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「第2回みちくさ市」エピソード3

古本市に参加するようになり、多くの人と出会うようになった。積極的に外出はせず、自宅で本を読んだり音楽を聴いて過ごすことが多く、どちらかといえば人付き合いの苦手な私にとっては大きな変化だ。例え二言三言であっても、言葉を交わせることが大きな意味合いを持ち、刺激にもなる。ブログでのみ知っていた人を直に感じられることで、違ったものが見えてくる。会うのが楽しみと思える人が増えていく。

<わめぞ>のリーダー、古書現世・向井さん。午前中からテント張り、パラソル立て、自分たちの棚の準備、思わぬアクシデントへの対処などで会った時には「大丈夫だろうか…」と思えるほどの体調。既に熱中症一歩手前。それでも出店者を気遣い、飲み物の差し入れ、声がけと動き回る。喫茶店で水を補給しながら休んでいる後ろ姿を目にした時には胸が痛んだ。「無理しないでくださいね」と言葉をかけるしかなかったのだが。
「参加してくださる皆様あってのイベントなんです」といつも口にしている向井さんの姿勢、行動には打たれる。

豆子さんともご挨拶。その強い眼差しは変わらない。病み上がりなので「大丈夫ですか?」と訊くと、「みんなからはそうは見えないって言われるんですよ(笑)」と冗談交じりの答え。本部にはテントが張られていたが、照り返しも強いし、背中からは陽射しも差し込んでいたので気になったが、淡々と役割をこなされていた。勝手な推測だが、茨の道を歩んだことのある人の強さのようなものを感じる。

BIG BOXでの古書市では強烈な洗礼を受けた立石書店・岡島さん。笑顔を見ると何故かほっとする。

これまでは、一人で参加している出店者の代わりに店番をしている姿を多く見かけた退屈男さん。今回は商店街を頻繁に行き来していた。アイスクリームの差し入れもしていただく。当店に来た際文庫本セットを手にとられたので、巻末の出版案内の何ヶ所かに印がついていることを説明しかけると、「読めればいいので」と言って快く購入いただく。

自転車の似合う往来座・瀬戸さんは小麦色に焼けた肌が眩しい。瀬戸さん手作りの照る照る坊主ならぬ「ハーリー」、今回は威力を発揮し過ぎ(笑)。古楽房のうすださんのさり気ない気配りにはいつも感心。

「旅猫雑貨店」金子さんがみちくさ市の撮影で廻られて来たのに、折り悪く他の方と話している最中だったためにお待たせしてしまい、恐縮。みちくさ市の全容が伝わる素敵なスナップを毎回撮ってくれる金子さん。今回はあの暑さの中、いっそうたいへんだったと思う。いつものように当日のフォトアルバムをアップしてくれています。是非ご覧下さい。(→こちら)

終了間際、武藤(良子)さんにお会いできたものの、既にブルーシートにくるまり、お休みになられるところでお話しできず残念。このところ話す機会がなく、寂しい限り。

Pippoさんが初めてお客さんとして来てくれ嬉しい。私のブログの書き方が拙いばかりに、ビュトールの本を今回出品するような印象を与えてしまい恐縮。それでも、近藤富枝『田端文士村』を購入いただく。
ゲーテの話ほか、店主とみきちも交え大盛り上がり。時にお腹をかかえて笑ってしまう。<わめぞ>仲間の普段は聞けないエピソードを披露してもらう。Pippoさんの人の受けとめ方に妙に納得しながら、独特な感性を持っている繊細な人だなあと改めて思った。

外市の際初めてお話しさせていただいた「嫌記箱」の塩山さんのところへ伺うもご不在。残念。

仕事帰りの「ふぉっくす舎」NEGIさんがスーツ姿でご来店。NEGIさんがスタッフとして参加できないと<わめぞ>にとって痛手ではないかと思える。「一箱古本市」を含め4回連続で本を購入いただく。目の肥えた方だけに嬉しい。そのNEGIさんが、ブログで自身の紹介をされている。すごい経歴だ。

プレ開催の時同じ場所で出店した「晩鮭亭」さんと久しぶりにお会いできた。ブッツァーティ『神を見た犬』(光文社古典新訳文庫)を手にとられたので、「荒川(洋治)さんが推薦していますよね」と言うと、「堀江(敏幸)さんの『河岸忘日抄』にブッツァーティが出てきますよね」と、晩鮭亭さん。確かに、ブッツァーティの『K』(邦題は『コロンブレ』)という作品が重要な役割を担っている。Kとは世界中の船乗りが恐れる巨大な鮫のことで、そのKの存在が作品(『河岸忘日抄』)を通して影を投げかけ、主人公はその影を追うかのように思考を巡らせている。
ちなみに、荒川洋治はブッツァーティ『神を見た犬』を以下のように評している。

イタリア幻想文学の作家の短編集。表現は簡潔。余韻はふかい。たくさんのことばをつかって、自分を楽しむ作家は多いが、この人はそうではない。人生に期待してはならない。希望ももってはならない。内容的にはそんなことを書いているのだが、文学としてたしかなので、読んだ人は星空をあおぐ気分になり、人生の希望をもつ。 -『論座』2008年1月号所収記事より-

「北方人」さんと「寝床や」さんが同じ場所に出店していたので何回かお邪魔する。5月にお孫さんが誕生された北方人さんはお元気そうでなにより。柄谷行人『言葉と悲劇』(講談社学術文庫)、岡村秋彦『南ヴェトナム戦争従軍記〔全〕』(ちくま文庫)ほか4冊、持って帰るのも重いからと、すべて1冊100円で譲っていただき、当店からは残っていた谷内六郎新潮文庫6冊セットを購入していただく。逆にお持ち帰りの本が増えてしまったみたいで、すみません。
寝床やさんは今回強力な助っ人登場でお店の趣がいつもより華やかな感じ(笑)。超がつくほど腰が低く、丁寧な言葉遣いに温かい人柄が滲み出ている。ブログでは苦戦を強いられた様子を書かれているが、苦戦は当店も同じ。これからも励まし合って頑張っていきましょう(笑)。五味康祐『ベートーヴェンと蓄音機』を安価で譲っていただく。春の一箱で1冊出品してしまったのだが、これでまた手元に3冊となり、嬉しい。

古本市の顔と言っても過言ではない書肆紅屋さん。そのブログから発信される情報の多様さと奥の深さにはいつも圧倒されてしまう。本だけではなく出版、流通のことにも詳しいので何かと参考にさせていただいている。
当店にもお越しいただき、半藤一利『それからの海舟』を購入いただく。今回私どもは新書をまとめて40冊出品。売れ行きの話になり、半分もいきそうにない実情を伝えると、「あれだけのラインナップでも厳しいのだから、新書は難しいですね」と紅屋さん。結構考えて品揃えしたつもりだったので、そのことをきちんと見てもらえたのは救いであり、嬉しいことだった。紅屋さんからは、最後のタイムセールということで、山田風太郎『風眼抄』(中公文庫)ほか3冊を1冊100円で買わせてもらった。
今回は皆さんけっこう苦戦されていたように思える中、紅屋さんはきっちり100冊超売ってしまうのだからさすが!と言うほかない。

当店の向かいで出店されていた「ゆず書房」さんからは、閉店間際7冊も買わせていただく。こちらもタイムセールで、すべて1冊100円。巖谷大四『懐かしき文士たち 昭和篇』(文春文庫)、色川武大『狂人日記』(福武文庫)、石井宏『素顔のモーツァルト』(中公文庫)など。「ほんとうに100円でよろしいのですか?」と思わず尋ねてしまうくらい、申し訳ない気持ちになる。同時に、最後までこの手の本が、100円という信じられない値段なのに残っていることが寂しく感じられてならなかった。

いつも素敵な「たけうま書房」さんご夫妻がご来店。今回はご主人に織田作之助の単行本を購入いただく。

春の一箱の際同じ会場で参加されていた「どすこいフェスティバル」のKさんにお越しいただく。私どものブログを読んでいただいているみたいで、「いいですねえ」と言っていただき赤面。この方の読書量は半端ではない。それだけに、箱をご覧いただく時は緊張。お見えになったのが遅めだったので<もう少し早く来ていただけたら、何とか恰好のつく品揃えだったのになあ>などと思いながら。
山本善行『古本泣き笑い日記』、塚本邦雄『けさひらく言葉』、長田弘『私の二十世紀書店』と、3冊もご購入いただいた。お連れの方にも1冊。
店主とみきちはお茶でもご一緒できるのではないかと楽しみにしていたのだが、慌ただしくなる時間帯に突入していたために泣く泣く断念。
これからもとみきち屋をよろしくお願いします。

第1回みちくさ市で言葉を交わすようになった「古本、雰囲気。」さんとも楽しくお話させていただいた。「数年前に比べ、本を揃え、目の肥えた方に買っていただくのはは難しくなった気がする」とのこと。お客様の財布の紐も固くなっているだろうから、余計にそうなんだろうなと納得。立川昭二『江戸人の生と死』、村田喜代子『名文を書かない文章講座』の2冊を購入いただく。いつもありがとうございます!

春の「一箱古本市」で新潮社『yom yom賞』を受賞された「あり小屋」さんがご家族でお見えになるも、不在中で会えず。残念でならない。お嬢さん、また大きくなられただろうなあ。上林暁2冊セットを「こんなに安くは手に入れられませんよね」とご購入いただいたみたいだ。
昨秋の一箱古本市以来の顔見知りであるだけでなく、みちくさ市プレ開催時はお隣同士。いまひとつ人気のない海外小説を(お互い)めげずに出品し続けていることもあり、戦友という感じがしてしならない。

養老孟司・内田樹『逆立ち日本論』ほか3冊購入いただき、店主とみきちのブログにコメントを頂戴した駄々猫さん。驚異的なペースで本を読まれ、古本市参加を目指していらっしゃるとのこと。どこかでご一緒させていただくのを楽しみにしています。

今回ご紹介させていただくことのできなかった方々を含め、当店よりお買い上げいただいたすべてのお客さま、ほんとうにありがとうございました。またのお越しを心よりお待ちしております。

この1週間あまり調子を崩してしまい、エピソード3を予告しながらこんなに遅くなってしまいました。今さらという感は拭えませんが、書き留めて置くことで謝意を表わすことができるのではないかと思い、アップしました。

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コメント

こんばんは。もす文庫のmasubonです。

遅くなってしまいましたが、みちくさ市、暑い中お疲れ様でした。今回も仕事で行くことができず残念でした。
こちらのブログ、楽しく読ませていただきました。

いろんな方のみちくさ市関連ブログを読んだところ、カブト虫が売っていたそうで…。小学生の頃よく獲ったり飼ったりしていたので、もし行ったら買ってしまったような気がします。夏ならではのみちくさ市ですね。

秋こそは!参戦できるようにしたいものです。
それでは、またお邪魔します。


投稿: masubon | 2009年8月10日 (月曜日) 19:32

>masubonさん

ご無沙汰しています。
コメントありがとうございました!
カブト虫は完売するほどの人気だったようです。私も小学生の頃よく捕っていました。
「一箱古本市」とはまた違った趣があって「みちくさ市」も楽しいですよ。

>秋こそは!参戦できるようにしたいものです。

ご一緒できるのを楽しみにしています。

耳鼻科通いたいへんそうですね。どうかお大事に。


投稿: 風太郎 | 2009年8月11日 (火曜日) 22:17

こんばんは。
すごく遅いコメントで失礼します。
記事はすぐに読ませていただいたのですが、しばらくブログから離れていたもので。

9月20日の第三回みちくさ市に参加できそうです。
こういった市には初参加なので、今からどぎまぎしていますが、楽しく売り買いできたら良いなと思っております。
出店場所は違いますが、どうぞよろしくお願い致します。

投稿: 駄々猫 | 2009年9月 1日 (火曜日) 22:08

>駄々猫さま

ブログから離れていたご事情拝見いたしました。
たいへんでしたね。
思い切って「みちくさ市」への参加を決断されたことが、何かの力になるよう祈っています。

初参加となれば誰しも緊張します。
自分の予測とは違ったりなんて当たり前と思って、めいっぱい楽しんでください。それが一番です。

駄々猫さんと同じ場所に出店される<北方人>さん、<寝床や>さん、お二人とも気さくで温かい方ですから、その点は何の心配もないと思いますよ。
私もそちらにお邪魔させていただきます!ブログと別人格だったとしても逃げ出さないでくださいね(笑)

当日楽しみにしています。

投稿: 風太郎 | 2009年9月 3日 (木曜日) 04:35

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