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2010年5月

〔お知らせ〕 谷中よみせ通りで「一箱古本市」!!

本日(22日)と明日(23日)の2日間、谷中よみせ通りの「わくわく大感謝祭」不忍ブックストリート一箱古本市が出現します。

時間:10:00~16:00終了予定
場所:よみせ通りの「肉のヤマネ」と「寿司 海鮮処 ととや」の間の空き店舗

先日開催された、「第10回一箱古本市」の受賞店主と不忍ブックストリート関係者が箱を出します。いい本がたくさん出品されるとのことですので、みなさまお誘い合わせの上、ぜひお出かけ下さい。

私は23日、手伝いを兼ねて伺います。

当日、助っ人さん持ち寄り本の箱の中に、<とみきち屋>の本も入れさせて(紛れ込ませて)いただく予定。
対面販売ではありませんので、どんな方の手に渡るかはわかりませんが、こういうのも面白いかなと思い、バッグに入れて持っていきます。
残った本を持ち帰るのはたいへんなので(笑)、数は知れていますが。

月曜から毎日帰宅が夜11時近かったため、「第10回 一箱古本市」のエピソード〔4〕(最終回)、「みちくさ市」エピソードはまだ書けずにおります(汗)

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「第6回みちくさ市」終了

体力、集中力が年々衰えていくのだから、早め早めに準備をすればいいものを、間際になってバタバタするのはなかなか変えられません。30分の仮眠で参加することになったのも自業自得。
しかしながら、当日は眠気もどこへやら、たっぷり楽しませていただきました。帰宅後は案の定、沈没してしまいましたが(笑)

お越し頂いた多くのお客様、運営の中心<わめぞ>のスタッフの方々、商店街のみなさま、場所を提供くださった大家さん。ほんとうにありがとうございました。

「一箱古本市」では店から一歩も動けなかったため、その反動もあって、昼前頃から何度も店を離れふらふら歩き回っておりました。不在中に来ていただいた方とはお話もできず、すみません。
「みちくさ市」では、知り合いになった店主の方々と話したり、本を見るのが楽しみのひとつになっておりますので、ご容赦ください。

前回「アウトロー」をメインにした特集、初めて大当たりしましたが、今回の「女流作家」、いつもの<とみきち屋>特集らしく、撃沈しました(笑)。引き取っていただけたのは55冊中、31冊。
数を揃えるために、もう読まないからいいだろうと、あまり思い入れの強くない、蔵書から出した本は、ことごとく残りました。反省しております。
今後は、特集の組み方、というか出し方(品揃え)を、もう少し工夫いたします。

特集がこけたにも関わらず、終わってみれば、また前回と同じく3桁の本が旅立っていきました。
その多くは、またも常連のお客様、知り合いの方々のもとへ。ほんとうにありがたいことです。
あらためて御礼申し上げます。

本来なら、次回より「みちくさ市」のエピソードを開始するところでありますが、「一箱古本市」の助っ人、客として。打ち上げ篇をまだ書いておりませんので、そちらを優先させていただきます。
2週間以上経って、「一箱」の話題を書くのは私ぐらいでしょうが、化石級の天然記念物と言われようとも、続けるつもりでおります(笑)

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第6回みちくさ市」出品本の紹介〔2〕

まだレイアウトを考えながら出品本を選んでいる最中なので、リストもスリップもできていない…。
ここまで遅れるのは初めて。焦りまくっています。何とか間に合わせなければ。
こんな感じなので、紹介も中途半端で申し訳ありません。
明日は、できる限りいい本を揃えお待ちしておりますので、ぜひお越しください。

特集以外の出品本のごく一部のみ、写真をアップいたします。

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「第6回みちくさ市」(http://kmstreet.exblog.jp/

私ども<とみきち屋>は、「花結び」となり個人宅駐車場に出店いたします。

出店場所・出店者一覧→ http://kmstreet.exblog.jp/page/2/

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「第6回みちくさ市」出品本の紹介〔1〕

「一箱古本市」の余韻醒めやらず、「第6回みちくさ市」(http://kmstreet.exblog.jp/)前日だというのにバタバタしています。先が見えない(汗)
お待たせしました、今回の出品本の一部を紹介いたします。

〔 特集 女流作家 〕

201005151747000

この特集はかなり前から決めていました。

■岡本かの子『岡本かの子全集 1・7・12』(ちくま文庫)
■尾崎翠『尾崎翠集成(上)(下)』(ちくま文庫)
■野溝七生子『女獣心理』(講談社文芸文庫)
■久坂葉子『幾度目かの最期』(講談社文芸文庫)
■吉田知子『わたしの恋の物語』(角川文庫)ほか
■高橋たか子『彼方の水音』(講談社文庫)ほか
■田村俊子『あきらめ・木乃伊の口紅 他四篇』(岩波文庫)
■吉屋信子『屋根裏の二處女』(国書刊行会)ほか

上記以外に、長谷川時雨、宇野千代、網野菊、林芙美子、大原富枝、河野多恵子、倉橋由美子、富岡多恵子、大庭みな子、森茉莉、瀬戸内晴美(寂聴)、円地文子、津島佑子など、現役本、品切れ本織り交ぜ計60冊ほど用意します。
稀少本以外はできるだけお求めやすい価格に設定いたしますので、お好きな作家の未読本がありましたら、この機会にいかがでしょうか。

私ども<とみきち屋>は、「花結び」となり個人宅駐車場に出店いたします。

出店場所・出店者一覧→ http://kmstreet.exblog.jp/page/2/ 

紹介その〔2〕は今夜あらためてアップします。

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「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」 エピソード〔3〕

■ジャン・グルニエ『孤島』(竹内書店・AL選書)を購入いただいたお客様の声。「ネットでは本が買いにくい。こうして実際に手にとって買えるのがいいんだ」。
物書きを生業としているわけではないので、私もネットでの購入は、どうしてもその時欲しい、必要だという時のみで、年3冊あるかないか。やはり手にとり、興味のあるところを読み、共感できるか、文体が自分に合っているかなどを確かめてから買いたいと思ってしまう。

■大森荘蔵・坂本龍一『音を視る、時を聴く 〔哲学講義〕』(ちくま学芸文庫)
若い男性二人が、箱の前で松岡正剛のことなど、ほんとうに楽しそうに話をしている。
その若さがまぶしい。尋ねてみると思った通り大学生だったので、「学生割引です(笑)」と、50円値引きし300円に。とても喜んでいただき、かえって恐縮。

■マルケス『百年の孤独』(1999年改訂版・新潮社)
マルケス集の一環として出ている最新版をお求めだったようですが、同じ訳者(鼓 直)ならこれでいいわと、若い女性の方に購入いただく。他のお客様の応対をしていたため、お話しできず残念。
時既に15:30(閉店30分前)。今回特集のひとつとして「海外文学 絶版・品切れ本」を組み、24冊出品しましたが、これですべて引き取っていただけました。
特集以外にも海外文学は9冊出品し、それもすべてお買い上げいただいたので計33冊。思っていた以上に海外文学好きの方がいらっしゃることを実感でき、嬉しい。

15:20頃。
高校友人、小児科医・Eと建築家Aが連れだって来てくれる。Aは前述した多田洋一さんの友人でもある。
Aが他店で買った本を見せてくれた。『植草甚一ジャズエッセイ1・2』(河出文庫)。こういうジャンルにまで興味を持っていることを知り、驚く。さらに、「読んでいるかもしれないけれど」と言ってバッグから取り出したのが、新刊で買ったという文芸誌『新潮5月号』。「いやあ、全く読んでない」と私。若い頃は読んだが、その後は文芸誌には縁がない。
「これがとてもいいんだよ」と、掲載されている記事<ラプンツェルの塔 間宮緑>を紹介してくれた。後日入手して読み、繊細な感覚から紡ぎ出される文章に酔う。<どんな文章も、人に読まれるときまでは冬越しの眠りに就いている>という、最後の一行の余韻が消えない。

古本市の感想を聞かせて貰う。「売る人が見えると本が違って見えるね」
4回も一箱に出ながら、私には見つけられなかった言葉。そうだ、そこがいいんだよなと思うことしきり。
吉本隆明『語りの海1~3』(中公文庫)を購入してもらった。

Eには読書関連本を、それこそ押し売り(笑)。彼なら許されるだろうと思って。
売れ残っていた、梅津時比古『耳の中の地図 音楽を聴くこころ』(音楽之友社)1200円を手にとり、「これ、俺に読めるか?」と私に訊く。売上げに協力しようとしてくれたに違いない。気持ちは嬉しくてならなかったが、「いや、ある程度クラシック音楽聴いていないと無理」と答える。
同じ著者の『フェルメールの音』も持ってくればよかった。それなら、推薦できたのに…。

閉店直後、高校同期・吉岡靖高(プロのギタリスト)とサッカー部Mが現れびっくり。Eが声をかけ、<とみきち屋>前で待ち合わせ、飲みに行くことにしたらしい。皆が集まるきっかけにしてもらえ、嬉しい。
18時からの打ち上げイベントまで時間があったので、妻も伴い、6人でプチ同窓会。妻のみ2学年下の後輩だ。小一時間ほどわいわい語り合い、私たちは失礼する。
Mとはほんとうに久しぶりだった。前夜一箱関連のブログを熱心に読んで研究したらしく、すごく詳しい(笑)。でも当日出遅れ、一箱開催時間中には来れず。サッカー本も用意するから、今度は、買いに来てくれ~(笑)。

楽しく過ごしてから十日も経たないうちに、Eのお父上の訃報が届く。入退院を繰り返されていたことは聞いていたが、急に容態が悪くなられたようだ。5月9日(日)お通夜に参列する。Aともまた、会うことになった。
Eは小児科のクリニックを開業して12年になるが、診療日に休んだことは一度も無かった。
「休まなかったのも、初めて休んだのも親孝行だと思いたい」
彼の言葉、想いが心にいたく響いた。

話を一箱に戻します。

打ち上げイベントでのナンダロウさんオヨヨ書林さんによる進行は、大受けで会場中が盛り上がる。ナンダロウさん曰く「高田純次を上回るオヨちゃんの適当っぷり」。ほんとうに不思議な方だ。

金沢に移られる直前、ナンダロウさんのトークを聞いたその足で、オヨヨ書林さんのお店に伺った。閉店を少し過ぎていたのでご迷惑かなと思ったけれど、一言ご挨拶したくて。お一人で作業されていたオヨヨ書林さんからは、声をかけづらい、凄味のようなものさえ感じられました。それもまた、オヨヨ書林さんに違いないのですよね。

古本屋ツアー・イン・ジャパン賞は<北方人>さん!との発表があり、会場の後ろの方を振り向くと、くつろいでいらしたようで、慌てて靴を履いている。(後でうかがったのだが)イベント前、既にお一人で祝杯をあげていたらしい。壇上で終始にこやかにお話されている様子を拝見し、嬉しくなってしまう。まだまだ引退はできませんね。いや、誰も<北方人>さんの引退など望んでいないと思うのです。どうかこれからもお元気で、いい本を多くの方に届けてください。私も、いい本ほしいです(笑)。

同日出店だったのに、一歩も動けず、<あいうの本棚>の皆さんにお会いできなかったのが残念でなりません。
また駄々猫さんと、ご主人のちゅうたさんにもお会いできなかった…。
ファミリー本をテーマに設け、ほかにもいろんな試みをされると聞いていたので、是非箱を見たかったのだけれど。
(5月2日、駄々猫さんには会え、出品リストを頂戴する)

一箱古本市がどのようなものかを知りたい方は、以下の記事が参考になると思います。

●ナンダロウさんが書かれた4月29日の様子 http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20100429

●ナンダロウさんが書かれた5月2日の様子 http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20100502 

●古本屋ツアー・イン・ジャパンさんによる4月29日のレポートhttp://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/9381886.html

●古本屋ツアー・イン・ジャパンさんによる5月2日のレポートhttp://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/2010-05-1.html#9389616

★モンガ堂さん作成 一箱古本市リンク集
http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20100430 

多くの方々にお越しいただき、お買い上げいただき、今回もこの上なく楽しい一日を過ごさせていただきました。
心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

〔 とみきち屋の結果 〕 下線付きが今回の結果です。

第10回 一箱古本市(春)  冊数141冊 平均単価413円

第9回  秋も一箱古本市   冊数 82冊 平均単価474円
第8回  一箱古本市(春)   冊数 85冊 平均単価410円
第7回  秋も一箱古本市   冊数 85冊 平均単価548円

初参加の一昨年秋のみ平均単価がいやに高いのは、畏れ多くも1冊4000円の文庫を購入いただいたからです。看板として飾っておくだけのつもりだったのですが、ずっと探していたが見つけられず、この機会を逃したら後悔するかもしれないと思われたお客様のもとにわたりました。

いつも申し上げるのですが、お馴染みのお客様、知人の方々に毎回のように足を運んでいただき、購入いただいていることが、大きな支えになっています。今回は思いもかけなかった、高校同期、友人の応援もありました。
ほんとうに、ありがとうございました。

店主・とみきち 
番頭・風太郎

助っ人として参加し、客として廻った一箱のこと。そして5月2日の打ち上げの様子などはエピソード〔4〕で書きたいと思っています。しかし、16日の「みちくさ市」まで残りわずかなため、そちらの案内(出品本の紹介)もあり、いつ書けるかお約束できないとうのが正直なところです。

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「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」 エピソード〔2〕

午前中に一度来られたナンダロウ(南陀楼綾繁)さんが、また様子を見に来られる。
「売れてる?」「はい」 以上。もうちょっと箱見てくれないかなぁ(笑)。

遅ればせながら、最近になってナンダロウさんの『路上派遊書日記』(右文書院)を入手して読んだのだが、買われる本のレパートリーの広さに圧倒される。
<とみきち屋>としては気合いを入れて(笑)出したつもりの本でも、著書を読むとナンダロウさんが一度に購入されるone of themでしかないことがわかるのです。
ラインナップに新鮮味はないし、箱そのものには何の工夫もない<とみきち屋>がナンダロウさんを惹きつけるのはもう無理と諦めました(笑)。

自転車のタイヤがぺしゃんこなので。「ナンダロウさん、空気に抜けてますよ」と声をかけたら、「わかってるよ~」と行ってしまいました。

秋の一箱を支える青秋部のIさん、Nさんお二人がお見えになる。5月5日の結婚披露に触れたら、「ちやほやしてもらう日なんです」とNさん。異議なしです。
(当日は所用があってお二人の姿を拝見できず残念でした。ほんとうにおめでとうございます!)

助っ人を終えられた<モンガ堂>さんにお声をかけていただく。「裏・ミスター《一箱古本市》」と呼ばれるほどの方。ナンダロウさんと外見は全く似ていらっしゃらないが、なんだか影武者のような存在。
体調はまだ戻りきっていないご様子。お大事になさってください。

同じく助っ人を終えられたNEGIさんがお見えになる。まずは「COUZT CAFE 藍い月」で過ごされる。すぐに本へと向かわないところなど、イベント全体を楽しんでいらっしゃる感じ。
■鶴見俊輔『限界芸術論』(ちくま学芸文庫)■武田泰淳『蝮のすえ・「愛」のかたち』を購入いただく。

14:00頃。
「古書現世」・向井さん、「古書往来座」・瀬戸さんら<わめぞ>のご一行がお見えになる。一般のお客様とは明らかに漂わせている雰囲気が違う。当日審査員をされていたので各箱を廻っていらした。
あれ?<わめぞ>の方とは思えぬ女性が向井さんの横に。でも、どこかでお顔は拝見したことがあるような…。
「ハルミンさんです」と向井さん。一瞬頭が真っ白になる。お目にかかった時にわからなかった自分が恥ずかしい。素人丸出し(汗)。
浅生ハルミンさんは、最近創刊された『Witchenkare(ウィッチンケア)』VOL..1に、初の小説「文化祭」を寄稿されています。そのリトルプレスを編集した多田洋一さんが、私の高校友人の友人。そんなご縁があったので、ご紹介いただけたのだと思います。
『Witchenkare(ウィッチンケア)』のことを少しお話しさせていただく。まだ全部は読み切っておらず、恐縮してしまう。初めてお話させていただきましたが、チャーミングで素敵な方でした。ファンが多いのも当然ですね。

その間、瀬戸さん作成の本ドラックに前々からいたく関心を寄せている店主・とみきちは、「本ドラ」や今後の作品などについていろいろお話を聞かせていただいたようだ。
ハルミンさんに続くサプライズ。なんと、瀬戸さんに本をお買い上げいただいてしまった。
実店舗を経営されている古書店の方に購入いただくのは初めてのこと。しかもあの有名な「古書往来座」の瀬戸さん。俄には信じられず、正直緊張しました。
開店から3時間過ぎたのに、その本は売れ残りのようにひっそり箱の下の方にありました。もしそうでなかったら、一般のお客様への配慮から手にしていただけなかったのではないかと、私は勝手に思っています。実際値下げしていたにも拘わらず、残っていたからです。どこにでもあるような本ではありません。しかし、容易には手を出しにくい本でもありました。今回特に思い入れの強い本だったので、瀬戸さんに引き取ってもらえ喜びもひとしお。
なのに…。

とみきちがその瀬戸さんに向かって、輪ゴムを飛ばしてしまう。
すかさず、「狙いましたね(笑)」と向井さん。
滅相もない。わざわざ瀬戸さんに輪ゴムを拾っていただく。すみません(汗)。

少し離れたところに立っていらっしゃった武藤(良子)さんに、「今日は飲んでいないんですか?」と尋ねると、「なわけないじゃん」。そうだよなぁ(笑)。数歩下がったところにいらした薄田さんは、向井さん、瀬戸さんのSPのようでした。
向井さん、暑さもあって既にお疲れのご様子。市田邸へのあの急坂、大丈夫だったのだろうか。

14:30頃。
細い路地を曲がり、こちらへ歩いて来られる女性の姿が視界に入る。
「比佐子さんだ!!」と、とみきちと二人、声にならない声を挙げてしまう。
体調がすぐれないご様子を直前のブログでうかがっていたので、信じられない思いでした。
黒岩比佐子さん、高名なノンフィクションライター。
古本市で少しずつお話しさせていただくようになり、憧れの方になっていました。
その後、私の一学年、とみきちの三学年上の高校の先輩と知ってから、失礼ながら勝手に親近感を抱いてしまい、黒岩さんの存在は私たちの中でさらに大きなものになっています。

初めて高校の話をさせていただく。同じ空気を吸っていたとも言えるので、ちょっとしたことでも通じるものがあって嬉しい。
とみきちがブログに書いた『音のない記憶』の感想には、過分な言葉を頂戴する。ふと横を見ると、とみきちの目が潤んでいるような。

6月に刊行される『古書の森逍遥』(工作舎)のこと、それに伴って東京古書会館で催されるイベントのことも伺う。黒岩さんの蔵書が展示されるとのこと。何としても時間をつくって見てみたい。
堺利彦について書かれている本は、年内には出せそうと聞き、期待が膨らむ。
昨年の春の一箱古本市で、黒岩さんに『堺利彦伝』(中公文庫)を購入いただいたことを思い出していました。あれも何かのご縁だったのだろうか。

お会いできたことが嬉しくて、10分近くお引き留めしてしまいました。
お疲れのところ申し訳ありません。

黒岩さんがお見えになっている間、不思議なことにパタっとお客様の流れが途絶えていました。いや、ひょっとすると、私たちが他のことに全く意識が向かなかっただけなのかもしれません。
実際、自分たちが「一箱古本市」に出ていることすら忘れていました。

暑い日差しを防ぐ、パラソルがあればよかったのですが…。
またお目にかかれるのを楽しみにしております。

ここからは時系列にそっていません。

先月のみちくさ市に続き、<つん堂>さんにご来店いただく。ほんのわずかであっても、<つん堂>さんと静かに本の話のできる時間が好きです。昨春の一箱初日、客として廻った際、<つん堂>さんの箱に惹かれ、お話しさせていただいてからもう一年になるのか…。
■結城信一『空の細道』(河出書房新社)、■井上光晴『眼の皮膚 遊園地にて』(講談社文芸文庫)など3冊購入いただく。今時井上光晴はどうかなぁと思っていたので、引き取っていただけたのは嬉しい。<つん堂>さんは「古書ほうろう」の常連さんらしいと、最近知りました。(ご本人から聞いたのではないのですが)そうだろうなぁと納得。

一箱初参加の一昨年秋、お隣同士。以来親しくさせていただいている<もす文庫>のmasubonさんが来てくれました。(当日は「往来堂書店」さん前に出店) お会いできるのは「一箱」での年2回しかないだけに、嬉しい。いつも思い入れの強い、こだわりの本を厳選して出しているところがいいなぁ。飼っていらっしゃるかわいい猫・ピピさんのブロマイドと、手書(描)きのイラスト入り名刺を頂戴する。過去最高の売上げだったご様子。遠くから来た甲斐があってよかったですね。
masubonさんには瀬尾まい子の文庫本を購入いただく。

昨秋、(互いに)正式の助っ人としてではなく、一箱のお手伝いの際知り合った<野ぎく堂>さんにご来店いただく。山田詠美が絶賛していた■ヤン・ウォルカーズ『赤い髪の女』(角川文庫)を購入いただく。というか、押しつけてしまった感あり。すみません(汗)。
田辺聖子の作品についていろいろお話ができて楽しかったです。

<朝霞書林>さんご来店。■野口冨士男『わが荷風』(講談社文芸文庫)ほか3冊購入頂いただけではなく、「4時までがんばってください」と声をかけていただいた。

後日、5月2日(一箱二日目)、私がコシヅカハムで助っ人をした際<朝霞書林>さんが出店されていたのだけれど、品揃えのみならず、本を補充されるタイミング、選択、入れる場所など、緻密さと手際の良さに見入ってしまいました。

初参加以来親しくしている<あり小屋>さんが来てくれました。お嬢様の具合が悪く、お一人で。
■『千年紀のベスト100作品を選ぶ』(光文社知恵の森文庫)を購入いただく。
<あり小屋>さんも5月2日にはコシヅカハムに出店されたのですが、開店前の箱を見て思わず「勘弁して。目の毒」と漏らしてしまう。自分が出店者でも助っ人でも、知り合いでもなかったら、(既に持っている本も含め)10冊はいきなり買ってしまっただろうなぁ。過去最高の売上げにも納得。

■吉田秀和『LP300選』(新潮文庫)を購入された男性から、「わかります?高校同期の…」と問いかけられる。来て頂いた時にはわからなかったが、その質問でYさんだとわかった。在校中は一度も話をしたことはなかったのですが、お顔はなんとなく(すみません)。
先に来てくれたやはり同期の方が、このイベントのことをYさんにも紹介してくれたのを聞いていたのが助けとなりました。お薦めの1冊を購入してもらえ嬉しい。

モノンクルさん好みの本は<とみきち屋>にはないのだけれど、古本市会場に足を運ばれたときには毎回お顔を見せていただけるのが嬉しい。5月16日の「みちくさ市」では同じ場所に出店できるので楽しみ。今回は<モノンクルブックス>ではなく<I HATE BOOKS>さんという屋号です。

これから助っ人という<たけうま書房>さんご夫妻、助っ人を終えられた<オヤジ書房新社>のTさんご夫妻に声をかけていただく。
<たけうま書房>さんは5月2日に「ブックマークナゴヤ賞」を受賞。おめでとうございます。当日会場にいて、私たちまで嬉しくなってしまいました。

初参加の時、同じ会場(宗善寺)だった野宿野郎さんとも久しぶりにお話できた。おからだ大事になさってください。

古本市に参加するようになってから知り合えて、言葉を交わせる方がどんどん増えていくのは、嬉しいものです。

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「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」 エピソード〔1〕

今回は、少しばかりやわらかく書かせていただきます。そのつど御礼の言葉は差し挟みませんが、「ありがとうございました」の気持ちを込めて書きますので、どうかご容赦ください。
それでは「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」エピソード集始めます。

4月29日午前11時開始直前。雨がぽつりぽつりと落ちてくる。箱を「COUZT CAFE 藍い月」さんの店内に避難させる。入り口付近はごった返し、キッチンへの道を塞いでしまう形になってしまったが、大家さんにはあたたかく見守っていただく。
アンティークな家具で飾られた素敵な店内に、<とみきち屋>の箱は使い古しの段ボール箱の中にひしゃげた煎餅缶を積んでいるため、あまりにも違和感がある。

11時10分頃。年輩の落ち着いた雰囲気のご夫妻が店内に。邪魔にならぬよう店主は後ろから見ているしかない。「あれっ?」という感じでナボコフの本を手にされ、じっくり読まれる。時折ほかの箱をご覧になっていた奥様が近づいてくると、小さな声で言葉を交わされ。箱に戻されなかったので、どうやら買っていただけそう。ほっとする。次に手にとられたのが、マンスール。こちらもじっくりと。結局2冊購入頂く。
■ナボコフ『世界の文学8 キング、クイーンそしてジャック 断頭台への招待』(集英社)
■ジョイス・マンスール『充ち足りた死者たち』(白水社)

何度古本市に出ても、最初の1冊を引き取っていただくまではドキドキもの。まして今回は、雨のスタート。嬉しかった。

11時20分。昨年、ナンダロウ(南陀楼綾繁)さんと津野海太郎さんとのトークを聞きに行った際、会場で「ブログ読んでますよ」と声をかけていただいた方が、店内に入って来られる。
いきなり■高野澄『風狂の人 辻潤』(人文書院)を手に取り、しっかり握られている。出品本紹介のブログを見ていただいたのかな…。当日出品した本の中では(6冊セット本を除くと)2番目に高額の本を購入頂く。そして、ようやく外へ箱を移動。
しばらくほかの箱をご覧になってから、また当店へ。全くと言っていいくらい他にお客様が来ないので、ウェッジ文庫の話などをのんびりと。「なかなか見つけられないんだよ」とお客様。今後刊行しないことが伝えられているので、大型書店を除くと、見つけにくくなっているのかもしれないな。ということもあって、■内田魯庵『貘の下』、■室生犀星『庭をつくる人』(いずれもウェッジ文庫)2冊を追加購入頂く。

相変わらず人がいない。いや~、こんな「一箱古本市」参加4回目にして初めて。
11時30分。暗~くなっているところへ、お仕事前だというYさんが。毎回そうだが、Yさんの笑顔を拝見すると嬉しくなってしまう。「今日は本気で買いますよ~」「そんなそんな。来て頂いただけで嬉しいですよ。ほら、今日はこんな感じだから」「ほんと人少ないですねえ」。箱の前にはYさんお一人。

なんでなんでと思ってしまう本を手にされる。■笠井潔『テロルの現象学』(ちくま学芸文庫)
「これ、単行本で出た時気になっていて」
「ああ、赤いのですね」
「その後文庫になったでしょ。買おうかなと思っているうちに、新刊書店では買えなくなっちゃって」
「でもYさん、思想系はもうひとつとおっしゃってましたよね」
「そう。でもこれは読んでみようと思って」
しばし笠井潔の話。「いつか特集やりたいんです。でもその時は、笠井潔ダメなとみきちが出てくれそうにないので、風太郎文庫とかになっているかもしれません(笑)」と伝えたりする。

「しまった!先週買っちゃいましたよ。平凡社ライブラリー版」と、『詩人たち-ユリイカ抄-』(伊達得夫・日本エディタースクール)を手にされる。
「すみませ~ん、タイミング悪くて。山川方夫の時もそうでしたね」
それからまた箱をご覧になり、
「これこれ。ないんだよねえ(新刊)書店に」と満面の笑顔。
以前、工藤庸子『プルーストからコレットへ』(中公新書)を喜んで引き取っていただいたことが頭の片隅に残っていたので、Yさんがタイミングよくご来店され(来て頂いたとしても売れてしまっていることだってある)、持っていなかったらと思い、紛れ込ませておいた。■コレット『私の修業時代』(ちくま文庫)。

続いて■ナボコフ『ベンドシニスター』(サンリオ文庫)、■荒川洋治『詩とことば』(岩波書店)を購入いただく。
「仕事が早めに切り上げられたらまた来ますね」と言って去って行かれるYさんをお見送り。(午後に、ほんとうにまた来て頂いた)

こういうやりとりが楽しくて楽しくて。時は既に11時40分。もう今日は、これだけでも十分かなあと思っていた。

12時少し前、jindongさんが。あれ?今日は出張で来れないと、以前コメントいただいていたのに。
アイスランドの火山噴火の影響で出張がとりやめになったとのこと。
「『虹滅記』読んだら、これを読まないわけにいかないでしょう」と、同じ作者■足立巻一『やちまた 上・下』(朝日文庫)を購入いただく。実は今回、『虹滅記』と『やちまた』どちらを出そうか(2回目)と迷った末、『やちまた』にした。偶然とはいえ、よかったなあ。わざわざお越し頂き嬉しく思いました。

ここから、事態は一変。それまでは何だったんだと思えるくらい、大勢のお客様が一気に押し寄せてきた。人通りの少ない場所だったから、一箱目当ての方としか思えない。他の会場から続々と足を運ばれて来る。恐るべき「一箱古本市」の知名度、浸透度。そして谷根千という街の底力。
朝の雨はどこへやら。夏のような熱い日差しが照りつける。

昨年の秋の一箱で開店後一番に本を購入いただき(その前にも何度か購入頂いている)、お名前をうかがったお客様がご来店。
「あっ、dozoさんだ! ん?なに???」
礼服姿で片手には本を数冊握っていらっしゃる。
「これから結婚式なのですが、少し時間があったものだから」
「ダメじゃないですか~(笑)」と、とみきち。
結婚式に出られる前に一箱来る方を初めて拝見。でも、嬉しいなあ。来てもらえて。

■『ちくま日本文学全集 木山捷平』(筑摩書房・文庫版)と■『八木重吉全詩集1・2』(ちくま文庫)をご購入頂く。(12時15分頃だったか)
今まで詩に関する本をほとんど出品しなかったのは、いずれある程度まとめてと思っていたから。でも今回は特別に。ほんとうは三好達治関連でいいものがあればよかったのだが、蔵書にはなくこれにする。もし、dozoさんが早めに来られたら、見てもらえるかもと期待していたので思わず「やった!」。何を言っているのかわかりませんよね。すみません、独り言です。

紙袋をお渡ししようとしたら、ポケットから折り畳んでいたトートバッグを取り出される。
う~ん、さすが。うちでお買い上げ後しばらく経って、会場内にいたdozoさんを見かけた店主のとみきちが、「まだいたんですか~!(笑)」。すみません、いつもこんな感じで。式に遅れたりしたらたいへんと心配する気持ちの表現なんです、あれでも。

女性のお客様にお買い上げいただくことが極端に少ない当店だけに、手にされる本が気になってならない。まして思想系となると…。ところが今回思いもかけぬ女性のお客様が。

なんと■ドゥルーズ・ガタリ『アンチ・オイディプス 上・下』(河出文庫)を手にされている。読んではいるもののほとんど理解しておらず、<いろいろ訊かれたらどうしよう…>と思っていたら、「これ読みました?」。うわ~(汗)。「ええ、単行本で。でも、読んだというだけで2割理解できたかどうかなんです」と正直にお答えする。それがよかったのか、少しお話しさせていただき、■佐々木毅『プラトンの呪縛』(講談社学術文庫)、■トーマス・マン『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』、■チェーホフ『チェーホフの手帖』(いずれも新潮文庫・復刻版)計4冊購入頂く。M・Yさん、またお越しください。お待ちしております。

このお客様と同じ時間帯にご来店していたN・Yさん。お目にかかるのは初めて(記憶に間違いがなければ)。
手に取られる本がこちらにピ~ンと伝わってくる。中でも、■富士川義之『ナボコフ万華鏡』(芳賀書店)を何度か手に取られては箱に戻され。当日<とみきち屋>一番の高額本。特集を除いては、看板のひとつのつもりで出品。<この方に渡ったらいいな>と思い、失礼ながら、「とっても気になるご様子なので、○○円にさせていただきますが、いかがですか?」と声をかける。値引きと言ってもわずか200円。考えようによってはサービスとは言えない。なのに、
「えっ、いいんですか」と喜んでいただく。それから10分近くお話しさせて頂いただろうか。好きな本の傾向が似ているので楽しい。ナボコフの『青白い炎』(ちくま文庫)を探していらっしゃると聞き、「去年の春出品して、福岡から来られたお客様に購入頂いたんです…」とお話する。人に貸したらそのまま返って来なかったとのことで、とても残念そう。昨春900円くらいで出品した。アマゾンあたりでは今や7000円以上すると聞いて驚く。<そんな値段、おかしい。買えないよ、それじゃ>と素人の私は感じてしまう。容易に見つけられる代物とは思えないが、頭の片隅に記しておこう。

最終的に、上記『ナボコフ万華鏡』ほか、
■ジュリアン・グラック『シルトの岸辺』(ちくま文庫)
■ゲーテ『親和力』(講談社文芸文庫)
■マルケス『族長の秋』(集英社文庫)
■中島敦『斗南先生 南島譚』(講談社文芸文庫)など計7冊ご購入いただく。

この方とは5月2日に私が助っ人をしている時に再会してびっくり。

ずっと待っていただいていた高校同期の方々と。女性4人、根津神社のつつじ祭を見終えた後、足を運んでもらう。3月のみちくさ市にお一人で来てくれたYさんのお誘いで。
Sさんは昨年末の同窓会で30年振りにお会いしていた。MさんAさんもやはり30年振り。お二人は2年の時同じクラスで、試験前にはいつもノートを借りるなどお世話になったなぁ。
ゆっくりお話したいと思ったものの、この時間帯まさにピーク。別のお客様への応対もあり、話が途切れ途切れになってしまう。せっかく来て頂いたのにすみませんでした。
補充本の選定、取り出しに夢中で、記念撮影の体勢に入っていたことに気付ないでいると、Mさんに「後ろばかり見ていないで、こっち向いて~!」と怒られてしまった(笑)
後に見せてもらった写真を見て愕然。誰だ、この巨大な男は…。腹出過ぎ(汗)。
みなさん、お会いできて嬉しかったです。

同窓生という枠を超え、既にうちのお得意さまとも言える本好きのYさんには7冊も購入いただく。
■高橋源一郎・山田詠美『顰蹙文学カフェ』(講談社)
■立川談志『現代落語論 笑わないでください』(三一新書)
■深沢七郎『言わなければよかったのに日記』(中公文庫)ほか

立川談志は意外だったので尋ねてみたら、ご主人が大の落語ファンとのこと。お土産として持ち帰ったら、とても喜ばれたとか。よかったぁ。またいつかYさんには<とみきち屋>に来ていただけるかもしれない。ご主人から「是非行ってらっしゃい」というような感じで(笑)。あっ、でも落語関連本、ほとんど持っていないな…。

12時40分頃。店の方をほとんど店主・とみきちに任せっきりだったので、少し腰据えなければと思い、箱の具合を見る。<どうしたんだ、これは……>。500円以上の値付けをした本、それ以下の値段でもけっこう思い入れの強い本がごそっと無くなっている。
「何があったの?まとめ買い?」
「うん、Hさん」
「いらっしゃってたんだ」
「そう。もうあと残っているのは市田邸1箇所だって。ここまでの所要時間1時間半なんてすごいよね」(とみきちはスタンプの押された用紙を見せてもらっていた)

もう何度もこのブログで書かせて頂いているHさん。これまで何冊当店から買っていただいたことか。選ぶスピード、選ぶ本が半端ではない。値段もほとんどご覧にならない。これまで「一箱古本市」3回、「みちくさ市」6回参加しているが、お見えにならなかったのは1回のみ。それ以外は毎回購入いただいているので、<とみきち屋>ならこの本はこれぐらいの値付けと思って頂いているのだろうか…。今もってわからない。
「何だかカタカナの著者名が多かったよ。それと、『マラルメセット買わせていただきましたよ』って」
手にとられた本を積む場所がないのでとみきちが袋をお渡しすると、そこにどんどん本を入れていかれたらしい。
私が他のお客様との話していたこともあってか、「また戻って来ますから精算しておいてください。あと、補充本があるなら入れておいて」とおっしゃって、市田邸に向かわれてしまった(らしい)。いつものごとく、既に他店で買われた本でぎっちり詰まった袋はとみきちがお預かりして置いた。

<マラルメ論セット>
■ブランショ『マラルメ論』(筑摩叢書)
■サルトル『マラルメ論』(ちくま学芸文庫)

■ホフマン『牡猫ムルの人生観 上・下』(角川文庫)
■リラダン『未来のイヴ 上・下』(岩波文庫)
■リルケ『フィレンツェだより』(ちくま文庫)
■バシュラール『新しい科学的精神』(ちくま学芸文庫)
■バタイユ『エロティシズム』(ちくま学芸文庫)
■高村光太郎『芸術論集 緑色の太陽』(岩波文庫)
■後藤明生『笑いの方法』(福武文庫)
■平井呈一『真夜中の檻』(創元推理文庫)
■稲垣足穂『弥勒』(ちくま文庫)
■田川建三『宗教とは何か 上・下』(洋泉社MC新書)ほか計22冊

精算を申しつかっていたものの、お戻りになられた時に「○○○○円になります」なんて、失礼に思われ、そのままお待ちする。
小一時間ほどで帰って来られたので、御礼を述べる。
「Hさんに命名いただいた<とみきち屋>強引セットまでお買い上げいただき、ありがとうございます」
「マラルメなら何だってありですよ」と笑顔でHさん。
それからまた、箱をご覧になり、
■安藤忠雄『建築家 安藤忠雄』(新潮社)
■鷲田清一『「待つ」ということ』(角川選書)
■河野多恵子『骨の肉』(講談社文庫)
■岡田温司『マグダラのマリヤ』(中公新書)
の4冊を追加で購入いただく。これで合計26冊。
当店最終売上額の25%、売上げ冊数の18%をHさんお一人で占めていたことが後に判る。

昨年初めて参加した秋の「一箱古本市」で本を買っていただき、その際言葉を交わさせていただいてから一年半。この方の謎は深まる一方。
以前購入された本を見せていただいたことがあるのですが、かわいい絵本とか、Hさんからすればさして珍しいとは思われない雑誌なども買われているのです。

プロの方から、謎の一端をうかがったことはあるのです。
でも、素人の理解を超えています。
だから<とみきち屋>は<とみきち屋>のまま変わらずに、どこまでも素人の一日だけの古本屋として、これからもHさんと接しさせていただくつもりでいます。
毎回お一人ですべてのお店を廻り、4袋もの重い本を持って去って行かれるうしろ姿に、「Hさ~ん、いつもありがとうございます」と心の中でお声をかけるのを忘れることなく。

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「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」(初日)を終えて

今回もまた多くの方との出逢いがあり、様々な出来事がありました。
かくも濃密で豊潤な一日を授けていただいたことにどんな言葉が値するのか、悩んでしまいます。
「第10回一箱古本市」の物語は、私の中ではまだ終わっていません。明日5月2日には助っ人として、また、一人の客として関わっていくからです。

前置きが長くなってしまいました。

実行委員、助っ人の皆さま。快く場所を提供してくださった大家さん。そして、会場及び<とみきち屋>に足をお運びくださった多くの方々に心より御礼申し上げます。
また、同じ場所に出店した店主さん。お越しいただいた友人・知人のみなさま。ほんとうにありがとうございました。

今回初めて大家さんになっていただいた「COUZT CAFE 藍い月」さんにはお世話になりました。
スタッフの方々にはあたたかい対応をしていただきました。
開始するや否や雨。並べたばかりの箱の数々が素敵な店内の入り口付近を占領してしまいました。「何も敷かなくていいですよ」「開店は11時半ですから」と声をかけていただき、今日はこれからどうなるのだろうという不安を抱いていた私たちに、どんなに心強かったことか。

何とか外に箱を出せるようになった後も、雲の動きが不安定で、まだ雨のことが心配でした。
そうなると補充本の詰まった大きな段ボールは<とみきち屋>にとって多くの点で重荷になっていました。また降り始めたら、メインの箱を運び入れる間に雨の餌食になってしまいますし、天気の状況によっては重い箱を何度も店内の片隅に避難させなければならないからです。
すると、最初に避難させるときの様子を見ていたスタッフのSさんが「たいへんでしょ。少しくらい店内に置いてもおいてもかまいませんよ」と、声をかけてくださったのです。補充本を入れてある箱ですから、本来ならビニールシートをかぶせ外に置かねばならないのですが、お言葉に甘えさせていただきました。
カムフラージュ用に毛布までかけてくださいました。こういう心配りはほんとうに心に沁みます。
その後も一日、気持ちよく過ごさせていただきました。
大家さんでもあるCOUZT CAFE さんは<nobnob books>として輸入本を出品されていました。オーナーのKさんからはいろいろお心遣いいただきました。
今回5回目の参加となる<箸休め>さん。店内に箱を運び入れる際、本をボロボロ落とし、危うく崩れそうになるところ、助けていただきました。
以前「みちくさ市」でお隣同士だった<文庫善哉>さん。また、ご一緒に楽しく過ごさせていただきました。散歩をテーマにされた、美しい箱に惹かれました。ちらっと一部が見えた本の中には、『深夜の散歩―ミステリの愉しみ』、『猫は深夜に散歩する』、『目まいのする散歩』などもあったような。

これまで3回続けて出店してきた「一箱古本市」の中でも、こんなことはなかったというくらい最初の30分ほどお客様が少なく、妻のとみきちと「今日はダメかもね…」と言葉を交わしていたところ、<文庫善哉>さんが、「信じられない。史上最悪の一箱になるかも…」と漏らされ、同じような気持ちでいらっしゃるのだなと感じました。その途端、「もうなるようになれ」と開き直っていました。

いきなり雨がポツポツと落ちて来たことが大きな要因ではなかったのです。市田邸と根津教会の間にあったことを冷静に考える余裕がなかったのです。
自分が一般客なら、そのいずれかの会場から廻り始めるに違いないのです。しかも、それぞれから(わたしたちの出店場所まで)ある程度距離もあります。
じっくり本を見られるお客様であればこちらにお出でいただくまで40分は要されるのではないでしょうか。
「一箱」の、そして「谷根千」の圧倒的な力をいっ時とはいえ、失念してしまうとは。

店内に避難している間にお買い上げいただいたお客様もいらっしゃいました。
あの方たちがいらっしゃらなかったら、帰り支度を始めていたかも知れません(笑)

お昼にならんかとする頃。熱い日差しの中、大勢のお客様が押し寄せて来ました。
それからほとんど途絶えることなく、口にしたのは飲み物だけ。トイレにも行かず。
その時間がなかったわけではないのですが、店を離れた時に知っている方が来られたら…という思いが、今まで以上に強かったこともありました。
気がつくと、あっという間に午後4時の終了時間を迎えていました。
出だしとその後がこれほど違った「一箱古本市」は初めてのことです。
こんなにも「一箱」は浸透しているのかと実感できました。

恒例のエピソード集はこれからゆっくり書いていきます。いつも以上に長く時間がかかると思います。5月16日に参加する「みちくさ市」出品本ご紹介までには終わらせないといけませんね(笑)

<モンガ堂>さんが、さっそく今回の「一箱古本市」リンク集をつくり始めていらっしゃいます。いつもありがとうございます。
こちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20100430/p1

29日のプレゼンターでもあった<古本屋ツアー・イン・ジャパン>さんが、29日初日のレポートを書かれています。
こちら→ http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/9381886.html 

店の前ではメモもとらずに、どうしてあれだけのことが頭に入り、書けるのか、不思議です。「超人」としか思えません。
わたくしども<とみきち屋>のことも書かれています。
「古本バカ」と呼ばれたのは初めてのこと。光栄です(笑)

■伊達得夫『詩人たちーユリイカ抄ー』(日本エディタースクール出版)
■来嶋靖生『岩本素白随筆集 東海道品川宿』(ウェッジ文庫)
を購入いただきました。ありがとうございます。

後者は当日朝追加で持っていったので、お客様閲覧用出品本リストには載せていませんでした。
購入いただいた時、私はほかのお客様と横を向いて話していたので、全く見ていませんでした。しかし、書名を挙げていただいたので、妻のとみきちが、どんな方だったか思い出しました。
今度お会いしたら、お話しさせていただかなくとも、たぶんわかると。

明日5月2日(日)
「第10回 不忍ブックストリート 一箱古本市」 http://sbs.yanesen.org/  

2日目開催です。個性豊かな55箱が並びますので、みなさまお誘い合わせの上、是非ご来場ください。

私も微力ながら、助っ人として某出店場所にて、たぶん午後1時半頃まで(未定)お手伝いさせていただく予定です。その後は客として廻ります。また多くの方とお会いできるのを楽しみにしております。

エピソード集は次回から開始いたします。

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