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古本一週間

先週土曜、いつものように地元馴染みの古書店に段ボール2箱処分。それから、一週間。(私にしては)かなりの数の古本を購入。古本屋に足を運ぶのは、やはり楽しい。背表紙を見ているだけのこともあれば、見たこともない本をそっと書棚から引き抜いて、ぱらぱらと目を通すこともある。気になったら値段を確認。「またいつか機会があったらな」(笑)と書棚に戻すことのほうが多いものの、「(俺を)待っていたのか」と、迷わず買うこともある。しかし、やたらと手にとったりはしない。長年の古本屋通いで培った勘を頼りにする。自分に合っている本かどうかを。加えて、店への配慮もある。もちろん、探していた本は、よほど高価でない限り購入する。5年かけて見つけるなんてことはざらだ。これはいわゆる古書店の場合。

ブックオフとなると買い方が変わる。定価の半額でも高いなと思える本は買わない。単行本均一500円とか、値札の半額セールを待つ。もっともセール当日の朝から行けることはほとんどないので、そう簡単にいい本を見つけることはできない。仕事の合間、仕事帰りとなると、セールをやっている日かどうかという巡り合わせもある。
(昨秋)古本市に参加するようになってから自身変わったのは、既に持っている本でも、人に提供したくて探すようになったことだろうか。1冊しかないと自分の蔵書からは出せない。そういうものは半額でも買う。また、今年もできれば古本市に参加したいと思っているため、自分の蔵書だけではもうひとつぱっとしない場合、値段に関係なく買うこともある。例え数は少なくとも、テーマをいくつか設けて出品したいからだ。
それでは、この一週間の購入本をご紹介。古書店5軒、ブックオフ5軒にて。

■ 豊崎光一 『クロニック』(風の薔薇叢書) 800円
『他者としての忘却』 『ファミリーロマンス』 『余白とその余白または幹のない接木』などを処分してしまったことを後悔していた。久しぶりに豊崎光一の文章が読める。
■ E・Hカー 『カール・マルクス』 200円
■ 北博昭 『二・二六事件全検証』(毎日新聞社) 300円
■ 霜山徳爾 『仮象の世界』(思索社) 
あのフランクル『夜と霧』の訳者。この人の『人間の限界』(岩波新書)、『人間の詩と真実』(中公新書)、『素足の心理療法』(みすず書房)、『共に生き、共に苦しむ』(河出書房新社)など、どれも読み応えがある。驚くべき幅広い教養、深い洞察力。
■ 結城信一 『結城信一 評論・随筆集成』(未知谷) 1500円
前回当ブログで書いた、荒川洋治『読むので思う』の中で触れられていたので欲しかった。まさかこんな値段で手に入れられるとは!
クルト・リース 『フルトヴェングラー 音楽と政治』(みすず書房) 
以前処分してしまったので買い戻し。やはり手元に置いておきたい。
■ 足立巻一 『やちまた 下』(朝日文芸文庫) 
これでようやく上下揃い2セットになった。1セットはどうしても手放したくない。しかし、いつか誰かの手に渡ってくれればと下巻を探し続けていた。足立巻一といっても、興味のない方には無縁ではあるが。
■ 荒巻義雄 『柔らかい時計』(徳間文庫) 
昔、高校バレー部後輩の兄から薦められて読んだものの、知らないうちに無くなってしまった。一緒に買って読んだ『神聖代』(徳間文庫)は残っているのだから、恐らく間違えて売ってしまったのだろう。もう無理と諦めていたが、ようやく手元に戻ってきた。27年振りだから、奇跡に近い。
■ 渡邊二郎 『芸術の哲学』(ちくま学芸文庫) 400円
■ 長谷川如是閑 『ある心の自叙伝』(講談社学術文庫) 

〔ブックオフ 105円〕

■ 松本健一 『大川周明』(岩波現代文庫)
■ 石原吉郎 『石原吉郎詩文集』(講談社文芸文庫)
■ 弘津正二 『若き哲学徒の手記』(講談社学術文庫)
■ 北杜夫・辻邦生 『対談 若き日と文学と』(中公文庫)
■ 増田彰久・藤森照信 『アール・デコの館』(ちくま文庫)
■ 福永武彦 『塔』(講談社文庫)
■ 日影丈吉 『女の家』(徳間文庫)
■ 森敦 『わが青春 わが放浪』(福武文庫) 
■ 巌谷大四 『懐かしき文士たち 戦後篇』(文春文庫)
■ 吉田さらさ 『京都、仏像をめぐる旅』(集英社be文庫)
■ マラマッド 『アシスタント』(新潮文庫)
■ モーパッサン 『死のごとく強し』(新潮文庫)
■ 清水多吉 『ヴァーグナー家の人々』(中公新書)

クラシックCD(ブックオフ)500円

● ベートーヴェン「運命」、シューベルト「未完成」 クレンペラー指揮 ウィーン・フィル
● シューベルト「グレート 他」 クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィル
 いずれもドイ・グラムフォン国内盤(現ユニヴァーサル) ライブ録音

この一週間は怖くなるくらい、恵まれた。

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