2022年「第22回不忍ブックストリート 一箱古本市」出品本の一部紹介(2)
明日4月30日(土)、「第22回不忍ブックストリート 一箱古本市」(11:00~16:00)、
<とみきち屋>は「HOTEL GRAPHY 根津」https://t.co/mcAX3neTQf さんに出店いたします。
一箱古本市を通じて知り合った店主さん、お客さんはたくさんいらっしゃいます。お顔を思い浮かべると、あの時はこんなことがあったな、こんな本を持ち帰ってもらったなと、さまざまな記憶がよみがえってきます。
3年ぶりの開催、お目にかかれたら…と願いをこめて明日は会場でお待ちしています。
もちろん、新しい方々との出会いにも期待して。
それでは、出品本の一部紹介第二弾です。
【文庫本】 書名直後に★があるのは絶版または品切れ
■多和田葉子『溶ける街 溶ける路』 講談社文芸文庫
■黒岩比佐子『音のない記憶』★ 角川ソフィア文庫
多和田さんの本はほんとうに人気があって、これまで20冊は届けてきたでしょうか。以前、多和田さんと私が高校の同期ということを、一箱古本市についてのブログで書きました。それをご覧になった黒岩比佐子さんから連絡をいただき、黒岩さんが高校の一年先輩ということも判明。いつかゆっくり話をしましょうと約束をして間もなく、黒岩さんは亡くなられました。一箱古本市がもたらしてくれた縁だったのに、残念でなりません。
黒岩さん渾身の作、『音のない記憶』も出品します。
■モーリス・パンゲ『自死の日本史』★ 講談社学術文庫
フランス人哲学者の著者が日本における自死を、武士道の切腹を根底において考察する日本文化論。史実的にみて多少の瑕疵はあるようですが、これだけ踏み込んで書かれていることに驚嘆します。三島由紀夫に関する記述は出色。
■アーサー・ケストラー『機械の中の幽霊』★ ちくま学芸文庫
ダーウィンの進化論に対する批判という枠には収まらない。壮大なヴィジョンのもと、人間の可能性を説いており、こうなると奇書に近いともいえるでしょう。一向に復刊の気配がありません。
■坂井弘『故人』★ 講談社文芸文庫
34歳という若さで事故死した山川方夫に捧げる鎮魂の書。山川方夫ファン必読。
■内藤礼『世界によってみられた夢』★ ちくま文庫
何と静謐で繊細な世界!光と影の、えもいわれぬバランスに魅了されます。こんな小さな作品なのに大きな存在感を伴い、魂の鼓動のようなものさえ感じられ。手にとってご覧になってみてください。気に入っていただけると思います。
■中平卓馬・篠山紀信『決闘写真論』 ★ 朝日文庫
中平卓馬の写真論は哲学にほかならない。言葉のひとつひとつに、鋭いナイフに抉られるような感覚を覚えます。
ほかにもこんな文庫本を。
■淀川長治・蓮實重彦・山田宏一『映画千夜一夜 上・下』 ★ 中公文庫
■中沢新一『フィロソフィア・ヤポニカ』 ★ 講談社学術文庫
■マッキントッシュ 『薔薇十字団』 ★ ちくま学芸文庫
■井上究一郎『ガリマールの家』 ★ ちくま文庫
■後藤明生『首塚の上のアドバルーン』 講談社文芸文庫
■塚本邦雄『新撰 小倉百人一首』 ★ 講談社文芸文庫
■高山宏『殺す・集める・読む』 ★ 創元ライブラリ
■テリー・イーグルトン『文学とは何か 上・下』 岩波文庫
■コルタサル『石蹴り遊び 上・下』 ★ 集英社文庫
■『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』 河出文庫
■野呂邦暢『失われた兵士たち』 ★ 文春学藝ライブラリー
■茨木のり子・長谷川宏『思索の淵にて』 ★ ちくま文庫
ほか多数
用意した本を一度には並べられませんので、入れ替え、補充をします。
そのため、前半と後半では箱の中身も結構変わります。お時間が許すようでしたら、二度足をお運びください。
みなさまのお越しをお待ちしております。
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