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2009年 古本買い初め

古本、新刊を問わず本屋には、できるものならわずかな時間でも構わないから、毎日でも訪れたい。この性癖は生涯直らないように思える。正月2日から早速行動開始。

2日 ブックオフ
● 大原富枝『息にわがする』(朝日文芸文庫) 『地上を旅する者』(福武文庫) 各105円
 私にとって、好きな作家と言うよりは、読まねばならぬ作家という位置づけである。事実、『婉という女』『アブラハムの幕舎』には圧倒された。『建礼門院右京大夫』には唸った。『息にわがする』はまだ読んだことのないエッセイ集。 『地上を旅する者』は今から読むなぞ、遅すぎるくらい。これに続く『地籟』(文藝春秋)も年内には何とか見つけて、読みたいと思っている。
● 『現代短編名作選2 1948-1950』(講談社文庫) 105円
 田中英光 「さようなら」、林房雄 「四つの文字」を読みたくて。
● 車谷長吉 『贋世捨人』(文春文庫) 105円
 この人の作品を読むにはある種の覚悟が要る。精神状態が向かないと思える時には、遠ざけた方が賢明だ。と言いながら、読まずにはいられない。
● 河盛好蔵 『回想の本棚』(中公文庫) 105円
● 井筒俊彦 『イスラーム生誕』(中公文庫) 105円
● 渡辺慧 『生命と自由』(岩波新書) 105円
●  桑野隆 『バフチン 〈対話〉そして〈解放の笑い〉』(岩波書店) 500円

3日 ブックオフ
● クライスト 『チリの地震』〈種村季弘訳〉(河出文庫) 105円
 ドイツ文学にある程度の造詣があれば知らない者はいない、34歳で自殺した19世紀初頭の孤高の作家。岩波文庫で『ペンテジレーア』『ミヒャエル・コールハースの運命』『O侯爵夫人 他六篇』『こわれがめ』は既読。河出文庫版には、「チリの地震」ほか6篇は岩波の『O侯爵夫人』の中にも入っている。しかし、「チリの地震」を一読して、同じ作品とは思えぬ趣に、読後言葉を失う。
狐のペンネームで有名な書評家、山村修が『もっと、狐の書評』(ちくま文庫)の中で、「マニエリスト種村季弘のこうした姿勢が、訳文にも影響しているとみていい。チリの大地震という十七世紀の史実を背景に、男と女の恋の異常な結末を書く表題作など、訳文の日本語が、さながらうねるがごとく波立つ」と書いている。全く同感である。
お薦めしたい本だが、残念ながら品切れで入手困難。

● 山村修 『気晴らしの発見』(新潮文庫) 105円
 後は、『遅読のすすめ』(新潮社)を入手できれば、狐=山村修に関しては、満足できる。

3日 古書店
● 保田與重郎 『後鳥羽院』(保田與重郎文庫4 新学舎) 400円
 言わずと知れた日本浪曼派の泰斗。戦時下の言動を批判され、終戦後、言論界から黙殺された。著者の本を読むことはタブーともされていたようだ。橋川文三『日本浪曼派批判序説』を先に読んでいれば、抵抗を覚えることがあっても不思議ではない。1960年後半以降の復権がなければ、こうして保田の多くの著作を文庫で読める環境にあったかどうかわからない。

『日本浪曼派の時代』『英雄と詩人』『ヱルテルは何故死んだか』ほか何冊かは、新学舎の文庫を購入して読んだものの、『後鳥羽院』には手が伸びなかった。そろそろ購入しようと思った時には、書店から姿を消していた。通常とは違う棚にひっそりと埋まっていた『後鳥羽院』が、私に微笑みかけてくれた。
『後鳥羽院』の中の、「近世の唯美主義」「近世文芸の誕生」は、『保田與重郎文芸論集』(講談社文芸文庫)に収められている。同書には、必読とも言える「日本の橋」も入っている。

● 奧浩平 『青春の墓標』(文春文庫) 300円
 単行本(ソフトカバー)と、同じ文庫を2冊所有しているのだが、つい購入してしまった。人に贈呈したものも含めれば、5冊は買っているだろうか。この他にも、樺美智子『人しれず微笑まん』、大宅歩『詩と反逆と死』、原口統三『二十歳のエチュード』、岸上大作『意志表示』などは、見つけるたびに値段に関係なく買ってしまうので、これまでに何冊購入し、何冊人の手に渡ったか正確には覚えていない。

● 臼井吉見 『大正文学史』(筑摩叢書) 200円
 友人が、臼井吉見の孫なので、気になった本は買うようにしている。
● 紀田順一郎 『日本の書物』(新潮社) 300円

まだまだ家じゅう、本の詰まった段ボール箱が積み上げられたままなので、今年は古本買いも、昨年より少な目にしようと思う。たぶん、無理。

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