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「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」(初日)を終えて

今回もまた多くの方との出逢いがあり、様々な出来事がありました。
かくも濃密で豊潤な一日を授けていただいたことにどんな言葉が値するのか、悩んでしまいます。
「第10回一箱古本市」の物語は、私の中ではまだ終わっていません。明日5月2日には助っ人として、また、一人の客として関わっていくからです。

前置きが長くなってしまいました。

実行委員、助っ人の皆さま。快く場所を提供してくださった大家さん。そして、会場及び<とみきち屋>に足をお運びくださった多くの方々に心より御礼申し上げます。
また、同じ場所に出店した店主さん。お越しいただいた友人・知人のみなさま。ほんとうにありがとうございました。

今回初めて大家さんになっていただいた「COUZT CAFE 藍い月」さんにはお世話になりました。
スタッフの方々にはあたたかい対応をしていただきました。
開始するや否や雨。並べたばかりの箱の数々が素敵な店内の入り口付近を占領してしまいました。「何も敷かなくていいですよ」「開店は11時半ですから」と声をかけていただき、今日はこれからどうなるのだろうという不安を抱いていた私たちに、どんなに心強かったことか。

何とか外に箱を出せるようになった後も、雲の動きが不安定で、まだ雨のことが心配でした。
そうなると補充本の詰まった大きな段ボールは<とみきち屋>にとって多くの点で重荷になっていました。また降り始めたら、メインの箱を運び入れる間に雨の餌食になってしまいますし、天気の状況によっては重い箱を何度も店内の片隅に避難させなければならないからです。
すると、最初に避難させるときの様子を見ていたスタッフのSさんが「たいへんでしょ。少しくらい店内に置いてもおいてもかまいませんよ」と、声をかけてくださったのです。補充本を入れてある箱ですから、本来ならビニールシートをかぶせ外に置かねばならないのですが、お言葉に甘えさせていただきました。
カムフラージュ用に毛布までかけてくださいました。こういう心配りはほんとうに心に沁みます。
その後も一日、気持ちよく過ごさせていただきました。
大家さんでもあるCOUZT CAFE さんは<nobnob books>として輸入本を出品されていました。オーナーのKさんからはいろいろお心遣いいただきました。
今回5回目の参加となる<箸休め>さん。店内に箱を運び入れる際、本をボロボロ落とし、危うく崩れそうになるところ、助けていただきました。
以前「みちくさ市」でお隣同士だった<文庫善哉>さん。また、ご一緒に楽しく過ごさせていただきました。散歩をテーマにされた、美しい箱に惹かれました。ちらっと一部が見えた本の中には、『深夜の散歩―ミステリの愉しみ』、『猫は深夜に散歩する』、『目まいのする散歩』などもあったような。

これまで3回続けて出店してきた「一箱古本市」の中でも、こんなことはなかったというくらい最初の30分ほどお客様が少なく、妻のとみきちと「今日はダメかもね…」と言葉を交わしていたところ、<文庫善哉>さんが、「信じられない。史上最悪の一箱になるかも…」と漏らされ、同じような気持ちでいらっしゃるのだなと感じました。その途端、「もうなるようになれ」と開き直っていました。

いきなり雨がポツポツと落ちて来たことが大きな要因ではなかったのです。市田邸と根津教会の間にあったことを冷静に考える余裕がなかったのです。
自分が一般客なら、そのいずれかの会場から廻り始めるに違いないのです。しかも、それぞれから(わたしたちの出店場所まで)ある程度距離もあります。
じっくり本を見られるお客様であればこちらにお出でいただくまで40分は要されるのではないでしょうか。
「一箱」の、そして「谷根千」の圧倒的な力をいっ時とはいえ、失念してしまうとは。

店内に避難している間にお買い上げいただいたお客様もいらっしゃいました。
あの方たちがいらっしゃらなかったら、帰り支度を始めていたかも知れません(笑)

お昼にならんかとする頃。熱い日差しの中、大勢のお客様が押し寄せて来ました。
それからほとんど途絶えることなく、口にしたのは飲み物だけ。トイレにも行かず。
その時間がなかったわけではないのですが、店を離れた時に知っている方が来られたら…という思いが、今まで以上に強かったこともありました。
気がつくと、あっという間に午後4時の終了時間を迎えていました。
出だしとその後がこれほど違った「一箱古本市」は初めてのことです。
こんなにも「一箱」は浸透しているのかと実感できました。

恒例のエピソード集はこれからゆっくり書いていきます。いつも以上に長く時間がかかると思います。5月16日に参加する「みちくさ市」出品本ご紹介までには終わらせないといけませんね(笑)

<モンガ堂>さんが、さっそく今回の「一箱古本市」リンク集をつくり始めていらっしゃいます。いつもありがとうございます。
こちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20100430/p1

29日のプレゼンターでもあった<古本屋ツアー・イン・ジャパン>さんが、29日初日のレポートを書かれています。
こちら→ http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/9381886.html 

店の前ではメモもとらずに、どうしてあれだけのことが頭に入り、書けるのか、不思議です。「超人」としか思えません。
わたくしども<とみきち屋>のことも書かれています。
「古本バカ」と呼ばれたのは初めてのこと。光栄です(笑)

■伊達得夫『詩人たちーユリイカ抄ー』(日本エディタースクール出版)
■来嶋靖生『岩本素白随筆集 東海道品川宿』(ウェッジ文庫)
を購入いただきました。ありがとうございます。

後者は当日朝追加で持っていったので、お客様閲覧用出品本リストには載せていませんでした。
購入いただいた時、私はほかのお客様と横を向いて話していたので、全く見ていませんでした。しかし、書名を挙げていただいたので、妻のとみきちが、どんな方だったか思い出しました。
今度お会いしたら、お話しさせていただかなくとも、たぶんわかると。

明日5月2日(日)
「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」 http://sbs.yanesen.org/  

2日目開催です。個性豊かな55箱が並びますので、みなさまお誘い合わせの上、是非ご来場ください。

私も微力ながら、助っ人として某出店場所にて、たぶん午後1時半頃まで(未定)お手伝いさせていただく予定です。その後は客として廻ります。また多くの方とお会いできるのを楽しみにしております。

エピソード集は次回から開始いたします。

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