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「第5回みちくさ市」エピソード〔2〕

ミスター一箱古本市ナンダロウ(南陀楼綾繁)さんの姿が視界に入って来た。そのオーラ、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を出版されて以降ますます強くなっているような。「あっ、ナンダロウさんだ!」と、何だか嬉しくなってしまう。
「ふ~ん、今回はこんな感じね」と、<とみきち屋>の出品本は軽くスルー(笑)。3月13日・14日に開催された「ブックマークイヌヤマ」のイベントガイドマップを頂戴する。

午後遅め、岡崎武志さんの「岡崎武志堂」に伺い、栗本慎一郎『光の都市 闇の都市』(青土社)をいただく。『パンツをはいたサル』(光文社・カッパサイエンス)が爆発的に売れたのはもう30年近く前のこと。今は読者もほとんどいないのだろうな…。昔読んだ栗本慎一郎の本、大半売ってしまったが最近何故かまた読みたくなって、主要なものは少しずつ買い戻している。

恒例の古本おみくじは中吉。話題沸騰『スムース13号 まるごと一冊晶文社特集』の売れ行きはもうひとつと伺う。「古本好きのほとんどの方は既に購入されているのではないですか」「素晴らしい内容でしたね」と感じたことをお伝えする。1575円(税込み)は決して高くなんかないですよ!それだけ充実しています。
岡崎さんの「岡崎武志堂」は、一箱古本市・5月2日「古書ほうろう」に出店されます。

現在(出版に向け)黒岩比佐子さんの本を手がけられているお隣の<くちびるごう>さんに、状況を伺う。出版の際にはイベントも催されるとのこと。いつもにこやかな<くちびるごう>さんだが、その話をする時はいきなり工作舎Iさんのお顔に。頼もしい限り。黒岩さんの新刊、多くの方が待ち望んでいます。

暢気文庫さんからは須賀敦子『トリエステの坂道』(新潮文庫)をいただく。いつかどこかで須賀敦子特集をしたいと思って、少しずつ集めています。雑誌の特集号、河出文庫から出ている全集の一部、単行本など現在まだ11冊。須賀さんの本はどれも1冊は持っていたいので、2冊目を手に入れるべく、注意深く探しているのですが、なかなか状態の良い、新しいものを見つけられません。

<どすこいフェスティバル>のKさんTさんご一行にお越しいただく。一箱古本市は5月2日「コシヅカハム」に出店されます。また大きな話題となりそうで楽しみですね。

お二人はT大生協部にお勤め。10年振りに復刊された黒岩比佐子さんの『音のない記憶』(角川ソフィア文庫)を中心に、黒岩さんの本のフェアを企画されました。そのことを知った時、嬉しくてなりませんでした。「いい本をひとりでも多くの方に届けたい」という思いに、胸が熱くなります。
その様子はこちらで紹介されています→ 
http://blog.livedoor.jp/hisako9618/archives/51783306.html

お仲間の強力な推薦で、Tさんには堀江敏幸『河岸忘日抄』(新潮文庫)を購入いただく。読んで損のない、<とみきち屋>もお薦めの本です。

<四谷書房>さん、<たけうま書房>ご夫妻にもお越しいただきました。<四谷書房>さんには笠原和夫ほか2冊、<たけうま書房>の奥様には佐野洋子の単行本を購入いただく。いつもありがとうございます。
一箱古本市、<四谷書房>さんは4月29日「根津教会」、<たけうま書房>さんは5月2日「アートスペース・ゲント」にそれぞれ出店されます。

開店前、私の不在時、駄々猫舎のご主人・ちゅうたさんがお見えになる。熊野大学に参加されたことがきっかけで作られたという、中上健次に関する貴重な同人誌を頂戴しました。また駄々猫さんからは午後に、1月にブック・ダイバーで開催された「女子とふるぽん」寄港市で買いそびれた、アルヴァレズ『自殺論』を頂戴してしまう。かわいい色紙には手書きのコメントが。とても心のこもったもので、じ~んときました。さらに駄々猫さんには、色川武大の文庫を2冊お買い上げいただくなど、恐縮です。
<駄々猫舎>さんは、4月29日一箱古本市に出店。場所は「千駄木の郷」。今回ちゅうたさんが本格参加ということもあって楽しみです。

<北方人>さんは、毎回いい本を安く出されるので、今回も伺った時にはほとんど本がなくなっていました。後にブログを拝見すると110冊以上売れたご様子。初めて3桁達成し、天地がひっくり返ったが如く大騒ぎしている<とみきち屋>とはえらい違いです(笑)
またいい本頂戴しました。中村光夫『今はむかし』(中公文庫)、田中隆吉『日本軍閥暗闘史』(中公文庫・限定復刊)、武藤康史『旧制中学入試問題集』(ちくま文庫)の3冊。
<古書北方人>さん、一箱古本市は4月29日「千駄木の郷」にご出店。

<嫌記箱>の塩山さんのところにお邪魔する。<junglebooks>のYさんがすでにお話しされていた。大手出版社でさえ口絵1枚○○○○円という現状を伺い、「それはいくらなんでもひどい」と思えてくる。塩山さんの<嫌記箱>は、5月2日「花歩」に一箱古本市出店されます。

<書肆紅屋>さん。プレミア500円本を復活させたとのことで、ふつうでさえ信じられないペースで本が出ていくのに、さらにすごい勢いだったみたいですね。午後早めに一度伺った時にはほとんど本がなくなっていました。開店休業状態になるの早すぎます(笑)
でも遅くに、ちゃっかり2冊いただきました。
お隣で出店されていた<晩鮭亭>さんからは、阿部次郎『三太郎の日記』(角川文庫)、田中光二『オリンポスの黄昏』(集英社文庫)の2冊いただく。前者は、<とみきち屋>強引セットにいずれ使わせていただきますねとお断りして。今ストックしてあるのがやや汚れているので、新品に近い美本感謝です。(後者は)「買うのはこれで5冊目になるかな」と言ったら、紅屋さんと晩鮭亭さんに笑われてしまった。
『オリンポスの果実』の作者・田中英光の息子が唯一父親のことを書いた品切れ本なので、ついつい手が伸びてしまうのです。

紅屋さんにいらしていた<ドンベーブックス>ご夫妻にご挨拶。<ドンベーブックス>さんは、一箱古本市、4月29日「ギャラリーKINGYO」に出店されます。

モンガ堂さんにお会いするも、何だかお急ぎのご様子。「こんにちは」のひと言で終わってしまい、お話できずとっても残念。

Pippoさんの<チンチロリン商店>にて、鮎川信夫・吉本隆明『詩の読解』(思潮社)を購入。手元に1冊残っていた気もしたが、2冊あってもいいかなと思って頂戴した。帰宅後確認したらやはり1冊持っていた。ただ、背表紙が日焼けして変色、本来の茶色がなぜかくすんだ緑色に(笑)。どこに何の本があるか、背表紙から捉える視覚的イメージで覚えておくこともあるので、それが一因となって確信が持てなかったようだ。
Pippoさんはハードスケジュールのため、かなりお疲れのご様子。

何がPippoさんを突き動かしているのだろうか。詩への熱い想い、愛情?いや、そんな簡単な言葉では表現し尽くせぬもの。
星のごとく存在する詩の中からこの人が掬いとって、その詩や詩人について書いている文章を読んでいると、不思議なほど心が鎮まり、詩そのものの「命」に触れている気持ちになるのです。
P-Wave( http://pippo-t.jp/ )の中の「今週の詩と詩人」、「ろうどくシアター」に触れてみてください。拙い私の紹介の言葉などより、ダイレクトに伝わるものがあるはずです。

荻原魚雷さんがお見えになる。魚雷さんにお会いするのは随分久しぶりのような。色川武大の文庫本を購入いただく。
今回思っていた以上に売れた深沢七郎、色川武大の本。この二人について書かれた魚雷さんの文章には唸ってしまいました。 (→こちら)。プロの書かれる文章は(当然とはいえ)違いますね。魚雷さんのなんとも言えない味が出ていて素敵です。

毎回のように当店から購入いただいているNEGIさん、声がつぶれていた。「みちくさ市」前の私と同じような症状。その後快復されているといいのですが。退屈男さんもぎっくり腰とかで、かなり辛そうだった。お大事になさってください。
NEGIさんには、河上徹太郎『都築ケ岡から』(講談社文芸文庫)を購入いただく。

青いコートを羽織り、ブルーの自転車に乗って颯爽と現れたモノンクルさんからは、温かいお茶の差し入れを頂戴する。ありがとうございました。
会場を一回りされた後、「サンシャイン大古本まつり」へ向かわれました。
また<モノンクルブックス>さんの素敵な本が見たいです。いつか出店してくださいね。

<JUNGLEBOOKS>さんには、新兵器登場。植物(鉢植え?)を並べる際に使う、雛壇のようなもの。これはすぐれもの。本が見やすいだけでなく、存在感たっぷり。こういうものを思いつくなんて、さすがですねえ。
<JUNGLEBOOKS>さん、一箱古本市は5月2日「TOKYOBIKE no OFFICE」に出店されます。

昨秋の一箱古本市でお世話になった(助っ人さんの)女性にもお越しいただき、村松友視『幸田文のマッチ箱』(河出書房新社)と田中小実昌の文庫を購入いただきました。
ここにも、古本市を通じての繋がりがあり、嬉しく思います。

■『辻潤著作集<第3> 浮浪漫語』(オリオン出版)
■森銑三『明治東京逸聞史2』(東洋文庫)

この2冊はきっと引き取り手が現れるだろうと思っていました。
「一箱古本市」には何度か出店されていて、私もファンの一人である<つん堂>さんのご主人でした。いつもこだわりの渋い本を並べていらっしゃいます。スクリーンからそのまま出てきたのではないかと思われる、素敵なご夫妻。
<つん堂>さんが出される本を見てきて、本の嗜好に共通点があるとに感じられるだけに、「いい本並べてますね」と言っていただけたのは嬉しかったですね。
<つん堂>さん、一箱古本市には参加する予定だったのに、手続きしようと思った時には既に定員に達していたようで、出店できないと聞きました。残念です。

「花結び」となり「個人宅駐車場」にてご一緒に出店させていただいた<くしゃまんべ>さん、<ほにほろ堂>さん、ありがとうございました。楽しかったです。
<くしゃまんべ>さんは実店舗を構えられるご予定と伺いました。演劇・ダンス・大道芸・サーカスなど、「パフォーミング・アート」と呼ぶのでしょうか、そういった類の本のほか面白いものをたくさん並べていらっしゃいました。海外にもご主人自ら買い付けに行かれるとのこと。細かい気配りをされる方で、一日気持ちよく過ごさせていただきました。

久しぶりに参加した古本市でしたが、多くの方々とお会いでき、お話しでき、楽しい一日でした。
改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

<とみきち屋>の結果

冊数 118冊
平均単価 335円

みちくさ市は一箱古本市よりも安く価格設定できる本を選んでいます。今回持っていた本(156冊)の平均単価が326円だったので、平均的に出ていったようです。
私ども<とみきち屋>は「第10回 不忍ブックストリート一箱古本市」、4月29日(木・祝)、「COUZT CAFE 藍い月」さん前に出店します。
みちくさ市に比べ、やや高めの価格設定になりますが、納得していただける本を出品します。
出品本につきましては、当ブログで紹介させていただきます。

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コメント

もす文庫です。こんばんは。
みちくさ市、おつかれさまでした!
詳しいレポート、楽しく読みました。

須賀敦子さん、実は『遠い朝の本たち』一冊しか読んだことがないのです。気になっている作家さんなのですが。いつか特集されるときはじっくり見たいです。

一箱でお会いできるのを楽しみにしています。準備、がんばります。では。

投稿: masubon | 2010年4月 7日 (水曜日) 23:14

>もす文庫(masubon)さま

ご無沙汰しています。
「もす文庫」さんは、一箱古本市、4月29日に、往来堂書店前に出店ですよね。

須賀敦子さんの特集は今回ではありませんが、『コルシア書店の仲間たち』(文春文庫)なら3冊持っていますので、よかったら1冊、お土産がわりに。もちろん売りものではありません(笑)当日持っていきますね。

masubonさんのクラシック音楽を聴いた時の感想、特に面白く読ませていただいてます。
聴き過ぎてやや頭でっかちになっている私には、masubonさん独特の感性で捉えた感想が、とても新鮮に感じられるのです。

お会いできるのを楽しみにしています。

東京も昨日はまた一転して寒くなりました。
そちらはまだ春には遠いかと思います。
おからだ大事にしてくださいね。

投稿: 風太郎 | 2010年4月 8日 (木曜日) 02:27

大変遅くなりましたが、みちくさ市お疲れさまでした&色々とありがとうございました。
詳しいレポート、毎回楽しみに読ませていただいております。一般のお客様にしても古本市関係者の方々にしても、よく覚えておられるなあと感心しきり。

今回の一箱市は、実験的なことをするため(笑)、店主に専念せねばなりません。お伺いできそうになく残念ですが、また詳細レポートを楽しみにしております。

私は一箱前にダイバーとフルーク準備でへろへろ気味です・・・。

投稿: 駄々猫 | 2010年4月12日 (月曜日) 23:34

>駄々猫さん

変わり映えしないレポート読んでいただき、ありがとうございます。
私の読書嗜好が偏っているため、<とみきち屋>のお客様はどうしても幅を拡げられません。その分、気に入って頂いた方は再度お起こしいただくことがありますので、せめて購入していただいた本、できればお顔は覚ようという気持ちで応対しています。記憶力が年々減退していくので、苦労しますが(笑)

駄々猫さんのレポート、毎回楽しく読ませていただいています。
初めてお会いした頃、「他を気にせず、好きなようにやるのが一番」とお節介なことを云ってしまいましたが、間違ったことをお伝えしたとは今も思っていません。
駄々猫さんの記事を読んでいて、そう感じます。

みちくさ市後もイベントの連続で忙しそうですね。
体調崩さないように気をつけてください。

一箱古本市は、互いの出店場所が離れてしまいましたし、なかなか店を離れにくいこともあるので、お会いするのは難しそうですね。
私も駄々猫さんのブログを楽しみにしています。
ちゅうたさんの出品本も早く知りたいなあ。


投稿: 風太郎 | 2010年4月14日 (水曜日) 01:40

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