« こんな本を | トップページ | もうすぐ「鬼子母神通り みちくさ市」!! »

古書往来座・外市へ 

4日(土)夕方、ぶらり外市へ。汗ばむ陽気も何故か心地よく、梅雨は空けていないのに夏の夕暮れを思わせてくれた。
往来座店頭には笹がきれいに飾られていて、七夕の風情。

いい本をつかみたいと思うなら、一番にかけつけるのが常道なのだろうが、少し人の波が途切れた頃にゆっくり見て回れるのが、いい。
まずは隅から隅までじっくりと2往復。
「今回はどんな本を出しているのかな」と思いながら、箱や棚を覗くひと時が好きだ。
何冊か本を抱え、不自由そうにしていると、「よかったらどうぞ」と、塩山芳明さんがカゴを差し出してくれた。まだお話ししたことがなかったので、恐縮しながらご挨拶。塩山さんの最新作『出版奈落の断末魔』(アストラ)の中に私のよく知る人物の名前(もちろんペンネーム)が出ていたので、その名前を伝えると画風までピタリと言い当てられたので驚く。団鬼六、笠間しろう、青木信光らに触れながら、その周辺の面白い裏話をいろいろと聞かせてもらう。
多くの修羅場をくぐりぬけ、歯に衣着せぬもの言いで業界では有名な方だが、穏やかな話しぶり。何故か不思議には感じなかった。著書『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)のなかで、私にはおやっと思えるところがけっこうあってその印象が残っていたからかもしれない。

萩原朔太郎の詩集は那珂太郎編集による旺文社文庫がいいと書かれているが、確かにコメント、解説含め秀逸。10万円以上で近松秋江の全集を古書店で購入し愛読しているところも気になる。また、こんな記述もある。

ビリーワイルダーやモーム、谷崎潤一郎や深沢七郎の作品群は、味わっているうちは至福の時だが、その後は一挙に不幸に。「また残りを一作品減らしてしまったか……」との後悔の念で。

こういう本筋とは違う、ちょっとしたところが記憶に刻まれているのだ。
もちろん、溝口敦の一連の山口組物に触れ、溝口の度胸、文字書き職人としての誇りを感じとっているあたりはいかにもという感じで言をまたない。

古書現世・向井さんと話しているところに往来座の瀬戸さんが、「sai」を発行している立教大のSさんとともに現れる。Sさん差し入れのビールをご馳走になってしまう。美味かったあ。
Sさんは、第一回みちくさ市の際、出店していた私たちのところにも取材に来られたのだが、あいにく店を離れていて私はお会いできなかった。向井さんが、「これからがますます楽しみで、期待される有能な好青年」と高く評価していたので、今回会えて嬉しかった。
みちくさ市をとりあげた最新号は近々出来上がるとのこと。楽しみでならない。

Pippoさんのところでは、CD『下町ピッポン娘』を購入。帰宅後早速聴いてみたが、うわさのわめぞ村青年合唱団のコーラスを含め、くせになりそう(笑)。犀星、大木実、暮鳥の詩の朗読も収められており、これがまた味わい深い。
Pippoさんには、ギュンター・グラスの詩集を見せてもらう。グラス自身の水彩画も入っている豪華本。あの『ブリキの太鼓』の作者とは思えぬ繊細で独特な画に魅せられる。色づかいも素晴らしかった。

帰り際、魚雷さんが来られる。「いいの買わせてもらいましたよ。今東光と古井由吉」と声をかけると、ニコッとされた。そういえば魚雷さんとは本の話をしたことがないな。一度お話ししてみたいものだが、うさんくさそうなおっさんゆえ、煙たがられているかも(笑)。

〔 購入本 〕
■ クロード・ベルナール『実験医学序説』(岩波文庫)
理系の本はめったに読まないのだが、「人間に関する学問では、哲学者と詩人と生理学者が同じ言葉を語るようになることが望ましい」という言葉を残したベルナールの著作は読んでみたかった。現在品切れで、結構高い古書価がついているが、ありがたいくらいの値段で購入。古書往来座店内にて。
■ 埴谷雄高『戦後の文学者たち』(構想社)
■ 『現代詩読本-8 萩原朔太郎』(思潮社)

■ 今東光『青春放浪』(光文社)
■ 古井由吉『円陣を組む女たち』(中公文庫) 2冊目
■ 林田直樹『クラシック新定盤100人100曲』 (アスキー新書)

7月25日(土) 「第2回 鬼子母神通り みちくさ市」に、プレ開催、第1回開催に続き「とみきち屋」として出店することになりました。どんな本を出品するか、いつものように開催日が近づいてきたら少しずつ当ブログにてお知らせします。

|

« こんな本を | トップページ | もうすぐ「鬼子母神通り みちくさ市」!! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1132277/30467541

この記事へのトラックバック一覧です: 古書往来座・外市へ :

« こんな本を | トップページ | もうすぐ「鬼子母神通り みちくさ市」!! »