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プラマイゼロ? 古本購入と怪我

金曜夜、仕事帰り。コートに左手を突っ込み、右手に鞄を持ってぼうっと歩いていたら、段差に気付かず足をとられ、2、3歩つんのめり、立て直そうとしたものの敢えなく撃沈。胸のあたりをコンクリートの路面に激しく打ち付けてしまった。痛みでしばらくまともに呼吸できず。
とっさに首を上げたので、顔だけは強打を免れた。しかし、いきなり上体を反らしたので首も痛い。
転ぶまいとこらえようとしたため、腹筋と腿の裏もつっぱっている。何とも情けない。
帰宅しても痛みはひかず「もしや、この痛みは…」。

この10年ほどで2回肋骨をやっている。1回は疲労骨折。もう1回は畑道を自転車に乗っている最中、よそ見をした瞬間に石に乗りあげ転倒。頭をかばおうとしてからだを投げ出したら、胸を激しく打って、ひびが入った。
軽傷だが、今回もまちがいなくひびが入っている。咳、くしゃみはもちろん、笑った時にも痛みが走る。まいったな。

と、言いながら翌土曜は段ボール3箱、約150冊の本を地元馴染みの古書店へ処分。もうこれ以上箱詰めの本を放置しておけぬ我が家の状況。加えて、春からの古本市に参加するために、妻との約束もあり、もう待ったなし(笑)。
何故なら、本というのは不思議なことに自然増殖してしまうものだからだ。

いつものように査定してもらっている間、店内を隅々まで探索。めぼしいものをいつも置かせてもらう場所に積み上げていく。
私が本を持ち込む前、店主はジャック・アタリ『21世紀の歴史―未来の人類から見た世界』(作品社)を読書中だった。それでアタリの、とりわけ超民主主義について少し話した後に、最近の本の動きなどを聞く。
以下の本を購入。

■絲谷寿雄『増補改訂 大逆事件』(三一選書)
■人類の知的遺産『バクーニン』(講談社)

最近自宅では幸徳秋水、大杉栄、アナーキズム関連の本を手に取ることが多くなってきた。黒岩比佐子さんが、ここらあたりの事を何度か書かれているのを読んだ影響だと思う。

■リルケ『フィレンツェだより』(筑摩書房)
■ジュリアン・グラック『アルゴールの城にて』(白水社)
■深沢七郎『東北の神武たち』(新潮文庫)

いずれも、今後の古本市で考えているテーマを前提に2冊目を購入。リルケはちくま文庫版を。グラックはUブックス版を。深沢七郎は同じ新潮でも、旧版ではなく復刊文庫の方を、それぞれ出品しようかと思っている。

■シュレーディンガー『生命とは何か-物理的にみた生細胞-』 ほか

処分本を持ち込んだ後、車は妻に運転して帰ってもらう。で、一人ぶらぶらと地元ブックオフ経由で帰る。雑誌半額セール実施中。

■文藝別冊『総特集 武田百合子』(河出書房新社)275円
■新潮社100年記念『新潮名作選 百年の文学』53円

2冊ともありがたい。うちは二人とも武田百合子ファンなので、特に前者は嬉しい。

■兵頭正俊『ゴルゴダのことば狩り』(大和書房)105円
昔どこかで見たことのあるタイトルだなと思いながら、パラパラめくっていたら、何と吉本隆明が解説を書いている。そういえば、兵頭は昔、『試行』に寄稿していたような。
■松下竜一『怒りていう、逃亡には非ず 日本赤軍コマンド泉水博の流転』(河出文庫)105円

本日日曜は朝から夕方まで仕事。ひどくはないが、肋骨が痛む。当分湿布のお世話になるな。
仕事を終え、久しぶりに沿線の、おじいちゃんがやっている小さな古本屋さんへ。目立たない店だが、けっこういい本置いている。

驚きました。ついについに念願の2冊目購入。
篠山紀信・中平卓馬『決闘写真論』(朝日文庫)。絶版になって以来ずっと足を使って探し続けてきたが、古書買いエリアの狭い私にはお目にかかる機会が全くなかった。ネットでの相場よりは安かった(ネットで買うつもりは全くなかったが)。でも、値段ではない。見つけられたことが嬉しくてならないのだ。これを古本市に出すかは迷うな。
しばし喜びに浸る。その後、ふっと目を移すと、洲之内徹『気まぐれ美術館』(新潮文庫)。新古書店ではないので半額というわけではないが、これも頂戴する。これで何冊買ったことになるのか。
期待はさらに膨らむ。棚をじっくりゆっくり見ていく。
「どうしてここに…」と思わず絶句。
五味康祐『いい音、いい音楽』(読売新聞社)! 昨秋の一箱古本市で手持ちの中から出品し、喜んで持ち帰っていただいた本だ。1000円でも安い。しかし…。あまりにも汚れが酷い。現在2冊持っているので、この状態ではさすがに追加購入は無理と諦める。
しかし大満足。

帰り、懲りもせず、地元のブックオフを覗く。単行本500円均一セール。こんな時間では何も残っていないだろうと、冷やかし半分で棚を眺める。けっこう隙間ができている。朝から大量買いの跡がくっきり。ところが。
いやあ、残っているものですね。運がよかったというのか。

■田中美代子『三島由紀夫 神の影法師』(新潮社) 525円

これは『決定版 三島由紀夫全集』(新潮社)月報連載がもとになっている。女性による本格的な三島論はこれまで読んだことはなく、著者は全集の編集委員でもあった。期待大。

ついでに、■木下和寛『メディアは戦争とどうかかわってきたか 日露戦争から対テロ戦争まで』(朝日新聞社) ■臼井吉見『肖像八つ』(筑摩書房)を各105円で購入。

夜、妻に、「肋骨にひび入ったけれど、その分いい本買えて、元とったよ」と得意げに話すと、唖然とされた。変なこと言ったかな?(笑)

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コメント

風太郎様、

思わず反応してしまいました。
肋骨にひび、
寒い季節の怪我は堪えますね、
痛い話です。
疲労も溜まっておられるのでしょう
私も疲労がピークの時には物を落とす事がしばしばあるので、勝手な想像をさせていただきました。
しかし、

>「肋骨にひび入ったけれど、その分いい本買えて、元とったよ」

ん~、深いといいましょうか、うまくまとめたといいましょうか、私もそのような事を言ってしまいそうです。
相方も異議なしといった所のようです。
御身体、御大事にしてくさい。

追伸:最近、なぜか吉本隆明と花田清輝の事が気になってます。

投稿: ちゅうた | 2010年2月22日 (月曜日) 23:55

>ちゅうた様

ご心配いただきありがとうございます。
蹴躓いて肋骨にひびなんて、ほんと情けないです。

動かさないなんて無理なことなので、以前同様、湿布を貼り、力仕事の際にはサポーターして、気長に治していきます。

ちゅうたさん、「羽鳥書店まつり」ではすごい買いっぷりですねえ。このままだと家が傾いてしまうのではないですか(笑)
古本市に出れば、少しは解決できると思います。楽しみにしていますね。

駄々猫さんも異議なしとのこと、嬉しく思います。
妻から「アホ!!」という冷たい視線を浴びましたので(笑)

吉本隆明と花田清輝ですか。何かきっかけがあったのですか?
吉本はずうっと追いかけていますが、花田のほうは、あの二人の論争を知った直後に少し読んだくらいで、再読していません。
花田・吉本論争を勝ち負けの視点で捉えたら、大事なものを見落としてしまうように思えます。
吉本も、現代思想「吉本隆明 肯定の思想」巻頭、高橋順一との対談で「ちょっと力みすぎたかな」と反省していましたよ。
ここは譲れないというところは、曲げていなかったですけどね(笑)

奥様にもよろしくお伝えください。

投稿: 風太郎 | 2010年2月23日 (火曜日) 20:09

sun僕もよく蹈鞴踏むことがよくあります。
お互いに気をつけましょう。
特にアフォーダンスのチューニングがズレ始め、
段差は特にアブナイですw。

>うちは二人とも武田百合子ファンなので、

そうそう、第二便の段ボールをまとめ中です。
暫くお待ち下さい。
武田百合子の「富士日記上・下」の単行本(初版)が棚に残っていました。
花田清輝も、隆明も諸々、重複してもOK!なのでしょう。
一箱古本市に間に合うように送りますよ。

投稿: 葉っぱ64 | 2010年2月24日 (水曜日) 10:12

>葉っぱさん

心身のバランスを崩すと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことってありますよね。幸い大きなケガにはいたらなかったので注意警報と受け取り、気をつけたいと思います。

>そうそう、第二便の段ボールをまとめ中です。

いつもありがとうございます。毎回箱を開けるのが楽しみで楽しみで。知らない世界に触れられるのも嬉しいですし、たまに持っている本が入っているのも、「ああ、同じ本を読まれているんだな」と、違った意味で嬉しくなります。

武田百合子の「富士日記」、上下2巻の単行本は見たことがありません。もし頂戴できるのであれば、我が家の中では数少ないガラス附き本棚に鎮座させます*^-^)

古本市に出品させていただくことも快諾いただいているので、重複も大歓迎です。葉っぱさんからいただいた中から選んで出した本は、皆さん喜んで持ち帰られます。

東京では春一番が吹きました。しかし、まだ寒のもどりがありそうです。
お身体、大事になさってください。

投稿: 風太郎 | 2010年2月25日 (木曜日) 23:56

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