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2009年11月

「第4回鬼子母神通り みちくさ市」を満喫

23日、午前中の仕事を終えてから妻・とみきちと共に「みちくさ市」へ。プレ開催から4回続けて「とみきち屋」で参加してきたが、今回初めて客として訪れる。
いやあ~、楽しかった。こんなに多くの方とたくさん話せるなんて。

午後2時会場到着。目白通りから商店街に足を踏み入れた途端、人々の熱気が伝わってくる。あしあと動物病院から順に進んでゆく。
<ちんちろりん商店>Pippoさんはお留守。
そこへナンダロウさんが現れる。 飄々とした感じはいつも通り。「ミスター一箱古本市」たすきはかけていらっしゃらない。残念。(でも、後にブログの写真で拝見)
「bk1の書評ありがとうございました」と声をかけてもらう。

<とみきち屋>の大切なお客様の一人、高校生のKさんがいつのまにか隣に立っていた。Pippoさんの箱の前でお喋りしていたので、ちょっと箱に近づきにくかった様子。
「こんにちは」とご挨拶。今回は店主ではなく、一般客なのでそれ以上話しかけるのは躊躇われた。きっといい本見つけられたに違いない。

Pippoさんとは一通り廻り終えた帰り際に『てふてふ二匹め』やポエトリーカフェについてお話。
八木重吉の朗読は前から好きだったけれど、大江満雄の詩の朗読がとくに沁みたことを伝えると、Pippoさん自身大江満雄はとても好きな詩人と聞き、嬉しくなる。ポエトリーカフェの在り方についても聞かせてもらい、共感。
購入した「ゴミイラズ」、とみきちはいたくお気に入りの様子。文庫を入れる以外にもいろいろ使えると嬉しそう。

お隣のHB橋本さんから、HB最新号Vol.6「2009年、東京」を購入。もみじまんじゅうを頂いた。
「よしもと」を吉本隆明と勘違いし、まったく理解不能な話を勝手にしてしまった。たぶん、「この人大丈夫だろうか…」と思われたに違いないのに、にこやかに話を聞いていただき恐縮。

<魚月>さんの1950年代のマッチ箱は大阪、神戸のものが多く目を惹かれる。それときれいな記念タバコラベル。昔吸っていた缶ピーではないが、ピースラベル2枚購入。
「ハイライトを《浪人たばこ》って呼んでたんですよ。hi-lite(入りて~)だから」と言ったら、笑われてしまう。おやじくさかったな(笑)。

モンガ堂さんにご挨拶。毎日のようにあれだけすごい本を購入されているので、どんな本を出されているのか興味津々だった。今回はなんと絵本特集!私の一番弱いジャンル。何度も妻から「小さい頃の情操教育が全く欠如してる」と言われている(笑)。
絵本の話ができないので、モンガさんの全国一箱古本市行脚のことを伺う。ナンダロウさんとは別の意味でミスター一箱古本市だと思うんだけどなあ。

<書肆紅屋>さんのところに伺うもお留守。晩鮭亭さんが店番をされていた。今回もいろいろな出店者の方のHELPをされていたご様子。お疲れさまでした。
すでに全品100円均一。ほとんど本が残っていない!それでも、福田恆存『西歐作家論』(講談社)ほか4冊いただく。
紅屋さんとは、<やまがら文庫>Yさんと歩いていらっしゃるところ、偶然お会いできた(みちくさ市終了直後)。ナンダロウさんの『一箱古本市の歩きかた』校正時の裏話、小田光雄さんのことなど興味深い話をいろいろ伺う。
買い込んだ本でふくらんだ私のバッグを見て、「そんなに買って、家庭騒動になりませんか(笑)」とご心配いただく。妻にも聞こえるよう「4箱分処分するつもりなので、なんとか(笑)」と答える。
<やまがら文庫>Yさんに食事でもいかがですがとお誘いいただくも、予定が入っており断念。また別の機会にご一緒させてください。

今回出店されなかった<四谷書房>さんご夫妻とばったり。この一年何かとお世話になりました。
ありがとうございます。また来年お会いできるのを楽しみにしております。

袋いっぱいに本を買われていた駄々猫さんのご主人と遭遇。友と本、人と本などの話をしみじみと。購入本を全部見せていただいた。セリーヌ、ジュネほか私の好みの本がほとんど。セリーヌなどは全集版を所有なのに文庫本を買われている。こういうところも似ているなあと再認識。
「まだ本を出す気にはなれませんか。見たいなあ」と背中を押しまくる。すると、「そろそろ本の置き場もなくなってきたし、面白そうですよね」。
そのことを、直後お会いした駄々猫さんに伝える。少しお疲れではないかなと思われた駄々猫さんの顔がぱっと明るくなる。ご主人が本を出品するのを望んでいたご様子。強力タッグの誕生が楽しみでならない。楽しいひと時でした。

<どすこいフェスティバル>のKさん、Tさんにもお会いできて嬉しかった。Tさんと佐野洋子の話で夢中になってしまい、Kさんとはほとんどお話しできず。すみませんでした。とても残念に思っています。毎回何らかのかたちでお顔を拝見しているので、会えないと寂しくなりそうです。

池田大シャッター前に出店されていた<ゆず虎嘯>さんのお二人とも楽しくお話しさせていただく。わたしたちが出店の際、100円かごやせんべい缶(無料)を積み上げるタワーに話が及んだので、「せんべい缶ひしゃげてきて、そのうち使えなくなりそうで心配なんです」と云ったら、笑われてしまった(笑)。

お隣の<文庫善哉>さんに声をかけていただく。前々回、同じ場所に出店。いつもながら、素敵なお店。憧れのワイン箱にとみきちの視線は釘付け。「アンチヘプリガン」の棚を一段借りて、本を出されています。また、12月23日(水・祝)には、あの「キアズマ珈琲前」で青空古本屋を出店されるとのことです。

今回のお目当て<junglebooks>さんにお邪魔する。想像通りの素敵なお二人。「秋も一箱古本市」では、エロスをテーマに青秋部賞を受賞されている。「みちくさ市」を考慮してラインナップをかえられたご様子。しかし、いい本、私好みの本がいっぱい!見ているだけでわくわくする。ご主人が、前回(?)中沢新一、澁澤龍彦の動きが鈍く、「終わったのか~~?!」と思われたという話で盛り上がる。
自分が「これは」と思った本の反応が悪いと、辛いものです。少し前だったらけっこう喜んで引き取ってもらえた作家の本が、突然ダメになったりする。ナンダロウさんが新書で指摘されているように、一部の店では出品本が似てくるのも一因なんでしょうかね。
奥様の「実は<とみきち屋>さんフリークなんです」の言葉に赤面。以前、当店にほしい本があったのに、(一般のお客様をさしおいて)真っ先に買い行くのを遠慮してくださった話を伺い、感謝。私たちと同じ姿勢でいらっしゃることに共感。

話に夢中になっている間に、最初に気になって手にとったものの一旦戻した本を若い女性が、いかにも買いそうな感じで手にされていてショック!泣く泣く諦め、話の続きを。暫くしてから同じ場所に目を遣るとまだあった!これも縁というものなのだろう。
『「本屋さん」との出会い』(洋泉社)。「1オシ!!」の色紙が挟まれている。
総勢78名のそうそうたる執筆陣。「中でも、つげ義春のが凄いんですよ」と伺い、帰宅後読ませていただく。
人間の邪悪な面を抉りながら、もの悲しささえ感じさせる。背筋が凍るようなエッセイ。いやもうこれは短篇小説といっても過言ではない。泥棒稼業から足を洗った後、家でボロぞうきんのように扱われている祖父に、孫がほしい漫画を万引きさせる。しくじった瞬間「ちぇっ」と舌打ちするところで終わっている。つげ義春の怪しさ、強烈な個性がいかんなく発揮されている。

この文章のところにさり気なく、栞が挟まれていた。<junglebooks>さんの演出に違いない。
一冊の本を勧める姿勢に感心するばかりでなく、お二人の本への愛情がびしびし伝わってきました。またゆっくりお話したいです。

<嫌気箱>塩山さんのところに伺うも、他のお客様とお話されていてお声をかけられず。
木山捷平の品切れ文庫ほか、いい本たくさん。値付けがまた塩山さんらしくていいなあ。
「他店なんか関係ない」「知ったこっちゃない」といった、頑として譲らない感じ。

<古本 寝床や>さんと会うのは久しぶり。落語をメインとして、芸能、伝統文化関連本の充実振りは有名なのでわかるものの、吉田秀和などクラシック音楽本がさりげなく並べられているのがいつも不思議。一度その秘密を伺いたいものだ。最初にお会いしたときから、誰に対しても上から目線になることなく、その丁寧な姿勢は変わらない。だから多くの人に好かれるのだと思う。見習いたくても、私などにはとうていできそうにない。

前回私たちのお隣に出店されていた<モノンクル・ブックス>のIさんのところで長居。
「今日は売れないんです。今までで一番よくないかも…」とおっしゃるので、「信じられない。きっとこれからですよ」と、口にしていた。いやあ、だってそうでしょ。これだけ人が来ていて、モノンクルさんのところが不調なんておかしい。
思ったとおり、前回並みかそれ以上だったと、後にブログを拝見して知る。
ある雑誌にまつわるエピソードを聞かせてくれた時のIさんの話しぶりがリアルで面白く、とみきちと二人で思わず笑ってしまう。
日も陰り寒そうにされていたので、とみきちが、使っていたカイロを差し上げる。日記特集の雑誌を購入。二人でお店(BLIND BOOKS)の方にも遊びに行きますね。

岡崎武志さんにご挨拶。なんだかすごい売れ行き。岡崎さんの余裕の笑顔が語っている。
夏に京都書院アーツコレクション72『古代ガラス -H氏の場合-』を古書で購入以来、ガラス工芸を扱った本が気になってしかたがない。つい最近もエミール・ガレの写真集を購入したばかり。
『江戸・明治のガラス』(平凡社カラー新書)を手にとって、妻のとみきちにアール・ヌーヴォー、ガレ、切子などぶつぶつ話していたら、「知的な夫婦やねえ」と岡崎さんから絶妙のタイミングで声をかけられる。参りました。買わないわけにはいきません(笑)。
とみきちがおみくじを引こうとしたら、残り2枚しかない!最終的に驚異の5万円近い売上げとのこと、凄すぎます。

お隣の<古本くちびるごう>さんも絶好調のご様子。本を送り返す必要など全くなさそう。息子さんが「こども店長」で活躍されていた。その口上が可愛いだけでなく、堂に入っている。
山本哲士『現代思想の方法-構造主義=マルクス主義を超えて』(ちくま学芸文庫)ほか2冊購入。

<パインブックス>さんのところで使い古しのフライパンややかんが100円で売られていた。おもしろい。でも、買う人がいるとは思えない(笑)。そこに怪しげな人影。「どうですか」と勧めてくる。
「あやつけるんかい」と、体当たりを喰らわす。なんと退屈男さんではありませんか(大笑)。何故か私たちにはお茶目なところを時折見せていただけるんです。

出店者の皆さんの盛況ぶりを肌で感じ、「本売りたい!」と少しばかりむずむずしましたが(笑)、客として廻ったからこそ、これだけ多くの方々とお話しできたのだと思います。
ほんとうに楽しい、あっという間の2時間でした。

「とみきち屋さん今日は出てないの?」、今回私たちが出店していないのをご存知の方から「とみきち屋さん来た?」と訊かれたことを、何人かの店主さんから教えていただきました。たとえわずかでも、そう言っていただけるなんて、光栄です。

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南陀楼綾繁『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書) 一人一人の古本物語

ナンダロウ(南陀楼綾繁)さんの新刊『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を2回続けて読んだ。どういうかたちで感想を書こうかと迷った末、bk1に書評を投稿。初めてのことである。

もう何年も前になるが、妻のとみきちがよく投稿しており、いつのまにか「書評の鉄人」とかになっていた。書評の鉄人たちによる本も出た。私の知っている方では、葉っぱさんソネアキラさんの書評も掲載されている。
そんなこともあったので、bk1にした。字数3000字まで可という条件も助かった。

少し悩んだ。とみきち屋のことを知っている方からすれば、著者との距離が近いと感じるはず。
でも書いた。一箱古本市の存在を知らない方にも是非読んでもらいたいと思ったから。
そのため、8割方第三者的な目で感想を寄せた。

本好きにはたまらない、素敵な本だと思う。
自分の知らない多くのイベントのことが手にとるように伝わってきた。

何より、ナンダロウさんの半端じゃない情熱と底力を感じた。
私が今さら言うまでもないが、その編集力たるや、プロ中のプロのものと感服。
また、各イベントの問題点にもきっちり触れているところが、偏っておらず、共感を覚えてならなかった。

無償で全国を駆け回り、多くの本好きが思いっきり楽しめるイベントを広めてくださったことには、一箱古本市参加者の一人として御礼の言葉あるのみ。
もちろん、一箱古本市を含め、多くのイベントを支えてくださっている皆様にも。
ありがとうございます。

『積んでは崩し』(けものみち文庫1)のなかの「本をナメルナ!」を読んだとき、この人はホンモノだなと思えた。
ある雑誌に触れ、<なんだか知的おしゃれなアイテムとしての抽象的な「本」しかでてこないのだ。くそっ、本をナメルナ!読者をナメルナ!>と憤慨。自分なら<そこにある「本」の物語を読者に感じてもらえる紹介を試みるつもりです。>と結んでいる。

「本」の物語をさらに「人」「イベント」に広げたのが『一箱古本市の歩きかた』であり、これまでナンダロウさんが信念をもってやってこられたことが結実していると思えてならない。

拙いものですが、私が書いたbk1の書評の一部をそのまま紹介します。

鳥取県米子市での「一箱古本市」を扱った章で紹介されているエピソードがとりわけ心に残った。
演劇、映画関連の本、戦前のグラフ雑誌の合本などイイ本を出していた母娘。実は四年前に亡くなった息子さんの本であった。参加する数日前からそれらの本をめくっては、息子さんを思いだしていたという。「演劇をやっていたこともあり、本が好きな子でした。処分するのがしのびなくて取って置いたんですが、こういう機会に本好きの人の手に渡ればいいと思って」。
その母親の言葉を受けとめ、著者はこう語っている。「本と人をつなぐ場所があれば、一箱古本市はドコでもできる」。
ここに、著者のみならず、本を愛する多くの人々の思いが集約されていると言ったら大げさだろうか。
本を愛する人「一人一人の古本物語」であふれている素敵な書。

書評そのものはこちらです→ http://www.bk1.jp/review/479740

ナンダロウさんは、記事を書かれた方のふだんの仕事はきちんと評価し、「この記事だけはいただけなかった」と書いている。こういうところが、いいなあ。

巻末の■全国ブックイベント年表作成に協力された「空想書店 書肆紅屋」さん、「退屈男と本と街」の退屈男さん、お疲れさまでした。この8年間の動きが一望でき、とても参考になりました。

さっそく『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)に関するリンク集をつくっていただいた「モンガ堂」さん、ありがとうございます。楽しく読ませていただいています。

リンク集 こちら→ http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20091120

ナンダロウさん年内のイベントが光文社のHPに掲載されています。
「南陀楼綾繁トークツアー2009」 こちら→ http://www.kobunsha.com/special/hitohako/

我が家では3冊目を購入。86歳になったばかりの母に渡す。目の前でパラパラと読み始め、「楽しそうだねえ」と笑っていた。高齢で足が悪く、通院以外にはほとんど外出できないが、10年前だったらきっと行きたい!と言ったことだろう。

23日(月・祝)は「みちくさ市」ですね。
午前中の仕事を終えたら、行きたいと思っています。

『第4回 鬼子母神通り みちくさ市』

■開催日
2009年11月23日(月・祝日) 10:00頃~16:00
雨天の場合、28日(土)に順延(この日が雨の場合は中止)

■会場
雑司が谷・鬼子母神通り
東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
Google地図 >> http://tinyurl.com/6xmc4y
主催/鬼子母神通り商店睦会  協賛/わめぞ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/
● 当日朝の7:00に天候による開催の有無を決定します。
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以下の方法で開催の有無を確認できます。
  
・みちくさ市ブログ http://kmstreet.exblog.jp/
・みちくさ市携帯サイト http://mblog.excite.co.jp/user/kmstreet/
・わめぞブログ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/

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ブログを始めて一年 やはり「一箱古本市」?

2008年11月17日に始めたブログ<本と音楽>風太郎の気ままな水先案内も、気がつけば一年。よく続いたと思う。これまでに書いた記事数約130。2.8日に1回の更新になる。1週間に一つ書ければいいほうだろうと当初は思っていたので、まあまあのペースといえるだろうか。

昨年10月に、<とみきち屋>の屋号で「一箱古本市」に初参加。ブログを読まない、書かない私だったので、お客様とのエピソードを妻のブログ「とみきち読書日記」に書いた。これが思った以上に楽しく、ひとつのきっかけになった。自分に合わないと思えばやめるのも自由なんだと思って始めた。
書いてみたいと思う事は多々あったが、実際は思うように書けない。その点は今もたいして変わりはない。
吉本隆明、太宰治、三島由紀夫、五味康祐、山田詠美、佐野洋子、ドストエフスキー、ニーチェ、シモーヌ・ヴェイユ、フルトヴェングラー…。吉田秀和、宇野功芳、野村秋介、笠井潔、長渕剛などがすぐに頭が浮かんだ。クラシック音楽、戦争、遺稿集に関してなども多くとりあげたいと思った。
しかし、一年が経過したにもかかわらず、ほとんど書けていない。

この一年で7回古本市に参加することになり、古本ブログ、古本市フリークブログの様相を呈してしまっている。完璧に看板に偽りありだ(笑)。
少し軌道修正しなければならないなと思うものの、それができるかどうかは疑問。
サッカーのワールドカップが始まれば、ほかのことが考えられなくなる。
古本市に参加することがあれば、前後はそのことに集中してしまう。
なんだ、最初から言い訳ばかりじゃないか(笑)。

ブログ開始一年となる11月17日が、南陀楼綾繁さんの『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)の発売日にあたるのだから、何とも不思議な縁と思えてならない。
秋の一箱に出るまで知らなかったナンダロウさんから、いきなり賞をいただいてしまった。さらに、春の一箱で賞を頂戴した黒岩比佐子さんが、後に高校の一年先輩と知るに至り、絶句。
「一箱古本市」は欠かせないものとなった。

今日、南陀楼綾繁さんの『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)を2冊購入。
1冊は持ち歩き、書き込み用。1冊は保存用。
つい先日86歳になった母が1冊ほしいと言っている。
この先何冊購入することになるのだろうか。
既に、一回目を読み終えた。二回目はじっくり読んで、その後感想を書きたい。

11月24日(火)
南陀楼綾繁さん×津野海太郎さんトークイベント「本とともに街を歩こう」(於 青山ブックセンター) http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20091111

12月17日(木)
第2回モクローくん大感謝祭 トーク2 http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20091112
南陀楼綾繁さん×黒岩比佐子さん「古本が先か?仕事が先か?」(於 古書ほうろう)
の参加予約をすませる。楽しみだ。

★トーク2のテーマと出演者が変更になりました。

◎トーク2 「なぜか、原稿料の話」

栗原裕一郎(ライター)×内澤旬子(イラストルポライター)×南陀楼綾繁

原稿料はなぜ何十年も上がらないのか? 原稿料の歴史から、この摩訶不思議なシステムの謎に迫る。出版危機、雑誌休刊ラッシュの今後、原稿料とわれわれのゆくえは? いつの間にか因果な生き方を選んでしまったフリーの物書きの現状を赤裸々に語ります。担当編集者は入場禁止!?

12月17日(木)開場18:30/開演19:00

入場料 1000円(飲み物持込み可)

※ご予約は電話かメールで

 古書ほうろう 03-3824-3388  horo@yanesen.net

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当ブログに関して。

数は多くはないが今なお「天の夕顔 中河与一」、「フォーレ レクイエム」検索で読みに来てもらえるのは、正直嬉しい。
「五味康祐」も同じく。まとまった記事をひとつも書いていないのに…。
多いのは「一箱古本市」「みちくさ市」検索。記事の割合からして当たり前か(笑)。
古本関係を除くと、吉本隆明、鶴見俊輔、佐野洋子が多い。

意外なのは、某携帯会社のCMに苦言を呈した際に触れた「映画 八甲田山 音楽」でのアクセス。未だに絶えない。

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買ったら売らねば

土曜、地元の書店にナンダロウ(南陀楼綾繁)さんの新刊、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)の入荷予定を確認したら、やはり17日(火)発行と聞かされ、がっくり。早く読みたい。

ナンダロウさんから見本を贈られた方々が少しずつブログでとりあげている様子。
中でも、岡崎武志さんの全面バックアップ宣言は、頼もしく、温かい。単なる内輪褒めでないことは一読してわかる。
こちら→  http://d.hatena.ne.jp/okatake/20091113

「本は人の手に届きたがっている」、本離れの状況を招いた非は業界人にもあると説く岡崎さんの言葉には重みがある。そして「一箱古本市」を、現況を打破する大いなる可能性を秘めたイベントと認識し、「一箱古本市」の全国的拡がりの核となっているナンダロウさんを讃える気持ちに強く共感。
私的なこと、或いはコメントなどにおいてはナンダロウくんと呼びかけることもある岡崎さんだが、今回の記事においては南陀楼綾繁さんの新刊『一箱古本市の歩きかた』と記している。
人柄は滲み出るものですね。どんなに名が知れていようと、こういう心配りのできない人もいる。

ひょっとしたら風邪のひきかけ?と思える症状が出たりして、大人しくしている日もあったが、相変わらず古本は買っている。

古書往来座 外市にて〕

■野呂邦暢『戦争文学試論』(芙蓉書房出版)

狭い意味の「文学」にとらわれず、無名兵士の手記、ドキュメントなど多くの作品を読み込んでいる。
「一つの時代を後世の価値観で裁くことは、私たちがおちいり易い錯誤である。国家に殉じることが、最高の名誉とされた時代もあったのである。反戦を叫ぶ現代の日本人が一時代前に戦って死んだ人々よりもすぐれていることにはならない」
「昭和五十年代の日本人が昭和十五年代の日本人より賢いといういわれはどこにもないのである。謙虚に先人の文章をたどることにしよう。私たちの父兄は史家がいうように狩りたてられた奴隷として死んだのであろうか。」
著者は決して戦争そのものを肯定しているわけではない。

何があったのか、どんな時代だったのか、どう受けとめ戦地に赴き、何を思っていたのかを知りたくて、私も若い頃から戦争に関する数多くの本を読んできたので、通じるものを感じる。じっくり読んでいきたい。

■富士正晴『贋・久坂葉子伝』(講談社文庫)

先日、『幾度目かの最期―久坂葉子作品集』(講談社文芸文庫)を入手したばかりだが、こちらも併せて読みたいと思っていた。文字は小さいが、現在入手できる講談社文芸文庫版は1,890円もするので、500円はありがたい。

上記2冊は荻原魚雷さんの<文壇高円寺>より購入。今回はいつもより出品数も多くいい本が目白押しだった。

■森山大道『過去はいつも新しく、未来は常に懐かしい』(青弓社) <古書文箱>より
■野呂邦暢『諫早菖蒲日記』(文藝春秋)■吉田精一『随筆入門』(新潮文庫) <古書有古堂>より

売上げ対決とかで、<古書文箱>と<古書有古堂>は隣り合わせ。いつもとは違い大きめの棚を提供されていた。たった二日間での勝ち負けに大きな意味はないと思うが、どんな本をいくらで売るかという点で興味深いものがあった。いずれも個性が出ていて、優劣などとてもつけられない。

■今東光『極道辻説法』(集英社文庫) <立石書店>より

ずっと探していた。一瞬わが目を疑った。間違いない。歓喜に包まれる。200円なんて信じられない。1000円でも欲しかった本。
愛読書『毒舌 身の上相談』(集英社文庫)は『続 極道辻説法』『最後の極道辻説法』を合わせたもので、『極道辻説法』は含まれていない。タイトルに説法とついているものはまだ他にもあるが、少しずつ集めていくつもり。
余談ながら、『プレイボーイの人生相談1966-2006』(集英社)は面白い。今東光を始め、柴田練三郎、岡本太郎、開高健、赤塚不二男、野坂昭如、吉本隆明、松山千春ほかが若者の相談に答えている。今こんなの掲載したらやばいだろというような過激な発言も随所に見られるが、我が意を得たりと思わず破顔大笑。

<チンチロリン商店>からは、PippoさんのCD『てふてふ 二匹め』を購入。詩の朗読集だ。八木重吉の詩については以前当ブログでもとりあげた。やはり何度聞いても素晴らしい。新しく聞いたものの中では、大江満雄の詩の朗読がとりわけ心に残った。
キリスト教的理想主義にたつプロレタリア詩人で、ハンセン病患者の詩を編纂した『いのちの芽』も刊行している。
差別や対立のない世界を希求する思いが、抒情的な表現から強く伝わってくる。また、朗読とそれを支える音楽(効果音)がとてもいい。作者とも朗読者とのものとも言えぬ声が、遠くから心に響いてくる。わずか3分弱のなかに、深く透明な世界が広がっている。

〔ブックオフにて〕

自宅から車で20分ほどの店舗。ここは105円の商品は新書ぐらいしかいいものが入手できない。しかし、半額なら新刊単行本、講談社学術文庫、岩波文庫、ちくま文庫などが結構豊富で買える。
久しぶりに足を運んだら、文庫本200円セールを実施していた。この店舗でセールに遭遇するのは初めて。

■暁烏敏『歎異抄講話』(講談社学術文庫)
10年ほど前、石和鷹『地獄は一定すみぞかし-小説暁烏敏』(新潮社)読後興味を抱き、暁烏敏の自作『わが念仏・わが命』(潮文社)を古書店で入手して読んだ。それ以来になる。
■鎌田慧『大杉榮 自由への疾走』(岩波現代文庫)
■筒井清忠『二・二六事件とその時代』(ちくま学芸文庫)

地元のブックオフ 文庫本99円セール

■岡本かの子『生々流転』(講談社学芸文庫)
■平泉洸 全訳註『明恵上人伝記』(講談社学術文庫)
■川崎信定訳『原典訳 チベットの死者の書』(ちくま学芸文庫)
■堀江敏幸『河岸忘日抄』(新潮文庫)
これは当然文庫版も欲しい。
■佐江衆一『わが屍は野に捨てよ 一遍遊行』(新潮文庫)

同じく地元ブックオフ 105円

■論座2006年11月号『言論テロと右翼』(朝日新聞社)
■論座2007年4月号『グッとくる左翼』(朝日新聞社)

都内ブックオフ3店舗から 105円

■G・スタイナー『青鬚の城にて』(みすず書房)
■樫山欽四郎『哲学概説』(創文社)
■松浪信三郎・飯島宗享『実存主義辞典』(東京堂出版)
■豊田穣『革命家北一輝』(講談社文庫)
■杉森久英『天才と狂人の間 島田清次郎の生涯』(河出文庫)
■近藤富枝『相聞 文学者たちの愛の奇跡』(中公文庫)
■竹内薫・竹内さなみ『シュレディンガーの哲学する猫』(中公文庫)
■坂口安吾『坂口安吾全集16 安吾人生案内 負ケラレマセン勝ツマデハ 安吾行状日記ほか』(ちくま文庫)

古書ではないが、『婦人画報12月号 ほんまにおいしい、冬の京都』を購入。
高校同級生・稲葉なおとの特集が掲載されているからだ。「稲葉なおとが綴る4つの物語 心の再生アジアン・リゾート」。
短篇小説4作をメインにした構成で、バリ、プーケット、シンガポール、モルディブのホテルが紹介されている。小説は未読だが、写真のみでも買った甲斐あり。ため息がもれるくらい美しい。もちろん、彼自身が撮っている。
稲葉なおとの根強いファンは多い。私のブログにも婦人画報に関して、ご夫妻でファンという方からコメントをいただいた。

来春までは古本市に参加する予定もなく、買ってばかりではたいへんなことになるので段ボール4箱に処分本を詰め込んだ。地元馴染みの古書店に2箱、残りをどうするかは思案中。

昨日の日曜は仕事が長引き、上京されていた葉っぱさんにお会いできず残念でならなかった。
妻は葉っぱさんと楽しいひと時を過ごさせていただいた。帰宅後いろいろと話を聞く。ありがとうございました。

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バッハに浸り、古書買いを愉しむ

妻の親友が演奏に参加しているコンサートへ。曲目はすべてバッハ。
カンタータ107番、140番、202番にブランデンブルク協奏曲第4番。独唱者以外はアマチュア。指揮者なしでの演奏はプロでも難しい。しかし、互いの音を聴きながら、合わせ、音楽を築きあげてゆく喜びが聴衆にも伝わってきて、会場全体が和やかな雰囲気に包まれた。
曲によってヴァイオリンの独奏者が替わるのも、違った音色が聴けて楽しい。
140番《目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声》、とりわけ4曲目のコラールは有名で、この旋律が聞こえてくると、心が自然と鎮まる。
神への信仰を持たない者にも、なにゆえバッハの音楽はかくも沁みてくるのか、いつも不思議に思う。

4年前の2月、サントリーホールで聴いた《マタイ受難曲》が甦ってくる。ミシェル・コルボ指揮ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル。
コンサートで感涙したのは半世紀の生涯において一度しかない。
自身、精神的にどん底の状態ではあった。
しかし、それとは関係なく、打たれた。
魂の奥深くまで揺さぶられ、
気がつくと、目に映る光景が歪み、流れていた。
「神」を観たわけではない。
単なる感動とも違う。
浄化…それも少し違うような。
敢えて言うなら、救いであろうか。
全き肯定による慰撫の中に包まれていた。
バッハの《マタイ受難曲》が、人類の生み出した至宝の音楽と呼ばれることに何の異存もない。

コンサート終了後、新宿御苑大木戸門のあたりから、新宿に向かい、妻と寒風の中を歩く。
昔一度だけ訪れた記憶が残っている古書店が残っているか確かめたくて。
ありました、新宿通り沿いに。「昭友社書店」。
店外にしつらえてある木製の棚を見るやいなや、ツレの存在を忘れたかのごとく足早になり、そのことを指摘される(笑)。
店の外のショウウインドウが面白い。オペラのDVD、春画、鉄道関連の絵本(?)などが混在(笑)。
外の棚から、
■ガルシア・マルケス『青い犬の目』(福武文庫)、ヘッセ『婚約』(新潮文庫)2冊計100円。

店内は雑然としているが、ある意味ワンダーランド。奧の小スペースはアダルト系。しかし、入って左側は人文、思想、芸能、写真他様々なジャンルが収まっている。
サンリオ文庫が紐でしばったまま積み上げてあったり、小さい棚に旺文社絶版文庫。店主の斜め前には荒木経惟特集の棚。天井近くにとりつけられた板の上にCDがごっそり。立川談志の遺言大全集なんかも載っている。
漫画もけっこうあったような。雑誌の上に、ショルティ指揮シカゴ交響楽団のブラームス交響曲全集のLPが無造作に置かれていたのには驚いた。

一人だったら一時間以上滞在していただろう。店内では以下の本を購入。
■辻征夫『ゴーシュの肖像』(書肆山田)
■久坂葉子『幾度目かの最期』(講談社文芸文庫)
■森敦『浄土』(講談社文芸文庫)

妻が珍しく自分で1冊購入。値段がついておらず店主に確認したところ、非売品ということもあってか、『日本寮歌集』(昭和42年10月改訂版)を100円で。題字はなんとあの佐藤栄作。
「一見華やかに見える今の日本の経済発展や、政治、思想のあり方が常に不安定な破綻因子を含み、自己喪失的な論議空轉(転)に終わっているのを見るにつけ、質実剛健、弊衣破帽を顧みず、切磋琢磨に身を削るような自己陶冶の営みを経た若者の輩出が若(も)し続いていたら、と思うのは私だけであろうか」と、旧制高校制度廃止を嘆く序文がいい。

自宅最寄り駅で妻と別れ、一人ブックオフへ。

■『西脇順三郎全集Ⅰ』『西脇順三郎全集Ⅱ』(筑摩書房) 各100円
■平井一麥『六十一歳の大学生、父 野口冨士男の遺した一万枚の日記に挑む』(文春新書)
100円
■ 開高健『人とこの世界』(ちくま文庫)100円
 表紙上部に痛みはあるが、どう考えたって店員のミス。「これ、おかしいでしょう」と指摘するほど寛容ではない。黙ってありがたく頂く。
■大曲駒村『東京灰燼記 関東大震災』(中公文庫・限定復刻)100円
■鈴木治雄『昭和という時代(対談集)』(中公文庫)上・下 2冊200円
■グレッグ・イーガン『順列都市』(ハヤカワ文庫SF)上・下 2冊200円

帰宅後、コルボの《マタイ受難曲》をCDで聴く。(全曲通してではないが)
いい休日だった。

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