
黒岩比佐子さん、高名なノンフィクションライター。
古本市で少しずつお話しさせていただくようになり、憧れの方になっていました。
その後、私の一学年、とみきちの三学年上の高校の先輩と知ってから、失礼ながら勝手に親近感を抱いてしまい、黒岩さんの存在は私たちの中でさらに大きなものになっています。

初めて高校の話をさせていただく。同じ空気を吸っていたとも言えるので、ちょっとしたことでも通じるものがあって嬉しい。
とみきちがブログに書いた『音のない記憶』の感想には、過分な言葉を頂戴する。ふと横を見ると、とみきちの目が潤んでいるような。

6月に刊行される『古書の森逍遥』(工作舎)のこと、それに伴って東京古書会館で催されるイベントのことも伺う。黒岩さんの蔵書が展示されるとのこと。何としても時間をつくって見てみたい。
堺利彦について書かれている本は、年内には出せそうと聞き、期待が膨らむ。
昨年の春の一箱古本市で、黒岩さんに『堺利彦伝』(中公文庫)を購入いただいたことを思い出していました。あれも何かのご縁だったのだろうか。

お会いできたことが嬉しくて、10分近くお引き留めしてしまいました。
お疲れのところ申し訳ありません。

黒岩さんがお見えになっている間、不思議なことにパタっとお客様の流れが途絶えていました。いや、ひょっとすると、私たちが他のことに全く意識が向かなかっただけなのかもしれません。
実際、自分たちが「一箱古本市」に出ていることすら忘れていました。

暑い日差しを防ぐ、パラソルがあればよかったのですが…。
またお目にかかれるのを楽しみにしております。

ここからは時系列にそっていません。

先月のみちくさ市に続き、<つん堂>さんにご来店いただく。ほんのわずかであっても、<つん堂>さんと静かに本の話のできる時間が好きです。昨春の一箱初日、客として廻った際、<つん堂>さんの箱に惹かれ、お話しさせていただいてからもう一年になるのか…。
■結城信一『空の細道』(河出書房新社)、■井上光晴『眼の皮膚 遊園地にて』(講談社文芸文庫)など3冊購入いただく。今時井上光晴はどうかなぁと思っていたので、引き取っていただけたのは嬉しい。<つん堂>さんは「古書ほうろう」の常連さんらしいと、最近知りました。(ご本人から聞いたのではないのですが)そうだろうなぁと納得。

一箱初参加の一昨年秋、お隣同士。以来親しくさせていただいている<もす文庫>のmasubonさんが来てくれました。(当日は「往来堂書店」さん前に出店) お会いできるのは「一箱」での年2回しかないだけに、嬉しい。いつも思い入れの強い、こだわりの本を厳選して出しているところがいいなぁ。飼っていらっしゃるかわいい猫・ピピさんのブロマイドと、手書(描)きのイラスト入り名刺を頂戴する。過去最高の売上げだったご様子。遠くから来た甲斐があってよかったですね。
masubonさんには瀬尾まい子の文庫本を購入いただく。

昨秋、(互いに)正式の助っ人としてではなく、一箱のお手伝いの際知り合った<野ぎく堂>さんにご来店いただく。山田詠美が絶賛していた■ヤン・ウォルカーズ『赤い髪の女』(角川文庫)を購入いただく。というか、押しつけてしまった感あり。すみません(汗)。
田辺聖子の作品についていろいろお話ができて楽しかったです。

<朝霞書林>さんご来店。■野口冨士男『わが荷風』(講談社文芸文庫)ほか3冊購入頂いただけではなく、「4時までがんばってください」と声をかけていただいた。

後日、5月2日(一箱二日目)、私がコシヅカハムで助っ人をした際<朝霞書林>さんが出店されていたのだけれど、品揃えのみならず、本を補充されるタイミング、選択、入れる場所など、緻密さと手際の良さに見入ってしまいました。

初参加以来親しくしている<あり小屋>さんが来てくれました。お嬢様の具合が悪く、お一人で。
■『千年紀のベスト100作品を選ぶ』(光文社知恵の森文庫)を購入いただく。
<あり小屋>さんも5月2日にはコシヅカハムに出店されたのですが、開店前の箱を見て思わず「勘弁して。目の毒」と漏らしてしまう。自分が出店者でも助っ人でも、知り合いでもなかったら、(既に持っている本も含め)10冊はいきなり買ってしまっただろうなぁ。過去最高の売上げにも納得。

■吉田秀和『LP300選』(新潮文庫)を購入された男性から、「わかります?高校同期の…」と問いかけられる。来て頂いた時にはわからなかったが、その質問でYさんだとわかった。在校中は一度も話をしたことはなかったのですが、お顔はなんとなく(すみません)。
先に来てくれたやはり同期の方が、このイベントのことをYさんにも紹介してくれたのを聞いていたのが助けとなりました。お薦めの1冊を購入してもらえ嬉しい。

モノンクルさん好みの本は<とみきち屋>にはないのだけれど、古本市会場に足を運ばれたときには毎回お顔を見せていただけるのが嬉しい。5月16日の「みちくさ市」では同じ場所に出店できるので楽しみ。今回は<モノンクルブックス>ではなく<I HATE BOOKS>さんという屋号です。

これから助っ人という<たけうま書房>さんご夫妻、助っ人を終えられた<オヤジ書房新社>のTさんご夫妻に声をかけていただく。
<たけうま書房>さんは5月2日に「ブックマークナゴヤ賞」を受賞。おめでとうございます。当日会場にいて、私たちまで嬉しくなってしまいました。

初参加の時、同じ会場(宗善寺)だった野宿野郎さんとも久しぶりにお話できた。おからだ大事になさってください。

古本市に参加するようになってから知り合えて、言葉を交わせる方がどんどん増えていくのは、嬉しいものです。

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コメント

エピソード1はすぐにチェックしていたのですが、2,3とアップされていたのを今気づきました。そしてそして、私のことに言及されていたのでびっくり!恥ずかしいやら嬉しいやらです。いつも風太郎さんのあたたかいお言葉にうまく返せず、反省しきりですが、今後もよろしくお願いいたします。みちくさ市も多分行くと思います。またいい本を買わせてください!!

投稿: つん堂 | 2010年5月13日 (木曜日) 16:58

もす文庫masubonです。こんばんは。
先日は一箱お疲れ様でした。助っ人もお疲れ様でした。

レポート、楽しみにしていました。自分は当日ほとんど動けないので、他の出店場所の様子やお客さんの様子がわかるとうれしいです。打ち上げの様子も楽しそうで。

瀬尾さんの本は、図書館で借りたものだったので今回入手できてよかったです。彼女の本はあまりたくさん読んでいないのですが、分かりやすい言葉を使い、分かりやすい文章で、それでもちゃんと伝えたいことを伝えてくれる作家さんだとわたしは思っています。じっくり読み返したいと思います。ありがとうございました。

もす文庫は6月にはBOOK!BOOK!SENDAiに行ってまいります。初参加は緊張しますが、今からわくわくしています。一箱古本市に参加し始めてから、本がいっそうおもしろくなったような気がします。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: masubon | 2010年5月13日 (木曜日) 22:01

>つん堂さん

コメントありがとうございます!思いもよらなかったので、とても嬉しいです。
つん堂さんの箱を初めて拝見したのが昨年春。ほんとうにいい本を、何冊も頂きくなるお値段で提供されていましたよね。それだけでなく、お店の佇まいがとても魅力的で、とりわけ心に残りました。もちろん、つん堂さんのお人柄も。
その1年前の春、私は一箱の存在すら知りませんでした。
でも、「個人的にはいちばんしっくりきた」「長年古書ほうろうを利用してくださっているお客さまだったのですが、今回はじめてちゃんとお話できてうれしかったです」という、<古書ほうろう>宮地さんによる、つん堂さんの感想を読んで、わがことのように嬉しかったものです。

参加する際には、しっかりとしたスタンスで一箱に臨んでいらっしゃるつん堂さんの、今回の一箱全般の感想など伺いたいなぁなどと思っています。
ご都合がよろしければ、「みちくさ市」にもお出かけ下さい。楽しみにお待ちしています。

投稿: 風太郎 | 2010年5月14日 (金曜日) 17:15

>もす文庫 masubonさん

遠路遙々の一箱参加、おつかれさまでした。
masubonさんに来ていただけなかったら、お会いできなかったと思うので、嬉しかったです。

硬目の品揃えを看板にしている<とみきち屋>なので(笑)、『図書館の神様』はメインのところには置いていなかったのですが、気がついてもらえたら恐らく女性の方の手元に渡るのではないかなあと思っていました。それがmasubonさんだったとは!
瀬尾まい子はこの1冊しか読んでいませんが、固く閉ざされた心が、人との関係性のなかでほぐれてゆくさまの描き方に、この作家の誠実さを感じました。いい本ですよね。

「Book!Book!Sendai 」で一箱参加ですか。それはすごい!
わくわく感、わかるような気がします。中心になって動いていらっしゃる<火星の庭>の前野さんも、すごく魅力的な方ですしね。(一箱の打ち上げで、初めてお話させていただきました)

駄々猫さんがそちらへ伺うとか。
存分に楽しんできてくださいね。仙台レポート楽しみにしています。

投稿: 風太郎 | 2010年5月14日 (金曜日) 17:17

4月29日・5月2日の一箱古本市、そして、5月16日のみちくさ市ではお世話になりました。さて、今、ブログを拝見しましたら、とみきちさんは、御夫婦とも名門立川高校のご出身のようですね。立川高校卒業で、昭和37~38年生まれの森川俊生を御存じでしょうか?黒岩比佐子さんと同じ「軟式テニス部」で一浪して早稲田の法学部に入学し、朝霞書林と同じ「早稲田大学軟式庭球同好会」で4年間ともに汗を流しました。卒業後、森川はテレビ朝日に入社し、湾岸戦争の時には、サンデープロジェクトでバクダッドから記者としてレポートをしていました。まだ、テレ朝に勤めているはずです。あぁ立川高校卒業生名簿が見たい・・・。因みに朝霞書林は、都立白鷗卒です。
52群でした。長々と失礼しました。

投稿: 朝霞書林 | 2010年5月18日 (火曜日) 17:03

>朝霞書林さま

一箱古本市、みちくさ市おつかれさまでした。
噂では聞いていた朝霞書林さんの絶妙な販売、間近で堪能させていただきました。

名前を伏せていただけで、隠していたわけではありませんが、高校名指摘されてしまいましたね(笑)
興味のある方が読めば、わかってしまうと思っていました。
これだけ、黒岩比佐子さんのことの触れているのですから。

森川俊生氏のことは、人づてに聞いたことがある程度で面識はありません。同学年でも、アルバムを見て、「これ誰だろう?」と思ってしまうくらいなので、3学年下となると同時期に学舎にいたわけでもなく、なおさら…。同じクラブであったら事情は全く別なのですが。
森川さんは、小熊英二氏と同期ということになりますね。

新聞、TV局ほか報道、マスコミ関係に進む卒業生が多いとは聞いています。1学年下には、TBS『筑紫哲也NEWS23』特集コーナーに出ていた下村健一氏がいます。

学校は名門ということになっているようですが、私などはその他大勢の部類でして(笑)
卒業生名簿も必要性を感じず、購入しなかったためにうちにはありません。

朝霞書林さんは早稲田だったのですね。同期だけでもかなりの人数が行っています。

またどこかでお目にかかれるのを楽しみにしています。

投稿: 風太郎  | 2010年5月19日 (水曜日) 01:57

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