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南陀楼綾繁『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書) 一人一人の古本物語

ナンダロウ(南陀楼綾繁)さんの新刊『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を2回続けて読んだ。どういうかたちで感想を書こうかと迷った末、bk1に書評を投稿。初めてのことである。

もう何年も前になるが、妻のとみきちがよく投稿しており、いつのまにか「書評の鉄人」とかになっていた。書評の鉄人たちによる本も出た。私の知っている方では、葉っぱさんソネアキラさんの書評も掲載されている。
そんなこともあったので、bk1にした。字数3000字まで可という条件も助かった。

少し悩んだ。とみきち屋のことを知っている方からすれば、著者との距離が近いと感じるはず。
でも書いた。一箱古本市の存在を知らない方にも是非読んでもらいたいと思ったから。
そのため、8割方第三者的な目で感想を寄せた。

本好きにはたまらない、素敵な本だと思う。
自分の知らない多くのイベントのことが手にとるように伝わってきた。

何より、ナンダロウさんの半端じゃない情熱と底力を感じた。
私が今さら言うまでもないが、その編集力たるや、プロ中のプロのものと感服。
また、各イベントの問題点にもきっちり触れているところが、偏っておらず、共感を覚えてならなかった。

無償で全国を駆け回り、多くの本好きが思いっきり楽しめるイベントを広めてくださったことには、一箱古本市参加者の一人として御礼の言葉あるのみ。
もちろん、一箱古本市を含め、多くのイベントを支えてくださっている皆様にも。
ありがとうございます。

『積んでは崩し』(けものみち文庫1)のなかの「本をナメルナ!」を読んだとき、この人はホンモノだなと思えた。
ある雑誌に触れ、<なんだか知的おしゃれなアイテムとしての抽象的な「本」しかでてこないのだ。くそっ、本をナメルナ!読者をナメルナ!>と憤慨。自分なら<そこにある「本」の物語を読者に感じてもらえる紹介を試みるつもりです。>と結んでいる。

「本」の物語をさらに「人」「イベント」に広げたのが『一箱古本市の歩きかた』であり、これまでナンダロウさんが信念をもってやってこられたことが結実していると思えてならない。

拙いものですが、私が書いたbk1の書評の一部をそのまま紹介します。

鳥取県米子市での「一箱古本市」を扱った章で紹介されているエピソードがとりわけ心に残った。
演劇、映画関連の本、戦前のグラフ雑誌の合本などイイ本を出していた母娘。実は四年前に亡くなった息子さんの本であった。参加する数日前からそれらの本をめくっては、息子さんを思いだしていたという。「演劇をやっていたこともあり、本が好きな子でした。処分するのがしのびなくて取って置いたんですが、こういう機会に本好きの人の手に渡ればいいと思って」。
その母親の言葉を受けとめ、著者はこう語っている。「本と人をつなぐ場所があれば、一箱古本市はドコでもできる」。
ここに、著者のみならず、本を愛する多くの人々の思いが集約されていると言ったら大げさだろうか。
本を愛する人「一人一人の古本物語」であふれている素敵な書。

書評そのものはこちらです→ http://www.bk1.jp/review/479740

ナンダロウさんは、記事を書かれた方のふだんの仕事はきちんと評価し、「この記事だけはいただけなかった」と書いている。こういうところが、いいなあ。

巻末の■全国ブックイベント年表作成に協力された「空想書店 書肆紅屋」さん、「退屈男と本と街」の退屈男さん、お疲れさまでした。この8年間の動きが一望でき、とても参考になりました。

さっそく『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)に関するリンク集をつくっていただいた「モンガ堂」さん、ありがとうございます。楽しく読ませていただいています。

リンク集 こちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20091120

ナンダロウさん年内のイベントが光文社のHPに掲載されています。
「南陀楼綾繁トークツアー2009」 こちら→ http://www.kobunsha.com/special/hitohako/

我が家では3冊目を購入。86歳になったばかりの母に渡す。目の前でパラパラと読み始め、「楽しそうだねえ」と笑っていた。高齢で足が悪く、通院以外にはほとんど外出できないが、10年前だったらきっと行きたい!と言ったことだろう。

23日(月・祝)は「みちくさ市」ですね。
午前中の仕事を終えたら、行きたいと思っています。

『第4回 鬼子母神通り みちくさ市』

■開催日
2009年11月23日(月・祝日) 10:00頃~16:00
雨天の場合、28日(土)に順延(この日が雨の場合は中止)

■会場
雑司が谷・鬼子母神通り
東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
Google地図 >> http://tinyurl.com/6xmc4y
主催/鬼子母神通り商店睦会  協賛/わめぞ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/
● 当日朝の7:00に天候による開催の有無を決定します。
---------------------------------------------------------------
以下の方法で開催の有無を確認できます。
  
・みちくさ市ブログ http://kmstreet.exblog.jp/
・みちくさ市携帯サイト http://mblog.excite.co.jp/user/kmstreet/
・わめぞブログ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/

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コメント

風太郎さん
昨日は「みちくさ市」でバッタリお会いし、しかも
佐野さん本を伝授していただき感動いたしました!
ありがとうございます。佐野さん本は読み終えたら、
また誰かに広めていきたいと思います。

実はわたくしT大生協書籍部の「文庫・新書」担当です。
ナンダロウさんに手書きpopをお願いしようと思って(笑)
『一箱古本市の歩きかた』は「人をつなぐもの」という
「本」の新しい側面に気づかせてくれます。いい本です。
はりきって販売していきます!!

それでは、またお会いする日を楽しみにしております。


投稿: どすこいフェスティバル(T) | 2009年11月24日 (火曜日) 20:07

>どすこいフェスティバル Tさま

みちくさ市でお会いできて嬉しかったです。一箱での佐野洋子『シズコさん』のことが気にかかっていたものですから。

佐野さんの絵本「100万回生きたねこ」は抜きん出た傑作だと思いますし大好きですが、同じくらいエッセイも好きです。
おそらく佐野さんの生き方に惹かれるからでしょう。私などにはとうてい無理です。
2008年の5月に発行された『役に立たない日々』の最後で、余命2年のがんと宣告され、もう一年が経ったことを告白しています。
今年の7月に出た『問題があります』のあとがき(2009年5月31日の日付)には、自身のがんのことは書いていません。
おそらく、がんについてはもう書くつもりはないのではないかと思われます。
まだまだ佐野さんの言葉を聞きたい。
こんな気持ちが強まるほど、一人でも多くの方に読んでもらいたいと思ってしまうのです。
どうか広めてください。

>『一箱古本市の歩きかた』は「人をつなぐもの」という
「本」の新しい側面に気づかせてくれます。いい本です。
はりきって販売していきます!!

本を介して人と人とがつながってゆく素敵な場に身をおけるのは、嬉しいものですよね。
是非ぜひ、ナンダロウさんの本を多くの方に届けてください!
ナンダロウさん自身のPOP、いいですねえ。

私も、またお会いできるのを楽しみにしております。

投稿: 風太郎 | 2009年11月25日 (水曜日) 02:48

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