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クリスマスの音楽 キャスリーン・バトルとサラ・ブライトマン

キャスリーン・バトルは22年前、ニッカウヰスキーのCMの中で、「オンブラ・マイ・フ」を歌って一躍有名になったソプラノ歌手。この曲はヘンデルのオペラ『セルセ(クセルクセス)』の中のアリアなのですが、ほとんど単独で取りあげられます。「ラルゴ」とも呼ばれ、様々にアレンジされていますが、ジョージ・セルという指揮者が(歌なしの)オーケストラで美しい演奏をしています。同じCDに入っている『水上の音楽』『王宮の花火の音楽』も名演ですので、お薦めの一枚です。

話を戻します。クリスマスの季節になると、必ずバトルのCD、『きよしこの夜/バトルークリスマスを歌う』を聴きたくなってしまいます。2年ほど前までは、他のクリスマス音楽のCDと並べられているのを見かけましたが、今年は全く見かけません。どうやら品切れに近い模様。どうして?と首をかしげてしまいます。このアルバムの中の「聖夜」(アダン)、「マリアの子守歌」(レーガー)は、言葉では表現し尽くせぬ美しさに満ちています。そしてやさしい「祈り」の気持ちが伝わってきます。もちろん、シューベルト、バッハ/グノーの「アヴェ・マリア」、「きよしこの夜」、「神の御子は今宵しも」、「久しく待ちにし」なども悪くないのですが、上記2曲が突出していて、霞んでしまいます。「聖夜」と「マリアの子守歌」2曲を聴くためだけでも手元に置いておく価値がある。そんな気持ちにさせてくれる、お薦めのアルバムです。新譜が手に入らなければ、ディスクユニオンなどの中古CDショップなら見つけられるかもしれません。今年は無理でも、来年のクリスマスにいかがでしょうか。

さて、説明する必要もないほど有名なサラ・ブライトマンの『冬のシンフォニー』(デラックス・エディション)。ちょっと残念というか、80点の出来だったというのが、あくまで私の、正直な感想です。期待、求めるものが大きいからだと思います。

バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」は、彼女の歌となり、バッハではなくなっています。もし、この曲を、カンタータ147番「心と口と行いと生きざまは」のコラール(第6曲、第10曲)で聴いたことのある方なら、わかっていただけるのではないでしょうか。「アメイジング・グレイス」は、歌唱力の点では及ばなくても、ドラマ「白い巨塔」で使われた、ヘイリーの歌の方が好みという方がいても、おかしくはないと思います。表現の仕方が全く違うので。「アヴェ・マリア」は、バッハ/グノー作曲のものが収められています。彼女以外に、こうは歌えないだろうという文句のない出来です。が、「アヴェ・マリア」なら、 『アヴェ・マリア~サラ・ブライトマン・クラシックス~』に収められているシューベルトの「アヴェ・マリア」の方が断然素晴らしい。他に感じたのは、彼女にデュエット曲は向いていないのではないかということです。男性の声と溶け合わないのです。男性歌手の技量云々ではなく、彼女に合う男性の歌声というものがあるのだろうかと思えてしまうのです。

唯一不満だったのは、付録のDVD。オーケストラと美しい星空をバックに、彼女の歌だけを聴いていたいと思うのに、舞台の前にアイススケートリンクが設けられていて、歌の最中にスケーターが滑り、邪魔になるのです。特に「ランニング」の中に出てくる、彼女ならではの「ジュピター」くらい、こんな演出せずに、じっくり聴かせてほしい!と思うのは、私くらいのものでしょうか。

再びCDの曲に戻って。「イン・ザ・ブリーク・ミッドウィンター」「アイヴ・ビーン・ディス・ウェイ・ビフォア」「ハッピー・クリスマス」「若葉のころ」「ヒー・ムーヴド・スルー・ザ・フェア」。サラ・ブライトマンの良さがフルに発揮されていて素晴らしい、のひと言。そして、昔シングルレコード(ドーナツ盤)でよく聴いた「Soleado(哀しみのソレアード)」。アルバムでの曲名は「ホェン・ア・チァイルド・イズ・ボーン」。彼女の美声が静かに、、やわらかく、暖かく、こころの中に染み込んできます。

何だかんだ言ってしまったのは、どうしてもアルバム『アヴェ・マリア~サラ・ブライトマン・クラシックス~』が頭の中にあるからです。このことはまた別の機会にお話ししたいと思います。

穏やかで、心安らかな、素敵なクリスマスを!

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