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映画『八甲田山』の音楽を流すCMに違和感

芥川也寸志作曲『八甲田山』を愛聴している。車の中、自室でも。

映画『八甲田山』は4回観た。原作である新田次郎『八甲田山死の彷徨』も、もちろん読んでいる。日露戦争の始まる二年前、八甲田山における雪中行軍で、200名近い死者を出した悲劇を描いたものだ。

サッカーの試合、ドキュメンタリーを除くと、TVはほとんど見なくなっている。たまたま見ていたニュース番組内の某携帯電話のCMで、突然八甲田山の音楽が流れてきた。CMの情景との齟齬に耳を疑った。制作者の意図が全くわからなかった。ネットで調べ、事情がわかり、さらに呆れた。CMに登場する犬の声は、映画で神田大尉役を演じた、北大路欣也の声だということ。で、『八甲田山』?
新田次郎、作曲した芥川也寸志が生きていたら何と言うだろう。
大手広告代理店がからんだ、たかが企業のCM。目くじら立てることのほどではないという声があろうと、この違和感は拭えない。

映画『八甲田山』には、忘れられない場面がある。高倉健演ずる徳島大尉が、雪の山中を案内してくれた村の娘さわ(秋吉久美子)に対し、「案内人殿」とよびかけ、三十一聯隊の兵士とともに最敬礼する場面。もうひとつ、今は亡き緒方拳演ずる白髪の老人が、生き残った兵士として、映画の最後に花の咲き乱れる八甲田山を訪れる場面。雪の八甲田とはあまりにもかけ離れた、美しい情景。いずれも、原作にはない設定ではあるが。
芥川也寸志の音楽も、単なる映画音楽と呼べないほどの完成度をもった、名曲だと思う。

八甲田山における悲劇という史実を考慮しない音楽の採用。良識を疑う。

※その後、同CMを何度か見て抱いた感想を改めて書いてみた。興味のある方はそちらもどうぞ。 CMの音楽とメッセージ 映画『八甲田山』の音楽を流すCMに違和感(2)

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