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2009年4月

「第1回みちくさ市」レポート(2) 購入した本やお店の話

午後2時近くなったので、そろそろ他のお店から本を買ってもいいかなと思い、いろいろと見て回る。しかし、好みがあるので偏ってしまう。どうしても人文、思想系に目がいく。以下、購入本と廻ったお店の話。

<書肆紅屋>さん。「これはいいな、すごいな。」と思える本が他の箱と分けられ、値段も変えてあった。それでも500円均一とは格安。店主がその下のランクと判断されている本なども、持っていなかったら欲しい本多数。なのに300円。思わず手が伸びてしまう値段。昼前に一度見た際に遠慮した本4冊中3冊はしっかり消えていた。実際安くても、ただ安いというニュアンスとは違う店構え。個人的にはとても好きだ。

■ 中村雄二郎 『西田幾多郎』(岩波書店)300円
500円でも安いなあと私には思える本。

<古書 北方人>さん。講談社文芸文庫などのいい本が安価で揃えられていた。こんな時間帯にまだ残っていたなんて!と思える本を購入。

■ 横光利一 『寝園』(講談社文芸文庫)350円
持っている日本文学全集のひとつに収められているので、一旦購入したものの処分してしまった。ところが今品切れ。そうなると買い戻したくなる。何とも因果な性分。

<モノンクルブックス>さん。私好みの本が多く、見ているだけでも楽しい。量は抑えられているが、そこがかえっていいなと思えた。2008年Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した『中原昌也 作業日誌2004→2007』(boid)なども出品されていた。持っていなければ、間違いなく購入していただろう。店主の方とは少しお話しさせていただく。

■ 小山清 『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)600円
■ 上林暁 『聖ヨハネ病院にて』(新潮文庫)600円
小山清は昭和30年発行(初版)、カバーのない裸本しかなかったので嬉しくてならない。上林暁は2冊目を購入。いずれも復刻版、美本。

<古本、雰囲気。>さん。店名のとおり独特の雰囲気を醸し出していた。やはり私好みの品揃え。ここも大量出品はしていなかったご様子。店主の方と少しお話し。以前「一箱古本市」には出店されたが、今回久しぶりの古本市参加ということ。
■ 神西清 『灰色の眼の女』 (中公公論社 昭和32年発行初版)800円
10年以上、中公文庫版を探していたが、巡り合わせが悪いのか見つけられなかった。昨秋『雪の宿り 神西清小説セレクション』(港の人)が発売され、その中に「灰色の眼の女」が所収されていることも知っていたが、どうしても中央公論社版がほしかった。店主の方の説明では文庫版はラインナップが若干違うらしいが、喜びひとしお。

巻末にある三島由紀夫の解説がまた素晴らしい。
「氏は凝り性を持って鳴っており、およそ氏がノンシヤランに書き流した文章などというものは、どんな断簡零墨のうちにも、一行も見当たらぬに違いない」と神西清を語る。
そして、「雪の宿り」を氏の最高傑作と賞賛した上で、次のように書いている。

題材は中世であるが、大空襲と敗戦の現代にも、ただちに連想が通うようになっていて、しかもその寓意が浅墓ではないから、読者は今、中世と現代とを同時に二重に生き、中世を追体験すると共に、つい先頃の戦争時代をも追体験する。これに比べると、浅墓な現代的テーマを盛った時代小説や、歴史的人物の心理や性格を勝手に捏造した歴史小説は、読者に現代を粉飾したたのしみを与えるだけである。

<チンチロリン商店>さん。とにかく詩集ならここしかない!という感じ。でも、個人的には詩集以外の出品にも惹かれる。吉本隆明『世界認識の方法』(中公文庫)が200円という安価で私が訪れた時にはまだ残っていた。(かみ合っていないところもあるとはいえ)フーコーとの対談が収められている本なのに。「どういうことだ~。信じられない!」と思わず漏らすと、店主の方に笑われてしまった。でも、同意してもらえたような。ナンダロウさんがここで『若者たちの神々Ⅰ』(新潮文庫)を購入されたことを後で知る。うちも出品していたのにと地団駄(笑)。

■ 長谷川四郎訳 『ロルカ詩集』(みすず書房)500円
学生の頃読んだが手放してしまっていた。昨年暮れ、中丸明『ロルカ-スペインの魂』(集英社新書)を100円で購入して読んで以来懐かしさに誘われ、機会があったら読み直したいと思っていた。

<歴史と音楽堂>さん。実際本は購入しなかったけれど、興味津々。何故なら私の好きなクラシック音楽本を多数出品されていたからだ。私も読んで持っている玉木正之『クラシック音楽道場』、吉田秀和『この一枚』。フォーレを弾かせたら並ぶ者はいないと言われたマルグリット・ロンの著作『回想のフォーレ-ピアノ曲をめぐって』ほか、レア本も含めいい本がたくさんあった。私たちと同じ5月4日に「一箱古本市」にも出店される(場所は往来堂書店)ので、足を運べたら声をかけさせていただこう。

<わめぞ古本市 鬼子母神参道入り口付近>にて

■ 『群像日本の作家18 三島由紀夫』 (講談社)
■ 大宅壮一 『「無思想人」宣言』 (講談社学術文庫)
 『大宅壮一全集第六巻』(蒼洋社)を持っていてその中に入っているのだが、文庫もほしくなって。

■ 岩田礼 『香月康男』 (日動出版)800円

とみきち(妻)が珍しく一人で古本を購入。普段は番頭の風太郎がふらふらと出かけては後先考えずに買ってくるため、ダブりはしないかと自ら買うことがない。

お隣で出店していた<古本 寝床や>さんには、未読の樽見博『古本愛』(平凡社)など、すぐにでも欲しい!という本が3冊出ていたがぐっと我慢する。
「これ欲しい。欲しい。ああ、すぐに売れてしまうだろうなあ。でも、今買うわけにはいかないからなあ」と悔し紛れに訴える。誰に?(笑)。 出店者が開店後間もなく他のお店の目玉商品とか極安と思える本を買うのは、私としては忍びない。というか、したくない。実際、わめぞ始め関系者の方の中には「最後の方で残っていたら買いますよ」と言ってくださる人も多く、そういうのはとても嬉しい。
案の定、欲しかった本は午前中早めに売れてしまった。「やっぱり、なくなりましたね」と、<寝床や>さんと一緒に笑う。
閉店間際、■石川淳『普賢 佳人』(講談社文芸文庫)を購入。お隣のよしみということで200円におまけしてもらう。

一人の客として、他のお店を廻り、本を眺め、時に店主の方と会話を交わすのも楽しい。
出店せず、知り合うこともなく、全くのただの客として足を運んでいたら、買いまくってしまい、うちのような貧乏所帯はすぐに破産だろう(笑)。

さて、次は「一箱古本市」。「とみきち屋」が出店する5月4日(月・祝)は曇りの予報。雨天決行とはいえ、何とか雨は降らないでほしい。3日は客として見て回るつもりなので、それも楽しみだ。

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「第1回みちくさ市」レポート(1) お客様と本の話

好きな本を通して人と出逢える。たとえ会話を交わすことがなくても、お客様が本をじっと手にとり、ページをぱらぱらとめくり、時に気になった箇所を読まれ、確認を終えた後にそっと差し出される。

自分が気に入っている本を、お客様が手にとられた時のドキドキ感。結果箱に戻されることになっても、残念というより、少しでも興味を抱いてもらえたことが不思議な喜びとなって心に満ちてくる。

かなり迷われている時に、その本の特長をどう説明しようかなと考え、話しかけるタイミングを待つ時間が楽しい。そしてお客様が嬉しそうに本を持ち帰っていかれる時の表情を見られるのが、何より嬉しい。

日常では決して経験できない、そういう一瞬一瞬を心に刻めるのがたまらなく心地よいものだから、「古本市」となると参加したくてうずうずしてくる。

それでは、みちくさ市当日のお客様の様子や、購入していただいた本や自ら買った本などについて一部をご紹介いたします。(読みにくくなりそうなので、お客様ではありますが丁寧な表現は避けました)

午前中、特に開店から1時間以内の11時ころまでは、来店者はそう多くはなかったのですが、明らかに本好きの方が来られた気がします。

まず売れないだろうと思っていた、秋山駿『人生の検証』(新潮文庫)。「秋山さんがこんな文庫出していたなんて知らなかったな」。200円という値段関係なし。内心<やった!>。

発売直後読み終えてしまった、岩佐東一郎『書痴半代記』(ウエッジ文庫)を出品。

「なんだ~、昨日新刊買っちゃったよ。でも、なんで出してるの?」と中年の男性。

「もう読み終え、いい本だけれど再読はしないかなと思いまして。雨で今日に順延にならなかったら購入していただけたかもしれませんね。」

10分と経たないうちに、別の男性が来店、400円でご購入。その後、最初の男性が戻って来たので、

「あれ、売れちゃいました(笑)」

「そりゃそうでしょ(笑)」

値段とは関係なく、ブックオフでは1年待っても出てきそうにない類の本ということで意見が一致。

洲之内徹『気まぐれ美術館』(新潮文庫)。5月4日の「一箱古本市」では文庫3冊セットを出品予定だが、単行本があるので、「みちくさ市」にも試みに出品。 開店間もなく男性がすっと寄ってこられ、他の本には目もやらず「探してた。ありがとう。」とお持ち帰り。

大学生と思われる若い男性。オシャレな装い、知的な雰囲気を湛えている。 「お待ちしておりました」と声をかけたくなるような、番頭好みの(本の好きそうな)お客様。

まずは『レヴィナスコレクション』(ちくま学芸文庫)を手にとって、何ページか読まれ、値段を確認。ちょっと躊躇うが箱には戻さず、とりあえずキープ。次に吉田健一『シェイクスピア』(新潮文庫)。

<いいなあ。話しかけたい。> しかし、じっと我慢。ゆっくり選ばせてほしいという感じがしてならないので。しばらく迷ってからレヴィナスと合わせ2冊ご購入。「嬉しいです。気持ち割引させていただきます」

で、店を離れるかと思いきやまたしゃがんで、今度は、ルソー『人間不平等起源論』、トルストイ『イワン・イリイチ/クロイツェル・ソナタ』、いずれも光文社古典新訳文庫を手にとり、ご購入。計4冊、ありがとうございました。

永江朗の本を手にとった若い女性が連れの方に、「この人の授業今受けているんだけど、面白いよ」と声をかける。しかし反応なし。永江さんの話を近くで聞いたことのある店主とみきちが、「そうですよねえ。たくさん本も書いていらっしゃるし」。すると、W大生と思われる彼女、「へぇ~、知らなかった」。おそらく入学したばかりで、まだ詳しくは知らないのだろう。永江さん、自著の宣伝はされていないご様子。

ちょっと足のご不自由そうな高齢の女性が、杖をつきショッピングカートを引きながら、ご来店。今東光『毒舌日本史』(集英社文庫)を手にとられ、じっくり3分ほど読んでいる。箱に戻される際かがむのはお辛いだろうと思い、前ににじり寄って受け取る体勢を整える。すると、手は箱ではなく私の方に伸びてきた。日本史に興味があるのか、今東光のファンなのかわからないが、嬉しくてならない。とみきちが了解をとった上で、女性がかがまないですむようにカートのバッグの中へ本を入れさせていただく。当店で購入後お隣でも足を止められたことから、一店一店見ていらっしゃるご様子。からだへの負担があるはずなのに、本がお好きなんだな。お会いできてよかった。

こんなことを思った。年輩の方がかかんだまま本を探されるのは辛いだろうなと。といって、立ったままだと文庫本の(特に背表紙は)タイトルは読みとりにくい。

箱やかごを多く用意するのは、閉店後返送するにも、持ち帰るにも手間にはなるけれど、許す限り持っていこうと思った。均一料金で箱を分ける際も、ジャンルの似たものをできるだけ近くに置くように。アットランダムに並んだものの中から、お目当ての本を見つけだす楽しみもどこかで残しつつ、基本はやはりお客様が見やすいようにしていこうと。「とみきち屋」は品揃えの影響もあってか、若い方が極端に少なく、年輩の方が多いから。

高齢の男性が、空箱を立てた上に載せたかごの中の、森田草平『夏目漱石(1)~(3)』(講談社学術文庫)に興味を持たれた時には、<おっ、もしかして>。 しかし、(値段がご不満だったか、状態がよくなかったのか)あえなく撃沈。次にヘンリー・ジェームス『鳩の翼上・下』(講談社文芸文庫)を手にとられる。<大事に読んだ本だから状態はいい。でも値段が。これもダメかな・・・>と諦めかけていたところ、何と買っていただけた!「みちくさ市」は外国文学の動きがよくないですねと、プレ開催以来「あり小屋さん」と話していただけに嬉しい。そう言えばマルセル・エイメの福武文庫も店を離れている間に売れていた。こういう作品に興味のある方も来店してくれたのだなと思えたりする。自ら出品しておきながら変な感想ではあるが。

独特の雰囲気を持った女性がご来店。うまく表現できないのだが、単に本にかなり詳しいというだけでなく、自分の世界を持っていて、不思議なオーラを感じるというような。言葉はほとんどなく、じっと手にとった本と対話をしているようにも見えた。高見順『いやな感じ』(新潮文庫)、『昭和文学盛衰史』(講談社)、壇一雄『リツ子その愛・その死』(新潮文庫)をまとめて3冊ご購入いただく。

それぞれ単行本、文庫本、同じ文庫というように所有しているので出品したのだが、格別に嬉しい。

島尾敏雄『日の移ろい』『続・日の移ろい』他3冊購入いただいた女性ほか3人ほどから「ふだんはどこでお店出されてるの?」という感じで尋ねられ、言葉に窮したものの嬉しくなったのも事実。

「『パイプのけむり23』はないの?それだけ持っていないよねえ」と訊かれ、團伊玖磨の本とはわかっても、どうお答えしていいやら。

「ねえ、この市はいつやってるの?今日はちょっと買っている時間がないのよね」と話しかけてこられる女性や、林語堂『蘇東坡上・下』(講談社学術文庫)と小島政二郎『葛飾北斎』(旺文社文庫)を嬉しそうに購入されていく女性がいたり。

プレ開催以来勝手に私どもが「はにかみ高校生」と呼ばせていただいている高校生にも再び来店いただき、中野好夫『人間うらおもて』(ちくま文庫)を持ち帰ってもらったりと、もりだくさん。

昨秋の「一箱古本市」以来何かとお心遣いいただいている「四谷書房」さんにも購入いただく。ブログも読ませていただいて感じるのは、購入する本に「ポリシー」をお持ちだということ。私など、とにかく好きなものだけ、カオスの如く(笑)

同じく「一箱古本市」以来仲良くさせていただいている「もす文庫」さん。今回はmasubonさんには、小川洋子『沈黙博物館』(ちくま文庫)、ご主人には、水木しげる『猫楠』(ちくま文庫)を購入していただく。いつもありがとうございます!

四谷書房さん、もす文庫さんとも「不忍ブックストリート 一箱古本市」には5月3日(日)に出店されます。もす文庫さんのご主人が作られた新作バッジ素敵です。masubonさんが描かれた文庫カードのイラストもかわいい。(→こちら)

★とみきち屋は4日(月・祝)に出店いたします。

それから、それから。出店されていた「古書 北方人」さま、「嫌記箱(塩山)」さま、「たけうま書房」さま、「あいうの本棚」さま、「あり小屋」さま、「居夢来巣堂」さま、「ツグミ文庫」さま、「酒池肉林」さま、「岡崎武志堂」さま。お買い上げいただきありがとうございました。番頭風太郎が把握している限りなので、もし漏れていたらすみません。

とみきち屋から本をお持ち帰りいただいたすべてのお客さま、ほんとうにありがとうございました。

結果は130冊揃えて、87冊お買い上げいただきました。

やはりとみきち屋としては持ち込んだ本が多すぎたと反省。

プレ開催の様子から、こだわりの本以外は値段を最初から安めに設定したこと、最後の方にかなり値下げしたこと、文庫を多めにしたこともあって、単価は330円弱でした。

もっとPOPをつけたり、お話しできる機会を増やして、まだ読んだこと無い著者の本でも、読んでみようかなと買っていたげるよう、工夫をこらしていかねばと思うことしきり。

昨秋の「一箱古本市」の際は、ほぼ同数の85冊売れ、単価が530円ほどでしたので、かなり違うことは確かなようです。

客として買った本についても書こうと思っていたのですが、長くなり過ぎました。次回にします。

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「第1回みちくさ市」出店を終えて

風は強かったものの前日とはうってかわって夏のような陽気、晴天。さすが、<わめぞ>パワー。本部案内所に吊るされていた照る照る坊主の個性的なこと。
商店会会長奧さま作のチャーミングなのに比べ、わめぞチーム作の怪しげなものたちを何と表現すればいいやら。それでも、「古書往来座」瀬戸さんの「ハーリー(晴―りー)は、さすが瀬戸さんという渾身の作。が・・・「輝輝坊主」「十字架けんだま坊主」「耳無し芳一坊主」。誰の作とは申し上げませんが、この人、前から変だと思っていたが、想像を絶する(笑)。照る照る坊主はこちら()で見られます。
ともあれ、ほんとうに楽しい一日を過ごさせていただきました。

開店準備、値付け変更、レイアウト変え、店じまいなど慌ただしさと無縁ではないのですが、気持ちの面では穏やかな海にゆったり浮かんでいる気分。
これも実際の運営をされている、 「古書現世」向井さんを中心とする<わめぞ>の方々の行き届いたケア、商店街の方々のご協力あってのものだと、プレ開催の時以上に感じました。

何度も出店者のところに顔を出しては、「楽しんでもらっているかな。不安はないかな。」と様子を見に来られたり、一人で出店されている方の店番を替わったりと、大忙し。<わめぞ>の皆様ほんとうにありがとうございました。

店をたたむ頃、みちくさ市の幟をはずしている商店街の方に「お世話になりました」と声をかけると、「おつかれさまでした」と声を返してくださる。駅へ向かう途中、店先に腰掛けている方にお礼の声をかけると、にっこり微笑んでくださる。ああ、鬼子母神商店街の方々の温かい支えもあって、楽しむことができるんだなと、しみじみ思う。
そして、もちろん、足を運んでくださるお客様の存在。
参加者も楽しめ、何よりお客様にも喜んでもらえる。人と人が様々な交流をはかれる場としての「みちくさ市」、そして「古本市」には、(店主として参加できないことがあっても)、これからも足を運びたいという思いがますます強くなりました。

それでは、みちくさ市レポート始めます。今回は、<わめぞ>の方々、出店者の方々の話から。

<わめぞ>の組長(笑)、「古書現世」向井さん。初参加の方も、向井さんの器の大きさと気配りの細かさには驚かれたでしょう。今日ブログを拝見したら、1時間の睡眠とっただけで開催中も複数の取材を受けたり、記事のゲラチェックをしたりと、心配です。少しは休めるといいのですが・・・。

チャリンコお兄さん(?)、「古書往来座」瀬戸さん。あの改良を加えられた「ホンドラック」、誇らしげに屹立していました。(往来座)<のむみち>さんのブログにヒントを得て今回当店で用意した「東峰夫2冊セット」、残ったら必ず引き取るよ~と言ってくださったのに、早々になくなってしまい、すみません。

私どもの出店場所を担当していただいたNEGIさん。いろいろとありがとうございました。「最後に残っていたら」ということでご指名いただいた、大庭利雄『終わりの蜜月』。当ブログでとりあげた際、最初に注目していただいたNEGIさんの手に渡り、本も喜んでいると思います。

外市、月の湯古本市を含め、何度か<わめぞ>のイベントに足を運びながら、ご挨拶できなかった「立石書店」の岡島さん、リコシェの豆ちゃんさん(何とお呼びすればいいのか分からず)、お話しできて嬉しかったです。

武藤(良子)さん。全くと言っていいほどお話しできず残念でした。そろそろ伺おうかなと思ったら、4月28日(火)まで開催されているご自身の個展・《武藤良子個展 「耳朶とスプーン」》の会場へ行かれた後でした。

「旅猫雑貨店」金子さん。徹夜で出品される品をつくられていたと聞いたので、あの暑さの中、写真撮影に加え、スタッフとしてのフォローたいへんだったのではないでしょうか。
無理はお願いできませんが、金子さんの素敵な写真、心待ちしています。
お兄さまの「刃研ぎ堂」さんには、お姿を拝見できるだけで元気をいただけます。

荻原魚雷さん。魚雷さんがレジにいらっしゃったと、とみきちから聞き、そのお姿を見られず残念でなりません。何度かご来店いただき本を購入いただいたとのこと。ありがとうございます。

退屈男さん。初めてでしたね、あんなに本の話をさせていただいたのは。興味の対象が似ているのでとっても楽しかったです。

Pippoさん。あの強風では、大人もこどもも楽しめるファンタジックゲームも、きっとフル稼働とはいかなかったのでしょうね。
「ニューチンチロビルディングス3階建て」という棚、瀬戸さんのニューホンドラックに対抗できるか!?という意気込みは素敵ですが、(じっくり拝見しましたが)無謀です(笑)。でも、きっちり精巧に作られていたら、かえって違和感を抱いたかも。Pippoさんらしさはもっと別のところにあると思えるので。
先般のお返しということでしたが、貴重な冊子ほんとうにありがとうございました。感涙ものです。

当店にお立ち寄りいただいたナンダロウさん。バッグはすでに膨らんでいて、満足気なご様子。5月3日・4日開催(当店は4日出店)の「不忍ブックストリート 一箱古本市」では昨秋に続きお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

古本市出店3回目にして、初めて岡崎武志さんに1冊購入していただく。所有されていないとは思えない本だが、嬉しい。後から岡崎さんのところにお邪魔する。岡崎さんが今回軒先をお借りしたという「暢気堂」さんがどんなお店なのかも気になり。ディスプレイが美しく、並べられた本も品があって。クレーの絵を表紙にした吉行淳之介の文庫本がとても印象的でした。お店もさることながら、ほんとうに素敵なお二人でした。思わず長居してしまうほどに。
岡崎さんのおみくじ引いたら、何と「大凶」。おかげで、向井さんのお腹をたっぷり撫でることができました。「大凶」引いて嬉しいおみくじなんて他ではあり得ない。
岡崎さんがブログで、当店「とみきち屋」にとって(昨年のプレ開催以来)忘れられないお客さまの一人、「はにかみ高校生」に触れられたものだから、とみきちのブログ「とみきち読書日記」へのアクセスは異常な数になっているらしい。
あ~、よりによって私が店を離れている時にご来店されるなんて、痛恨の極み。会いたかった。

「あいうの本棚」さん。お会いできると何故かホッとし、いつも心が和みます。
プレ開催でお買い上げいただいた、栃折久美子『モロッコ革の本』喜んでいただけて嬉しいです。マキさんにはピッタリではないかと思っていたので。トモコさん、犀星本に関する話ほんとうです。だから、引き取っていただけよかったと思っています。購入した手作りのきれいな切手集、さっそく飾りました。

「あり小屋」さん。0歳とはいっても、4ヶ月半ほどの間にお嬢様大きくなられましたね。ご主人は看板娘と思っていらっしゃるようですが、奥様に替わるにはまだまだ当分先ではないでしょうか。
5月4日は一箱古本市」で(出店場所は違いますが)、またご一緒できますね。楽しみにしています。

「たけうま書房」さん。昨秋の一箱で出店され、ナンダロウさんの音楽御用達という噂も伺っておりましたが、お声をかけていただき、恐縮です。CDの視聴ができるスタイル、いいですね。素敵なご夫婦だなと思いました。

お隣だった「古本 寝床や」さん。店主とみきちの怪しげな売り方は参考になさらない方が賢明です。 一つ間違えるとお客様が引いて、逃げてしまいます(笑)。
さらに番頭は自分で本を選んでおきながら店を離れ、ふらふら歩き回る。一緒にいればごちゃごちゃ訳のわからないことを話すというありさま。
初参加、緊張もあって随分お疲れになったのでは。お一人での出店は慣れていてもたいへんだと思います。
あまりお話しできませんでしたが、私番頭は人見知りする性格ゆえ、初めての方とはうまく話ができず、口数が少ないだけなのです。2回目で「あれ?」という感じになり、3回目になるとがらっと性格変わります(笑)。またお会いできるといいですね。

「kan books」さん。同じ出店場所でありながら、お声もなかなかかけられず、すみませんでした。帰り際に頂戴したミルキー、疲れたからだにはとてもありがたく美味しかったです。ごちそうさまでした。そして、おつかれさまでした。

次回は、ご来店いただいたお客様や本にまつわることをご紹介します。

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「第1回みちくさ市」は明日・26日(日)開催です!!

残念ながら予報通りの強い雨となり、「第1回みちくさ市」は明日に順延となってしまったが、豊島区の予報を見ても、気温は20度を超える陽気。加えて太陽も顔を出してくれそうだ。きっと素敵な一日になるに違いない。

念のためですが、明日の開催告知に関しては、「みちくさ市ブログ」(→こちら)、「わめぞブログ」(→こちら)をご覧ください。朝7:00に発表されます。

皆様、是非遊びにいらしてください。

出品本送付前で、POPもついていない原形に近いものですが、「とみきち屋」はこんな感じ(写真)で出店します。華やかさなど微塵もない、小さな小さな古本屋(笑)。

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5月4日(月・祝)に参加する「不忍ブックストリート 一箱古本市」の出品本は別のものを考えています。

今朝は7:00に開催明日順延を確かめた後、2日続きで3時間睡眠はきつく、昼まで眠る。午後は箱から出した本で埋まっている自室を少し片付けようと思ったのだが、先日タワーレコードで視聴した際気に入って購入したスヴェトラーノフ指揮ミュンヘン・フィルのワーグナー曲集をかけてしまったのが失敗。聴き入ってしまい、作業まったく捗らず。

このCDが2,000円とはもうけもの。重厚、時に繊細。深い呼吸で一筆書きのような演奏。ライブでこれだけの演奏を成し遂げるのは驚異。「マイスタージンガー第1幕前奏曲」、「ローエングリーン 第1幕前奏曲」、「ジークフリート牧歌」がとりわけ気に入った。

部屋がちっとも片づいていないじゃない!と、とみきちにたしなめられる。確かに6畳部屋の床表出面積5%以下は、ひどすぎる(笑)。

夜になって、POPの中身を考案。作成は店主とみきちに任せる。お買い上げいただいた本に挟む予定の簡単な店案内も作成。しかし、文字だけのセンスのない代物。

作業はまだまだ続きそう。明日に備え、睡眠時間4時間半(人間の睡眠サイクルは90分単位と聞いているので)は確保したいが、どうなることやら。

「とみきち屋」は<名取ふとん店横駐車場>に出店いたします。

みちくさ市マップ(→こちら)と出店場所のご案内(→こちらをご参照ください。

※地図の中央よりやや上、メイン通りの左側(鬼子母神駅前駅から目白通りに向かって)。本部みちくさ市案内所の左斜め向かいあたりです。

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「第1回みちくさ市」 出品本の一部ご紹介

いよいよ記念すべき「第1回鬼子母神通りみちくさ市」が明後日土曜日に迫ってきた。受付から2時間ほどで出店枠が埋まるほどの人気イベント。昨年のプレ開催に参加したとはいえ、気持ちを新たに臨みたいし、楽しみでもある。
天気予報は、関係者、参加者、お客様の気を揉ませる情報を流してはいるが、こればかりはどうしようもないでしょう。土曜開催が万一ダメになったとしても、日曜がある。何としても出店したい、限られた時間でも構わないから、当店「とみきち屋」を鬼子母神通りに出現させたい!と気合いを入れるのみ。あてにならぬ天気に気持ちをそがれるなんてもったいない。
主催、協賛の方々の判断に従い、参加者としてはやれることをやるのみ。そんな気持ちでいます。

月の湯古本市にとみきち(妻)と足を運んだ際、二人して目を見張った「古書往来座」瀬戸さん製作のホンドラック。何と改良を加えられ、さらに素晴らしい棚に変身。(→こちら
とみきちが好き勝手な事を言っていたため冷や汗ものだったが、まさか(一部とはいえ)「こうなったらいいのになあ」という希望を取り入れていただけるなんて。是非、是非みちくさ市会場で見たい!!

本日出品本約130冊を2箱で送付。当初は100冊ほどと思っていたが、3冊、4冊セット本があったり、お客様の反応を見てみたいと思う本が最後の方で出てきてしまい、結果予定数をオーバーしてしまった。

それでは、出品本の中から一部をご紹介いたします。

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〔 文庫本+単行本2冊セット 〕
■ 東峰夫 『オキナワの少年』『ママはノースカロライナにいる』
■ 吉田知子 『無明長夜』『山鳴り』

〔 文庫本特別セット 〕
■ 森田草平 『夏目漱石(1)~(3)』 (講談社学術文庫)
■ 和辻哲郎夫妻書簡 3冊セット (講談社学術文庫) 
■ 倉田百三 角川文庫絶版4冊セット など。

〔 小説の本 〕
■ 後藤明生 『小説-いかに読み、いかに書くか』 (講談社現代新書)
■ 加賀乙彦 『日本の10代小説』 (ちくま文庫)
ほか、手頃な新書・文庫10冊ほど。

〔 単行本 〕
● 蜂飼耳、荒川洋治、梅津時比古、石上玄一郎、佐々木基一、杉本秀太郎、吉本隆明、唐十郎ほか。
 とみきち屋お薦めは、大庭利雄 『終わりの蜜月 大庭みな子の介護日誌』(新潮社)です。

〔 文庫本 〕
■『改版 維摩経』、『レヴィナス・コレクション』、『蘇東坡 上・下』、『リツ子その愛・その死』、『文士の風貌』、『いやな感じ』、『書痴半代記』、『気まぐれ美術館』、『楽天記』、『河童のコスモロジー』、『聖書の常識』、『毒舌日本史』、『梶井基次郎全集』、『鳩の翼』、『獲物の分け前』 ほか多数。

当店「とみきち屋」の出店場所は、<名取ふとん店横駐車場>です。
皆様のお越しをお待ちしております。

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歌の力、声の魔力 スーザン・ボイル -YouTube視聴4,300万回超え-

よほど興味のある話題を除き、普段YouTubeを利用することはほとんどないのだが、たまたま記事で見かけ,スーザン・ボイルの歌を視聴し驚愕した。もう既に日本中、いや世界中の話題を独占していることも知らなかった。

スコットランドに猫と暮らす47歳、無職の独身女性が、イギリスのオーディション番組で歌を披露する。12歳から歌ってきた彼女は、多くの人の前で歌い、歌手になりたいという夢を抱いている。町というより村の集まった田舎から出てきたという彼女の見かけはぱっとしないが、歌う前からおどけて見せたり、審査員や会場の失笑など何するものぞと、自信に漲っている。
47歳という年齢も私のひとつの側面でしかないと審査員にきっぱりと言う彼女。そう、年齢など関係ないのだ。
第一声を聴いた瞬間の人々の反応、その後の興奮は実際に視聴してご自身で確かめて見てください。(→こちらhttp://www.youtube.com/watch?v=wnmbJzH93NU&NR=1  )

何が素晴らしいか。彼女の歌には魂がこもっている。彼女の人生そのものがみごとに歌に昇華されている。そのさまが人を感動させる。人の歌声の力をあらためて深く感じさせてくれた。

曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』から「夢やぶれて(I dreamed a dream)」。永遠に続くと思っていた夢が儚いものと知り、人生が夢を破ってしまった嘆くせつない歌なのに、彼女が歌うと不思議なことに「希望の光」が見えてくる。
低音部がややつまって伸びないようにも聞こえるが、そんな瑕疵は全く気にならない。(本格的なレッスンを受ければきっと克服されるはず)。
エンターテインメイント番組の演出も感じられはするが、最後の彼女の涙は嘘が無く、美しい。
抜群の歌唱力であることは誰もが認めるところであろう。しかし、大事なのは、歌のこころ。彼女は人の魂を揺さぶる何かを持っているように思える。これからデビューし、世界中で注目されていくなかで、彼女の原石としてのきらめきが損なわれないことを願う。

それにしても、人の歌声というものはなぜかくも魅力にあふれているのだろう。人はどうして歌に心を揺さぶられるのだろう。
人のからだを通して発せられる声は、物である楽器では決して出せない音。そして素晴らしい歌には普遍的な「物語(ストーリー)」があるからだろう。

嫌なニュースの多い昨今、清々しいものを見せてもらった。

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本あれこれ

平日の夜は「みちくさ市」「一箱古本市」に向け、少しずつではあるが準備を進める。引っ越しで業者が嫌がるのも本の詰まった箱。むべなるかな。候補となる本が入っている20以上の箱を家中移動させる作業で運動部の合宿状態。全身筋肉痛(笑)

旅猫雑貨店の金子さんがつくった「みちくさ市」案内のバナーが素敵だ。しかも、フラッシュする写真はプレ開催時のものが使われているが、最初に出てくるのが当店「とみきち屋」の写真。わかるのは自分たちだけだが、わけもなく嬉しい。

16(木)は神保町で仕事があったので、合間にブックダイバーでで開催されている「ふるぼん秘境めぐり」〔19(日)まで〕を覗いてみる。四谷書房さんが参加しているからだ。普段置かれているソファーがどけられ店内中央や、ダイバーさんの棚の前に参加店の棚や本を展示した椅子などが並べられている。各店舗が特長を出した品揃えで、短時間ではあったが楽しめた。
四谷書房さんからは■ 百目鬼恭三郎『読書人読むべし』(新潮社)を購入。他店からは■『ヴィヨン全詩集』(岩波文庫)。

仕事帰り、やや遠回りして某古書店へ。外に出ているワゴン(100円均一)から

■ 坂本雅之 『アメリカ・ルネッサンスの作家たち』(岩波新書)
これで3冊目か。英文科に入った際お世話になったが、内容も充実している。ホーソーン、エマソン、ホイットマン、メルヴィル、ソーロウなどがとりあげられている。
■ 飯沢耕太郎『写真とことば』(集英社新書)
■ 瀬戸内晴美『余白の春』(中公文庫)
朴烈事件で大逆罪に問われ獄中で縊死を遂げた金子ふみ子を描いている。ようやく手に入れることができた。ブックオフでも瀬戸内晴美の中公文庫は意外と少なく、特にこの本は一般の古書店でもなかなか見つけられなかった。
金子ふみこによる手記、 『何がわたしをこうさせたか-獄中手記』(春秋社)は一読の価値あり。

店内で
■ 堤 重久『太宰治との七年間』(筑摩書房) 500円
高校入学後すぐに読んだ同じ著者の『恋と革命 評伝・太宰治』(講談社現代新書)は、太宰関連本の中でもひときわ愛着を持っている。
「一箱古本市」でテーマの一つとして「太宰と安吾」を決めていたことが幸いして、私を招いてくれた気がする。大事に大事に読みたい。

今日17(金)は新刊書店へ。新潮新書の関川夏央『新潮文庫20世紀の100冊』、小谷野敦『 『こころ』は本当に名作か』が目に止まりパラパラと立ち読み。関川本には、辻仁成『海峡の光』が選ばれているのを見て唖然。まえがきに、全書を鑑賞したわけではなく「歴史」として読んだというようなことが書いてあり、やや納得。しかし、本書成立までの特別な経緯もあったのだろうが、著者自身がお薦め本とは違うというようなニュアンスのことを書いている。
小谷野本。博学ぶりは相変わらず。しかしいつものあの毒気は感じられない。資質に合わない、同じ経験がないと共感できないだろうなどと、「疑わしい名作」に関し説明していて、拍子抜け。タイトルも陳腐。
2冊とも著者の資質が発揮されているように思えない。薄められているというか、ぬるい。新潮新書に文芸関連の名著が少ないのも肯ける。
ブックオフで105円なら、小谷野本は読んでみようかなという程度。
関川本は『本よみの虫干し』(岩波新書)があれば十分か。

その後講談社文芸文庫のコーナーに寄るも、買って近い内に読みたいと思える近刊はなし。仕方なく、吊されている目録に目を通し品切れをチェック。 えっ!? 川端康成『文芸時評』に品切れの白星マーク。慌てて棚に目を走らせると1冊残っていた。これはなくならないだろうと高を括っていたのが間違い。講談社文芸文庫は油断がならない。1,680円という文庫とは思えぬ値段だが購入。

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ついに発売!! 山田詠美編 『幸せな哀しみの話』 心に残る物語―日本文学秀作選(文春文庫)

この日を鶴首して待っていた。山田詠美が独自に選んだ日本文学作品のアンソロジーがようやく出た。『幸せな哀しみの話』(文春文庫)。文春文庫創刊35周年企画「心に残る物語―日本文学秀作選」のひとつ。
この企画、第一弾は2004年12月宮本輝編『魂がふるえるとき』、続く第二弾が2005年5月浅田次郎編『見上げれば星は天に満ちて』。山田詠美の名が三番手として挙がっていたので楽しみにしていたものの、半年経っても、一年経っても発売されないので諦めてしまっていた。それだけに喜びもひとしお。

小説のために磨かれた大人の舌にこそ相応しい、幸せな哀しみの味を選ばせていただいた。確かな言葉が、言いようのないやるせなさを引き立てる、美味なる綴れおりの数々である。
(略 山田詠美による作品解説)
どの作品にも、大人の手練の舌と共に、子供の純朴で綺麗なままの舌も、ちゃんと残されているような気がするのである。読み手であり、書き手であるというのは、そういうことなのかもしれない。酸いも甘いも噛み分けるには、あえて噛み分けない手管も必要だということだ。それを駆使した小説の数々である。読んでいただければ、必ず味覚は進化する。

あとがきに書かれた山田詠美の言葉が、掲載された作品に共通するエッセンスと味わいを尽くしている。各作品の短評も秀逸。
以下が掲載作品。

● 中上健次 『化粧』
中上健次の小説はすべて読んでいる。これは中上初期の作品で、「死」のイメージが色濃く漂い、描かれる情景の象徴となる色彩も生死のあわいを巧みに表現している。叙情的とは決して言えないが、中上特有の暴力的な発露もなく不思議な味わいを持つ作品となっている。

● 半村良 『愚者の街』
直木賞を受賞した『雨やどり』の中の一編である。私は半村の酒場シリーズを好む。バーテンダー仙田の諦念を湛えた静かで、優しい目。が、矜持も捨てていない風情がたまらない。続編と言える『たそがれ酒場』もいい。短編集『忘れ傘』も半村ならではの作品だ。

● 赤江瀑 『ニジジンスキーの手』 ● 草間弥生 『クリストファー男娼窟』
● 遠藤周作 『霧の中の声』
この3編は未読。赤江と草間の文章は一度も読んだことがない。遠藤周作が怪奇小説を書いていたとは知らなかった。いずれにせよ、山田詠美が選んだのだから楽しみだ。

● 河野多恵子 『骨の肉』 ● 庄野潤三 『愛撫』
河野多恵子の小説は好みとはいえないが、『骨の肉』は代表作ともいえる秀作。
庄野潤三といえば『プールサイド小景』『静物』『夕べの雲』など、衆知の名作がすぐに思い浮かぶが、『愛撫』は文壇デビュー作。私は、講談社文芸文庫『愛撫 静物』が2007年夏に発売された時に初めて読んだ。

● 八木義徳 『異物』
山田詠美は今回と同様のアンソロジー集、『せつない話』(光文社文庫)の中でも八木義徳の作品を選んでいる。そこでは、八木の名作中の名作『一枚の繪』を。八木義徳はもっと注目されていい作家ではないかと思う。福武文庫がなくなってしまったためとはいえ、『家族の風景』も文庫では読めないなんて。『私のソーニャ 風祭』(講談社文芸文庫)も品切れになってしまったようだ。

ついでという訳ではないが、宮本輝編『魂がふるえるとき』、浅田次郎編『見上げれば星は天に満ちて』についても少々。
宮本輝はさすがと唸らせる選であった。開高健『玉、砕ける』、川端康成『片腕』、永井龍男『蜜柑』、泉鏡花『外科室』ほか、読書好きなら必ず読んでいるはずのものがほとんどではある。しかし、わずか5ページ弱しかない、川端康成の『有難う』。1ページ(400字小説)で描かれた井上靖の『人妻』を選んだところに宮本輝の作家としての目の確かさ、凄みを感じる。お薦めです。

期待が大き過ぎたのか、浅田次郎の選はもうひとつだった。巻末の作品評はさすがだが。浅田は自ら書く以外は、やはり書評がすばらしい。そのことについては、以前当ブログでも書いた。興味ある方は(→こちら

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「不忍ブックストリート 一箱古本市」 出店場所決まる

5月3日、4日と連続開催される「第8回 不忍ブックストリート 一箱古本市」における当店「とみきち屋」の出店場所が、5月4日(月・祝)「映画保存協会」に決定しました。
出店場所、および両日の全店主一覧は「本と散歩が似合う街 不忍ブックストリート」で紹介されています(→こちら)。

大家さんになっていただく「映画保存協会」さまのHPでは、イベント案内「一箱古本市ウイーク2009」において店主紹介をしていただいており、恐縮です。また、同じ場所で出店する「料理書専門古本屋onakasuita」さんからは早々にコメントいただき嬉しく思います。

実行委員会より送っていただいた店主マニアル、スリップ作成例ほかの資料はわかりやすく、とても丁寧なもので、初めての方でも安心して参加できると思います。見ているだけで楽しい不忍ブックストリートMAP、充実の企画満載「一箱古本市week」案内ちらしの作成、配布などもさぞかしたいへんではなかったかと察します。関係者の方々にはただただ頭の下がる思いでいっぱいです。

「とみきち屋」が出店する5月4日(月・祝)は、南陀楼綾繁さんのところの「古本けものみち」、文藝雑誌「yom yom」(新潮社)のスタッフ、有名な豊崎由美さんと池袋コミュニティカレッジの書評講座メンバー、晶文社勤務やT大生協書籍部の方々なども参加されるようなので楽しみ。時間が許せば是非見に行きたい。圧倒されへこみそうだが(笑)、それもひとつの経験。 根津教会で出店される「あり小屋」さんにも行かなくては。10ヶ月になられるかわいいお嬢さんにもお会いしたい。
そういえば、T大生協書籍部の方々による「どすこいフェスティバル」さんは同じ会場。昨秋はあまりの安さに他店主が退いてしまったらしいので、驚異だ。うちは、それほど安くはないから(汗)。出品本が重ならないことを祈ろう。

5月3日(日・祝)は昨秋開催の時同じ会場となり、それ以来親しくさせていただいている「四谷書房」さん、「あいうの本棚」さん、「もす文庫」さん。みちくさ市プレ開催の時にいっしょだった「ドンベーブックス」さんが参加。そしてあの岡崎武志さん「岡崎武志堂」も参加されるので、足を運びたいと思う。

昨秋はビギナーズラックもあり、「ナンダロウ賞」を戴き、売上げ冊数3位、金額も3位に少し及ばずと健闘できたが、「一箱古本市」における当店「とみきち屋」のスタンスは崩さないようにしたい。
サブカル系、ビジュアル系はほとんどありません。音楽本はクラシックのみ。今流行の落語関連も皆無。なので、興味の無い方はちらっと見ただけで通り過ぎて行かれます。でも、自分が読んだ本は、少なくとも読むに値したと思えるもの。出品本の最低6割は同じ本を所有し続けているという基本姿勢は守りたいと思っています。従って、ジャンルは限られてしまっても、売上げ成績狙いで「とみきち屋」の色を失うようなことは避けたいなと。
この土日の2日間、家中に散在(散乱?)している箱から本を取りだしては頭を悩ますばかりで、作業は遅々として進まず。4月25日(土)には「みちくさ市」にも参加するので、振り分けも難しい。

洲之内徹の本は単行本+文庫本セットでは中途半端だ。単行本は自分用に残しておいて、やはり新潮文庫3冊セットがいいな。
足立巻一『虹滅記』『やちまた 上・下』は「みちくさ市」ではなく、「一箱」のほうが似合うかな。3冊セットでいこうか・・・。
吉田健一訳ということでパトリシア・ハイスミスを出すなら、同じ<ちくま文庫>のイーヴリン・ウォーも出してみようか。
出店場所との縁もあるから、映画の本はどうだろう。しかし、映画には詳しくないのでこれといったものが無い・・・。そうだ、淀川、蓮実、山田の鼎談『映画となると話は・・・』とかいうタイトルの本を昔読んで、どこか押入奧の箱にしまい込んでいるはず。
昨秋出品して喜んでいただいた五味康祐の音楽本も出したいところだが、ストックがわずかしかないので迷う。

などと、思いをめぐらせながら、様々な箱を開けてはひとりごちている。「一箱」用と「みちくさ」用の選り分けもまだ終わらず、値付けどころではない。
2週続けての古本市参加は思っていた以上に厳しい。

昨秋「一箱古本市」(2008年10月12日開催)に参加した時にはまだブログを始めていなかったので、店主とみきち(妻)のブログの中で体験記(レポート)を書きました。まだ「とみきち屋」のことをご存知なく、かつ興味を持たれた方は、よかったら読んでみてください。

体験記はこちらで読めます→ ■体験記(1)  ■体験記(2)  ■体験記(3)

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「第1回 鬼子母神通り みちくさ市」 参加決定

昨年のプレ開催に続き、<わめぞ>協賛「第1回 鬼子母神通り みちくさ市」参加決定しました。「とみきち屋」として〔名取ふとん店横の駐車場〕に出店します。

昨夜22:00の申し込み開始から2時間少しで定員に達し締め切ったらしい。<わめぞ>の認知度、人気が高まっているだけでなく、<わめぞ>の人たち、その周辺の人たちの魅力もあるのだと思う。

正式申し込み受け付けのメールが、「古書現世」の向井さんから届いたのが深夜3時過ぎていたので、向井さん大丈夫だろうか・・・と心配しつつ、本日帰宅後ブログを見たら、「自分が参加者だったら早く出店場所知りたいし、出店マニュアルもほしい。」「全部に返信してしまい、気づいたら朝方4時近くに。自宅に戻って即死。」とあった。お気持ち嬉しく思います。受け付けのスタッフだった退屈さんも、ありがとうございました。

プレ開催でお隣だった「あり小屋」さんも参加されるみたいなので、当日は遊びに行こう。また、昨秋の「一箱古本市」でお隣になって以来、親しくさせていただいている「あいうの本棚」さんも(プレ開催に続き)参加されるようなので、嬉しい。今度はどんなレイアウトの店作りなのだろう。出品されるものも含め、今から楽しみだ。

当店主とみきちは、傍で見ていてもおそろしいトークでお客様に本を持ち帰らせてしまうことがあるので、ご一緒させていただく「古本 寝床や」さん、「kan books」さんを唖然とさせてしまうのではないかと心配だ(笑)。番頭風太郎共々ご迷惑をかけないよう、気をつけねば。

<わめぞ>といえば、武藤さんのブログを読んで驚いた。武藤さんが銭湯若葉湯目指して四谷まで歩いたという日、私も新宿通りを四谷に向かって歩いたからだ。中央線に乗る前、懐かしさに駆られJ大前の堤でしばし一人お花見。ぐびぐびビール飲んで歩いている武藤さんとばったり遭遇していたらどうなっていただろう。ビールを追加したら一緒にお花見していただけたかも。そうしたら、「野人」(武藤さん自称)ならぬ、「詩人」(風太郎呼称)のように素敵な言葉を聞けたに違いない。

そうそう、Pippoさんが約2ヶ月ぶりに「~pippoの思索劇場~」を更新している。ファンとしてはとても嬉しい。書かれていることはちょっぴりディープ。でも、「人生の不条理という経験をバネに強く在ろう」とするPippoさんの姿を垣間見れた。Pippoさんは4月25日の「みちくさ市」でも、「チンチロリン商店」に訪れた人々を和ませてくれるでしょう。

自身の「みちくさ市」「一箱古本市」の準備は一向に進まず。こんなことでいいのだろうか。ギリギリにならないと重い腰の上がらない悪しき習性は直しようがないのかも。

今日立ち寄った古本屋でおや!?っと思う本を見つけ、一冊購入。

■滝村隆一 『アジア的国家と革命』 (三一書房) 1,000円

『マルクス主義国家論』『新版 革命とコンミューン』『北一輝論』『世紀末「時代」論』ほか読んだが、この本は未読。最近マルクスに関連する本をパラパラと再読しているので買ってみる気になった。本来なら、6年前に発行された『国家論大綱 第一巻』(勁草書房)を読まねばならないのだが、その質・量からして山ごもりでもしなければ、今の自分には読み通せそうにない。

さらにブックオフで。

■ 「文藝春秋2009年 新年特別号」と「文藝春秋2009年 四月号」を各105円で入手。

前者は、梯久美子による特集「昭和の遺書[53通]」、後者は村上春樹の独占インタビュー&受賞スピーチ「僕はなぜエルサレムに行ったのか」と半藤一利らによる「教科書が教えない昭和史」が目当て。図書館でコピーをとるよりも安い。村上春樹の記事を早速熟読し、「何を考えているのだろう・・・危ういな」と思うところ大。

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桜のトンネルを抜け「月の湯古本まつり」へ

4月4日(土)、<わめぞ>メンバー武藤さんのブログで推薦されていた道を辿りながら、とみきち(妻)と共に「月の湯古本まつり」を訪れた。神田川沿い江戸川公園の桜並木、それはそれは見事なものだった。サンドウィッチを頬張りながら何年かぶりの夫婦二人でのお花見。椿山荘の庭、芭蕉庵もゆっくり散策したい気持ちに誘われたが、午後遅めに家を出たので今回は諦める。

昔ながらの銭湯に足を踏み入れるのは40年振りだろうか。何とも言えぬ郷愁に誘われる。小学校1年生2学期に団地に引っ越すまでは、毎日のように通っていた銭湯。行き帰りも含め、日常とは違う不思議な時空間を子どもながらに楽しんでいた。実際に月の湯を訪れることで、『オ風呂ノ話。』を著し、銭湯という文化をひとりでも多くの人に伝えようとしている武藤さんの気持ちを実感できた。

その武藤さんには、3月の「外市」の際に交わした約束通り缶ビール2本(別銘柄)を差し入れ。2本同時にぐびぐびブレンド飲みするかと思いきや(笑)、1本は退屈男さんへ。優しいなあ。

武藤さんから、吉祥寺にある藤井書店さんを紹介してもらう。一階と二階では本の扱いが違うらしく、二階が開いている時がいいとのアドバイス。すかさず、「火曜の定休日以外開けてますよ!」と、藤井書店さん。

退屈男さんの退屈文庫、今回は気合いが入っていた。多くの本にセロファン紙がかけられていて、表示を見るまで退屈文庫とは気づかなかった(笑)。本を見ていると、横にいた若いカップルの女性の方が、三國連太郎・沖浦和光『「芸能と差別」の深層』(ちくま文庫)を手にとり、「これすご~く面白かったよ。三國連太郎って俳優なのに、いろいろ勉強していて知識も豊富でびっくりした」と、連れの男性に薦めている。こういう会話が漏れ聞こえてくるのも楽しい。結局買って行かれたようで、そのことを退屈さんに伝えると喜んでいた。

退屈さんには、(デジカメに収められた)部屋の片付けの経過がわかる写真を見せてもらう。ブログを読んでいたのでかなりの本を処分したのだなと思っていたが、実は3分の1でしかないらしい。出品している本の質、所蔵している本の量は、退屈さんの年齢を考えるとすごい。

読了後処分してしまった■石川淳『安吾のいる風景・配荷落日』(講談社文芸文庫)■吉村昭『私の文学漂流』(新潮文庫)を退屈文庫で再購入。

月の湯入り口横に素敵な雑貨を並べていた「旅猫雑貨店」の金子さんとは、先日開催された「おさんぽ市」をプロデュースされたお兄さま「研ぎ猫」さんのお話しを。腰が低く、いつも明るくその場を和ませてくれる方。<わめぞ>の方々が研ぎ猫さんのお宅に集まっては、よくご飯をご馳走になっている様子が色々なブログで書かれている。人が集まるのがお好きだとか。

そこへとみきちがやって来て、この本を買うよと■細川護貞『細川日記』(中公文庫)を見せる。スリップを「ニシオギ」と読み違えると、金子さんが、「それはニシアキですよ」と「西秋書店」さんのことを丁寧に説明してくださる。なんと、何度も足を運び何冊も本を購入したことのある神保町の書店!本好きを自称しながら書店名を覚えようとしない私の欠点をさらけ出してしまった(笑)

さっそく棚を見に行くと『sumus』のバックナンバーでほしい特集が2冊あったものの、稀少なゆえ値段が少し高めで手が出ず。しかし、いい本が揃っていた。

「古書現世」の向井さんは帳場のレジのところにど~んと坐っていらっしゃる。その姿はまさに親分。しかし、あらゆるところに視線を送り、気配りしているのがわかる。

身内ともいえる<わめぞ>の方々と、客として訪れる私たちや、みちくさ市に参加する時の私たちとの関係性を瞬時に判断し、状況に応じ、的確な言葉を選んでいることを向井さんからは感じる。武藤さんに差し入れしたことは早々と伝わっていたようす。「すみません。次は向井さんにも。お好みは?」と尋ねると、ひと言「現○」。絶句(笑)。

答えに窮し、「これまで向井さんのところの本を一番多く買っているので、それで何とかお許しを」。 ご了承いただけたかどうか(笑)

今回、20年近く探し続けてきたものの手に入れられなかった1冊を「古書現世」さんで購入。

■五味康祐『オーディオ教室』(ごま書房)

手元にあるのは父から譲り受けたものだが、自身書き込み、線引きしてしまっていてボロボロに近い状態。しかも、カバーがない!初めてカバーを見ることができ感涙。五味さんの強烈な顔(イラスト)が表紙を飾っているとは想像もつかなかった。しかも250円という信じられない値段。向井さんが仏様のように輝いて見えた。

他には、■シオラン『四つ裂きの刑』(法政大学出版局)■平岡正明『大革命論』(河出書房新社)をこれまた他では考えられないような値段で購入。

欲しい本をこういう値段でバンバン出してもらえると、向井さんの追っかけになってしまいそうで怖い(笑)

ブログでしか拝見したことのない仙台の「火星の庭」さん。出品されている本は私の好みと重なるものが多かった。所有していなければ何冊も購入していたに違いない。■中村光夫『谷崎潤一郎論』(新潮文庫)を購入。できることなら、仙台へも一度行ってみたいものだ。

「古書ほうろう」の宮地さんご夫妻と久しぶりにお会いでき、嬉しかった。月の湯内にお二人で「萬福亭」というお店を出していたのには驚いた。大人気のチキンライスは残念ながら売り切れ。初めてお会いした時からの印象は変わらず、知的で穏やかなお二人。

宮地さん(ご主人)からは「一箱にはまた参加していただけるみたいで、楽しみにしていますよ」と言っていただく。恐縮するとともにいい意味でのプレッシャー(汗)

一人で本と戯れていた世界から(この半年で)、本と関わるいろいろな方と出逢えるようになったのも、昨秋の一箱古本市に参加したことが大きなきっかけだった。その中でも、開店後まもなく宮地さんに「いいですねえ。好きですよ、こういうの」と声をかけてもらえた事が、どれほど力になったか。5月の「不忍ブックストリート 一箱古本市」への参加を4日(月・祝)にしたのは、実を言えば不忍通りを挟んで古書ほうろうさんの店舗がある側で出店したかったから。(出店場所がほうろうさんの近くになったらなあという淡い期待もあって) 場所が決まったら、下見を兼ねてまたお店の方に伺おう。

Pippoさんのゲームコーナーはいつもながらこどもたちを中心に大盛況。こどもが熱中しているうしろ姿は愛らしく、ほのぼのとさせてくれる。私も今回はゲームに参加、大はしゃぎ。最初だけキノコを釣ったが、虫らしき不思議な物体が妙に気にかかり、釣り上げる度にPippoさんが説明してくれる。「これはナメクジ」。ふむふむ。「これはいちおう、おたまじゃくしのようなもの」には、瞬間お腹をかかえて笑ってしまった。Pippoさん、ごめんなさい。時間をかけ紙粘土でつくられた作品だというのに。よ~く見ると、小さな目が二つ描かれていて、まさにおたまじゃくしでした!

名古屋で出品した詩集は稀少で貴重なものが多く、大評判だったと聞いていたので、そのことに触れると、「私は何度も読んだので、読みたいと思う方に読んでもらえたら」と。こういう想い好きだなあ。私など、大事な本は2冊ないと、「誰かに」という気持ちになかなかなれない。

武藤さんには缶ビールを差し入れしたのでPippoさんには複数所有している本の中から、外市で話題にした作家関連の文庫2冊を進呈。というより、押しつけ(笑)。

帰り際、「古書往来座」の瀬戸さんにとみきち共々「ホンドラック」の説明をしていただく。どれだけ苦労された末に出来上がったすぐれものかがわかる。ホンドラポールの差し入れ口の穴が1㎜たりとも狂いが出てはならないばかりか、微妙な全体のバランス、強度を考えた上での作品。ほんとうに丁寧な作業、そしてその情熱!

「今日は瀬戸さんのところの本は買わなくて・・・」と言うと、「いや~、本を買っていただけなくても、こんなにホンドラックに興味を持っていただけて、説明まで聞いてもらえたので、それだけで嬉しいです」と話す瀬戸さんの笑顔がとても素敵だった。

会場内では、いつ休んでいるのだろうかと思えるくらい、出品者の棚や箱に目を配り、忙しなく本を補充していた瀬戸さん。今度は本の話もさせていただきたいなと思う。

女性のお客様が多かったのが印象的。キレイでかわいい雑貨や小物も目を引くのだろうが、屋内でじっくり、ゆったり見れるのがいいのかなと思ったりした。加えて銭湯という不思議な空間も魅力なのだろう。もちろん、男性の方にもお勧めです。新しい発見があるに違いないので。

当日の様子は、同行した妻(とみきち)がブログ「とみきち読書日記」で写真をアップしております。よろしかったら、そちらの方もご覧ください。

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